とりあえず、結論から。
椿の挑戦は失敗に終わった。
ルール上、イベントごとに設けられているクエストを2週間に1つ成功させ、次のクエストに進まなければイベント失敗となる。
薫陸は無事に七輪にくべることが出来たが…
『女神は世界である。
願いを込められた石よ、彼女の願いは風に乗ったがその広さゆえ粉々になった。
役目を正しく果たした時、石はそれを世界に伝えるだろう。』
正しく役目を果たせなかったのだろう。
ただの燃えカスになってしまった。
そして、それ以上に
『古より伝われし本の都に眠る部屋』
23/62
23.「声を枯らせてもなお、願い叫び続けた少女よ。それは琥珀にあらず。真実を知るものに導かれしものよ。彼女の願いを運びたまえ。」
真実を知るものとやらに助言を求めるべきだったのではないかと、失敗した今はそう思える。
「…さて、23番目までは記録があるのでどうとでもクリアできますが、しかし…このヒントがなければいくら繰り返してもここで失敗を重ねるのは目に見えています…。
むしろ、あの薫陸が関係あったのかすら解らずじまいですしね…。」
SARAには燃えカスになった旨を伝えると支払った2,000Gの半分が返金された。
吹雪にも失敗した旨を伝えると、まさかそんな鬼イベントだったとはと逆に謝られてしまった。
掲示板にも途中経過として確定情報は上げたが…上げたが故にこのイベントに挑む人数はさらに減った。
椿は何をしようかと悩みつつ、今日は歴史書を片手に蔓薔薇図書館で読書を楽しんでいた。
昨今、書籍販売といえば電子書籍での販売がメイン。
たとえ大手出版社でも一部、高年齢層向けのもの以外で新刊を紙媒体で出すところは少ない。
それに伴ってか過去の書籍も電子書籍化された。
椿もリアルでは何冊もの紙媒体の本を所持できているのはひとえに祖父の趣味のおかげであったり、親族の引っ越しや大掃除なんかに出向いては引き取ったり、古本屋で買い求めているが故。
下手をすれば、量産された紙媒体の書物でさえ高価買い取りでプレミアがつくものもある。
そんな中著作権が切れた電子書籍は比較的にルーズに散逸していく。
確かに、内容の改変は許されてはいないがゲーム上にだってこうして現れるのだ。
だからこそこのゲーム内でここまでの蔵書が確保できたのだろうが…
チョウスガメ…いや、長宗我部と明智はかっこいいと結論を出したところで椿は心を決めた。
「グリブさん、私いい加減次の町にも行ってみたいと思います。」
「いきなりですねぇ、何か気になる事でもあったのですか?」
「はい、最近出たリブレリーっていう都市が気になるんです。」
「あぁ、街道が復活したのですってね。確かにあそこは面白い街ですし椿さんもきっと気に入ると思いますよ。」
リブレリー…本屋の町。
「ウーヴル・コンプレット…全集と名をかたる本屋があります。あそこは王立図書館よりも取り扱っている幅が広いですしね…。店主がちょっと難のある人ですが、紹介状をお渡ししますからぜひ行ってみてくださいね。」
そういってグリブはいつぞやの久遠師範時と同じように一筆書いてくれた。
なんと書いてくれたかは知らないがとても楽しそうに書いていたので中身はきっとあんまりよい物ではないだろうと椿は予想していた。
最近、なんとなく彼の裏面が見えてきた椿である。
「ウーヴル・コンプレット店主、ベルナデット様
最近街道が復活したという事で文を送ります。
この届人である椿さんは大変文学に興味を持っております、私の図書館にあります書物だけでは到底満足ができないと思いこうして貴方のもとに向かわせた次第です。
くれぐれも、よろしくお願いいたしますね。
貴方が忘れてはならない事は、ただ一つ。
けして追い返してはならない。それだけです。
では、お会いする事がないとよろしいのですが。
蔓薔薇図書館管理人 貴方の友、グリブ」
年度末終った―――!!!
しかし、これから6月までは忙しい繁忙期・・・
ははは、どうすればいいんだ…
結局失敗するイベントで長々引っ張るのもなぁと思いここで切っちゃいました。
だって、最初の町だけで廃人仕様イベントクリアできるわけがないんだもん。
更新が途絶えており申し訳ありません!




