2-12 ~ エピローグ 綾香の笑顔 ~
8/14 24時分。 本日二話目です。一話目がまだの方は、ご注意ください。
エピローグなので、短いです。
では、どうぞ!
「へぇ……ここが田島の秘密の場所なんだ」
ニヤニヤとした表情で綾香が言う。
悠斗は少し疲れた表情だ。
昼休み、悠斗憩いの場である倉庫裏に、綾香の姿があった。
「いいところでしょ?ここを悠斗くんが独り占めしてるって、ズルいと思うよね?」
隣には、満面の笑みを浮かべる笑麻の姿もある。
「それで、どうしても話したいことってなんなのさ?」
この話は終わりだ、と言わんばかりに悠斗が話題を変える。
笑麻が冗談っぽく不満げな表情を作るのを横目に、綾香は一瞬、目を閉じた。
「翔太に……ちゃんと告白して、ちゃんとフラれてきた」
清々しい表情。
その表情に、笑麻は涙を堪えた。
「でもね?諦めるつもりはないんだ。翔太が私の方に振り向いてくれるか、この恋心が友情に変わるまで、私は翔太を追いかけるよ」
ちゃんと翔太にも許可を取ったしね、と綾香は笑う。
「……ストーカーじゃん」
「なにおー!?」
ボソッと呟いた悠斗に、綾香は目を三角にする。
しかし、その口元は笑っていた。
「まぁ……良く言えば一途、だね。君たちはよく似てるよ」
優衣を想い続ける翔太。
そして、そんな翔太を想い続けると決めた綾香。
「そうでしょ?私達は一途でピュアなんだよ」
「……悪く言えば、女々しい」
「だから!なんであんたはいつも一言多いのよ!」
悠斗に飛びかかり、その首を腕で締める綾香。綾香の控えめな胸が、悠斗に押し付けられる。
笑麻は、割り合い本気で綾香を止めに入った。
「まぁ……頑張りなよ、宮本」
笑麻によって、綾香から解放された悠斗は、小さな声で言う。
初めての“呼び捨て”であった。
「あぁ!綾香ちゃんのこと、『宮本』って呼び捨てた!?ねぇ悠斗くん!私は?私も呼び捨てがいい!」
いつの間にか、『君』としか呼ばれなくなっていた笑麻が、自分が呼び捨てられたことが無いことに気付き、叫び声を上げる。
思わず綾香は吹き出してしまった。
「ありがと……二人とも」
その小さな声は二人に届いただろうか?
降り注ぐ木漏れ日が、悠斗と笑麻の柔らかい表情を照らした。
無事に、2章が終了しました。
どうだったでしょうか?
個人的には、非常に気に入っている章だったりします。
翔太がいなければ、悠斗が笑麻や綾香に心を許すことはなかったでしょう。
中学時代、幼馴染に裏切られ深く傷ついた悠斗は、今よりも一層、他人を寄せ付けませんでした。それこそ、一生誰も信用しないと決意するほどに。
翔太が最初に悠斗の殻を開き、固く閉じこもってしまいそうだった悠斗の心を、最後のところで守っていたのです。
翔太が悠斗の心を開くことができた理由。
もちろん、彼がいい奴だから、という理由もあります。
しかし、自分にとって大切な女性がAV女優としてデビューしたという翔太の境遇が、悠斗の心に影響を及ぼしたこともまた事実です。
それがしっかりと描けていたらな、と思います。
しかし、この作品は女性が強いですね。
冷たくされても悠斗の側に寄り添い続ける笑麻。
翔太のためにAVプロダクションに突撃をかける綾香。
もうちょっと頑張れよ、男ども!
ということで、三章では悠斗が頑張る予定です。
きっと、男を魅せてくれることでしょう。期待していてください。
それでは、3章もぜひお付き合いください。
香坂蓮でしたー。




