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とりあえず、図書館に来たらすること。


 手首にはめられた黒い腕輪は鍵の代わりになるほかに館内MAP機能を持ち合わせているようでそれを付けているときにだけウィンドウにMAPを表示させることが出来たのだが、MAP自体が素晴らしく複雑だった。

地下には広大な書庫があり、眠っている資料の総数は正確に把握されていないとのこと。

unknownと書かれた空白の空間があるのは未だに鍵の空いていない確認されていない書庫があるとのこと。


「いったいどんな図書館なんでしょう…とりあえずは、伝承民話のコーナからですよね!」


 喜び勇んで3階の西の回廊から入った部屋は想像よりも広かった。

椿の憧れ、チェコにあるストラホフ修道院のように壁一面が本棚。

その中央には書見台がいくつもあり、天井に描かれた伝説の生き物や、女神たちは生きているかのようであった。


人気があまりないのか人はまばらだったが、それがまた良いと椿のテンションは上がるばかり…。


書見台の1つに陣取るとそのまま4時間ほど読み耽った、その間何度も不思議なことが起きたが椿はちっとも気になどしなかった。


 たとえば、伝承民話のコーナーが設けられている書庫の位置が変わったり。

本の配列がひとりでに変わったり。

室内なのに涼やかな風が吹いたり、終いには隣に座る人もいないのに一人でに本のページが捲れたりした。

さすがに最後のいたずらにだけは反応したが、誰もそばにいなかった。

もし魔法か何かでいたずらするにも見ていなければ1ページだけめくるなんて器用なことは決してできまい。


ようやく、椿は吹雪のお願いを思い出したが実害はさほどない。

本にしっかりと手を添えてただ黙々と読み進めるのであった。


やっと満足したのは5時間後。

テスト週間を目前としていることに気が付いてしまったのだ。


「ここは危険、来たら抜け出せない。なんでエジプトの神話がこんなにそろってるの。バビロニアとか…普通に無理でしょ。」


そうして椿はログアウトした。


2週間後必ずここに戻ってきて読破してやると心に決めて。

もはや最初のこだわりも、イベントの有無など心からさっぱり消えていた。

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