とりあえず、ハローワーク。
ふぉおおお、だのうぉおおおおだの。
椿は先ほどから唸りっぱなしであった。
これで念願の司書になれるのである。
そして、称号とスキルのいくつかをまとめてランクアップした言語博士なるものにも興奮していた。
「これで読み放題!!!」
蔓薔薇図書館にこもることはや3日。
ヴェルテュ語で書かれた物語や料理のレシピ本、鉱物の見分け方、美味しい野草の見つけ方などありとあらゆる本を読破し、神学語で書かれた美しいまでの祈りの方法や神々への思い、もはやラブレターなんじゃないかと思えるポエムなど。
あらゆる本を椿は読んでいった。
そして、グリブの勧めによりようやく5日後、新規登録・職業案内と書かれた吊看板の下にいた。
「司書になりたいので、登録お願いいたします。」
本来ならば職業リストを開き、そこから選択するものだが椿は違った。
早く図書館に戻りたくて戻りたくて仕方がなかったのだ。
「司書ですか?えっと称号言語博士は…お持ちのようですね。では詳細を説明させていただきます。」
カウンターのお姉さんは有能だった。
職業司書とは
資格発行費として1,500G必要となる。
資格所持者として次年度50,000Gの支払い義務が生じる。
各地にある図書館を無料で利用することができる。
閲覧制限のかかった本を読むことができる。
図書館内で仕事をすることができる。
副職として呪式師を兼務することができる。
高位職種として神学者や教授への転職が可能である。
「ですので、本日1,500G必要となります。大変失礼ですが所持金不足ですので、図書館での就労か冒険者としてフィールドでの採取や討伐、町内でのクエストをお勧めいたします。」
椿の夢はまだまだ遠い。
「わー…あと1,480G…」




