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とりあえず、彼女は持病を持っていました。

 椿はもうにんじんもジャガイモも大根もたまねぎも怖くなかった。

優しい吹雪がくれた劫火のロッドで全部丸焼きにして美味しくいただく余裕すらあった。


 そして、職に就くための目標である1,500Gに届いたまではよかったのだ。

そこまでは。


 必要なDEX (器用)、INT (知力)、MND (精神力)がなかなか達成しない。

もう、このフィールドで得られるものはアイテムだけ…あと1つでもレベルが上がってしまえばそれも難しいだろう。


 そろそろ次の町に行かなければと、吹雪が提案してくるほどに椿は行き詰っていた。

しかし彼女は別の意味でも行き詰っていた。


「吹雪さん、すみません。図書館に行きませんか…?1時間で…30分でもいいです、お願いです。図書館に…図書館に行きましょう?」


 行き詰るというよりは…持病の…いや、禁断症状といってもよかった。

動悸息切れ眩暈ではなく、読みたいという煩悩が彼女の行動を阻害していたといっていい。


なぜ司書になるために、こんな本断ちをしなきゃならないんだとふつふつと込みあがる感情はもはや抑えきれない…抑えるつもりなどもはやなかった。


「本!新聞!小説!何でもいいんです。吹雪さん本読みたいです、それか何でもいいです私の知らないお話し諳んじてください。」


血走るはずのないグラフィックのはずの彼女の顔は…

普通に怖かった、物語なんてももたろうくらいしか解らない吹雪は身の危険を感じ、必死に考えた挙句思い出した。


「そうだね!お勧めの…お勧めの図書館があるんだったよね!そこに行こう今すぐ行こうかさあ案内してくれ!」


「もちろんです!!お勧めの本も紹介しますね!!!!」


椿が壊れちゃったよーと吹雪が呟いたのにも気が付かづに、椿は喜び勇んで蔓薔薇図書館に走るのだった。


「…あの子あんなに速く走れたんだ…」


いつもならあちらこちらに声をかけてふらふらする椿ではあったが、今日は疾風のような速さで図書館に駆け込んだ。


それでも知り合いのNPCに走り去りながらも挨拶だけは欠かさない律義さと、器用さに掲示板が少しだけ賑わうのだけれども。


椿はそんなことは知らない。

すみません、見切り発車したおかげでこの後のストックがありません。

初心者が見切り発車なんてするんじゃなかった!!!

更新までお時間をいただいてしまいますが…頑張ります!

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