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プロローグ

 拙い文章しか書けぬ若輩ですが、どうぞよろしくお願いします。

また誤字・脱字・アドバイス・感想など、何かしら頂ける場合にはぜひとも感想フォームへいただけると小躍りして喜びます。


 VRシステムは本来軍事訓練用として開発され、その後医療・航空分野へすそ野を広げた。

その後システムの汎用化や小型化の成功による裕福層の家庭への進出、それに伴う娯楽要素の提供。

 需要が高まったための大量生産による価格の低下によりそれは爆発的に広がることとなった。

今では上半期下半期2回それぞれの新機種が発売されている。

基本的な性能は変わらなくても付け心地や、機体そのもののデザインなど…

毎回買い替えるには厳しくても、2年に1度であれば学生でも機種変ができるほど安くなった。


 今では頭部に装着していることが絶対条件ではあるものの眼鏡型、イヤリング型、イヤーカフス型、ピアス型、少し古い物ではフルフェイス型などの小型末端が主流であり、縦1m横0.5m高さ2mの親機1台で5人まで対応できるほどであった。

端末という切り離しによって小型化、高性能化が進んだといってもいい。


 そんな中彼女、山崎椿は珍しい部類に存在している。

家族や周りの友人がVRシステムの恩恵を受ける中、彼女は全くと言ってそれを必要としなかった。

もちろん、科学の授業や生物学の授業でのVRシステムを使用した実験には参加もしているし、比較的に良い成績を収めてはいるが個人的な使用は全くと言ってない。

彼女の部屋の大部分を埋め尽くしているのは紙媒体の本であった。

それも、少しばかり珍しい。

今ではVR内でも読めれば電子書籍が一般的である。


「特に必要だと思わなかったので使用しなかっただけなんですけど…そんなに珍しいでしょうか?」とは彼女の言だ。


珍しい、むしろ希少である。

そんな彼女にも機会というものはやってくるのだ。


椿が所属している文芸部には松竹梅3人衆と呼ばれる先輩たちがいた。

松こと松島奈々子、ファンタジー小説とか良いよね、可愛い女の子良いよねとどこかすっ飛んでしまった美少女。

竹こと笹倉健司、笹と竹は違うと何度主張しても正されることがなかった廃人ゲーマー。

梅こと松角梅茂、椿と同じように紙媒体書籍をこよなく愛する文学少年。

この3人の強引なまでの勧めによって椿は初めてVRシステムを使用したゲームを体験することとなる。


 事の始まりは笹倉が懸賞で当てた話題のVRMMORPG『琥珀の世界』であった。

今もっとも新しいVRMMORPGではあったが、椿は当然興味がなかった。

松竹梅たちはそれぞれ『ラグナロク―神々の黄昏―』『アカシックレコード』『ウロボロス・ワールド』とそれぞれ育て上げたプレイヤーとして忙しい日々を送っていた。

そこで、この幸運をだれに譲渡しようかと考えたところ満場一致で椿に、白羽の矢が立ったのだ。


「「「絶対、乗り換える時の心配とかしないですむ子だ!」」」と。


そこで彼らは考えた、どうすれば椿にやってもらうことができるか。

懸賞で当てたIDだけじゃだめだ。

きっとキャラメイクも面倒がる。

普段の生活で使う分ならVRに自分の分身ともいえるアバターは簡易アバターでいい。

下手をすればアバターなど記号扱いで、自分で操作するという感覚を捨てている場合もあった。

デフォルメ仕様のものはゲームには向かない。

できる限り自分の身長や身体バランスに近いほうがいいのだ。

でないと動けなくなる、近ければ近いほど操作性は上がるのだ。

彼らの出した結論は簡単だった。

「授業用の等身大アバターデータを流用させよう。」

「…ちょうどいいことに身体測定後ですね…」

「そーして、我らが松島嬢は保健委員…決まりだな。」


彼らはちょっとした危険を冒してデータを手に入れた。


こんな苦労をするならば普通にオークションや中古屋で売ってしまえば良い物を、何度自分たちが語っても理解しなかった椿への執念か、彼らはあきらめることがなかった。


そして、すべてのお膳立てが済んだ夏休み前日。


松竹梅たちは椿の部屋にいた。


「笹倉先輩、これ高いんじゃないんですか?」

「懸賞で当たったから全然…俺はそっちにて出すほどウロボロス飽きてないからさ、宝の持ち腐れになっちまうんだ、ほかの2人ももうメイン持ってるしさ。そこで絶対手の空いているであろう椿にこの夏休みを有効かつ、楽しんでもらおうと思ってな。」

「椿ちゃんたら今年、ご両親が海外出張で暇だって言ってたでしょー?バイトもできないんだから是非!!」

「そうだぞ~たしかにVRには紙媒体書籍はない、でも新しい物語は確かにそこにあるんだ!」


熱心すぎる訴えと、完璧にお膳立てされたデータたちを前に椿はあきらめた。


こうして、椿は初めて個人的な理由でVRシステムの使用に至ったのである。




 短く区切ってお茶菓子にでもなればと思っております。

最後までお付き合いいただければ幸いです。



松角先輩の名前を間違えておりました…

ご指摘ありがとうございます。(3/22)

松角茂⇒松角梅茂

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