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真・恋姫†無双 ~司馬懿仲達の憂鬱~  作者: 堕落論
序章 『始まりの始まり』
5/30

司馬懿 VS 曹孟徳 前半戦

どうも~堕落論です。

今回は試験的にオリ主目線って奴で書いてみました。

読み難い所も多々あるでしょうが一時でも楽しんで頂けたら幸いです。

え~、『司馬懿仲達の憂鬱』を読んで頂いる皆様、御久し振りです。故あって恋姫の世界に転成致しました、司馬田尚志改めまして司馬懿仲達です。


何故いきなり私がメタな発言なのかと言いますとですねえ、実は、司馬家の長男として、この『恋姫』の世界に生を受けてから既に18年近くも経っちゃってるんですよねえ……


ぶっちゃけ幼少時の頃の事など本筋を進めるにあたって邪魔以外何者でもないですし、特に40ン才の思考を保ったまま我が母『司馬防』(恐らく私を生んだのは20歳になるかならないかの時期でしょうか……)の豊かな胸に顔を埋めて一心不乱に母乳を飲んでる姿なぞ、二度と思い出したくない程のトラウマなんですよねえ……しかし、母乳ってあんまり美味しいものでは無いんですねえ、あれをプレイにしている人達って一体どういう人種なのでしょうか?


まあ、それはさておき……転生した先が『司馬家』だと理解した時には「名字繋がりなのかっ!」とか「司馬懿だとしても登場時期が微妙……」とか思ったりもして此処は本当に『恋姫』の世界なのだろうかと色々疑いましたが、自分以外の『司馬の八達』が全て女性だと判別した時(末妹の司馬敏が生まれた時ですが……)に、やはり此処は『恋姫』の世界なのだと妙に納得したものでしたねえ。


取り敢えず此処に転生する前の御約束事であった能力に関してですが、自分の要望通りの知力や魅力を与えてくれたようでして、司馬家の一男七女の中では博覧強記・才気煥発とのお褒めの言葉を頂くほどでありまして、魅力の方もそこそこの様です。


が、しかし武の方に至っては末妹の司馬敏(現在8歳、本当に可愛いんですよこれが……)からも「兄上、もっと武芸に励まなければ御自分の身も護る事が出来ませぬ!!」と、強烈な打ち込みを喰らうほどの体たらくなんですよ……トホホ


ああ、後、幼少時の思い出と言えば、あまりにも家族や使用人達に至るまでに厳格過ぎる両親に対して司馬朗姉上と二人で家庭内闘争を試み、一年余りを掛けて、明るい家庭内環境と妹達の自由な人生を勝ち取った事ぐらいですかね……


えっ? 当時の教育的な考えは儒教であって親に反抗するのは駄目だろうって? まあ確かに両親に対する反抗など儒教での孝悌に於いてはとんでもない事なのでしょうが、それ以上に家族(司馬家で働いてくれている使用人達も広義では家族です)の間に厳格などと言う己の力の誇示の様な壁を創る事に対して私は我慢が出来ませんでしたからね。


ただ勘違いして欲しく無いのは、私個人として儒教をこの時代の儒者の様に妄信していないと言うだけであって、基本的に儒教は人の行動の原理ではあると思っているのですよ。最も儒学者なんてものには絶対になりたくは無いですがね……


まあそんなこんなで、この『恋姫』の世界に生を受けて18年近くまったりと生きて来た訳ですが、先年の春に母上が洛陽での治書御史に任じられ一族郎党を引き連れて引っ越しをしてきた際に、姉上と私も半強制的に出仕する事になり、姉上は母上の手伝い、私は何故か母上の御友人で三公の司徒であられる袁隗様に気に入られ、袁隗様の秘書の様な仕事に付いております。


秘書と言っても公的な職務における秘書は朝廷から任じられている方がいらっしゃいますので、私の仕事は袁隗様のプライベートに関する事が主であり、どちらかと言えば袁隗様の政策立案であったり、洛陽の都市計画の発案をしたりする事のほうが多いんですが……勿論正当な国からの賃金など出る筈も無く、私の給料は袁隗様の私費から出されているので元居た世界で言えば私設秘書兼ブレーンの様な扱いですかね。






「……………と、言う訳で、以上、転生してから現在に至るまでの事情説明を終了させて頂きます」


「仲達……貴方、先程から私の問い掛けを無視して、誰に向かってブツブツと独り言を喋っているのかしら?」


ここは宮中にある資料庫に隣接する閲覧室。私の様な下級官吏ですらない者が立ち入れる様な場所ではないのですが、上司である袁隗様の御好意で後漢建国以来の政治的資料を閲覧させて頂いています。先程から私に喋りかけて来ているのは誰あろう曹孟徳、真名は華琳。『恋姫』の世界では一番の有名人が私の眼前で腕を組んで座られています。


何故に覇王曹孟徳の様な方が未だ一般庶民と大差ない私に話しかけているかといえば、猛徳さんが孝廉に推挙された折りに洛陽北部都尉に起用したというのが我が母であり、その縁から何かと親しくして貰っている訳なんですよ。


しかし妄想世界の住人であるとはいえ、流石に曹孟徳です。ただ、座して話をしているだけなのに、この覇気に満ちた威圧感は反則だと思います。幼少の頃の我が母の質実剛健な威圧感もかなりなものでしたが、眼前の少女が発するそれも、勝るとも劣らぬものが感じられます。………唯一つ我が母と違う所は、まあ、母性の象徴である体の一部分が我が母と比べると慎ましやかで残念だと言う所ですか……


「仲達……貴方、私を無視した上に失礼な事を考えているようだけれど……一回死んでみる?」


いやいや、孟徳さん、人の心の内まで読めるなんて貴女こそ一体何処までチートなんですか。それと危険ですから絶をこんな場所で突き付けないで下さい。確か宮中には武器は持ち込めない筈なんじゃなかったでしょうか? ……ハァ~ッ、しょうがないですねえ、あまり調べ物の邪魔をされたくは無いんですがねえ。


「私は別に孟徳さんを無視している訳じゃあありませんよ、必要最小限の返事はしているじゃあないですか。それに孟徳さんの所への仕官の話ならば、もう何度も断っている筈だと思いますが……」


「ええ、確かにもう何度目かも分からない程、悉く仲達には仕官の話を断られ続けているわね」


「でしょう……いくら治書御史の息子だからと言っても、私の様な小物に何故そこまで拘るんでしょうかねえ?」


「仲達……貴方、自分の事を小物だなんて本気で思っているのかしら?」


「ええ、思っていますよ。私には袁家の様に誇れる様な家柄も官位もありませんし、孟徳さんの側に侍る元譲さんや妙才さんの様な際立った武など持ち合わせていませんし、多少の得意分野である知の方も実際に何かに使用したと言う訳でもないのでねえ……」


「まあ良いわ、ならば仲達、貴方に一つ確かめたい事があるのだけれど、貴方、一応は司徒の袁隗様の書生と言う事になっているのよね。でも実際の所はそれだけに留まらず政策立案や、この洛陽の区割にまで進言をしたって言うのは本当かしら?」


「ああ、その事でしたら確かに先年の初夏の頃に袁隗様から直々に、気付いた事があればと言う事でしたので差し出がましい真似とは思いましたが、私の考えを述べさせては頂きました。しかし進言などと言う様な公式なモノでは無かったですし、あれはただ単に私の能力試験の様なものだと記憶しているのですがねえ」


確かに袁隗様の御側に控える様になって一月ほどたった時に、袁隗様から洛陽の都を見て感ずる所を申せとの御達しで意見書の様な物を提出はしましたが、あれから四季を巡っても洛陽の都は殆ど何も変わっていませんので意味は無かったと思っていたのですが……それよりも孟徳さんは何故そんな事迄御存知なんでしょうか?


「その時に提出したのは、この竹簡の事なのかしら」


そう言うと孟徳さんは、その残念な胸……ゲフンゲフン……いやいや懐から竹簡を取り出して私の方へと広げました。


「ああ、これですね。しかし袁隗様がお持ちの筈のものを、孟徳さんが何故持っているのでしょうか? まあ最も何一つ政策や意見が取り上げられていない点を思えば、袁隗様の眼鏡に適わなかったと言う事でしょうが……」


まあどうせそのぐらいの扱いでしょうと元々思っていましたから、別段気にも留めていなかった竹簡を手に取って見ると所々に朱筆で添削されている事に気付きました。


「仲達、私は人材を見極める目は、他の誰よりも有るつもりよ。その私が見ても貴方の政策は、今迄見て来た他の政策案のどれよりも具体的で理に適っていたわ。袁隗様も何度も貴方の意見を上奏しようとしていたのだけれど、その度に頭の堅い内朝の宦官達に握り潰されていたのよ」


「はあ、まあ中常侍のお歴々には御自身達の既得権の問題が絡んできますから、私の意見は、例え袁隗様が上奏されたとしても、まず取り上げられる事はないでしょうねえ」


何時の世にも改革と言うものには、それ以前の旧弊にしがみ付いて利益を得ている者達の反対がある事は理解していますので別段憤る事では無いですね……言外にその意を含んで孟徳さんに返答したのですがその答え方が彼女の気に障ったらしくて、彼女は声を荒げて


「貴方はあれ程の件策案を握り潰されて悔しく無いのっ! いえそんな事よりも、あの様な愚かな臣共を畏れ多くも霊帝陛下の御側近くに侍らせておく事に危機感を持たないのかしら」


「孟徳さん、ここは宮中ですよ。誰かが何処かで耳を欹てているかもしれない場所で、その様な物騒な事を言い出すのは感心しませんねえ」


「あら、私は誰に何を聞かれても一向に構う事はないわよ」


「いやいや、私が……と、言うよりは袁隗様の御側に控えている私の立場が困るんですよ。こんなことで帝を蔑にする様な話の一端に加担していたと言う事になれば、私に目を掛けてくれている袁隗様の顔を潰す事になってしまいますから」


「私は、その袁隗様から貴方の事を頼まれているのだけれど」


「はいぃっ………?」


孟徳さんから放たれた思いもよらない一言は私の思考を急停止させるだけでは無く間抜けな声をも口から出させました。


「袁隗様は、貴方は自分の手元に置いておくには余りにも宝の持ち腐れであって決して貴方の為、延いてはこの国の為にはならないと、かと言って他の凡庸な者に貴方を預けても結果は同じ事。ならばいっそのこと私の下で貴方の才を自由に使わせてやって欲しいと仰られていたわよ」


「袁隗様が……私の才を自由にと……」


「そうよ、司馬懿仲達。貴方の様な才ある者は、私の下でその類稀なる才を充分に発揮すべきだわ。幸いにもこの末には私は陳留刺史として任地に赴く事になるわ、貴方も知っての通り私の配下には春蘭や秋蘭の様にごく一部の者しか大任を果せる者がいない。内政を司る優れた文官は喉から手が出るほど欲しいのよ」


孟徳さんの覇気に溢れた力強い視線が、私の事を射抜くように見据えます。正直言って、あの曹孟徳に必要とされている事実が私を逡巡させたのですが……


「孟徳さん自らの折角の御誘いですが……」


「やはり、貴方はこの洛陽に残ると言うのかしら?」


「はい、本当に申し訳ないのですが……」


「理由を聞かせて貰えるかしら、仲達」


「理由ですか? そうですねえ……まず貴女の仰る人材不足の件ですが、これは貴女が陳留刺史になれば、その問題は解決すると思います。何故なら今後数年の内にこの国は未曽有の大危機に陥るでしょう。そうなれば在野にいる私よりも優れた人物は先を争って貴女の元に馳せ参じる事になるでしょう」


「その根拠は?」


「まずはここ数年来の飢饉による食糧不足の所為で農民達はもとより一般庶民に至るまで現体制に対する不満で満ち満ちています。特定は出来ませんが今後各地で武装決起が頻発する事は火を見るより明らかです。一方朝廷側でも禁軍として派兵は行うでしょうが、それでも禁軍が勝利を掴めるのは最初の内だけでしょうね」


「それは何故かしら?」


「単純に言って、数の暴力ですよ。現行の体制に改革が見受けられない限り、庶民の不満は天を衝くほどになって生まれた土地を棄ててでも禁軍に抵抗を続けますよ。ならば数が膨れ上がって行くそれらの者に対して動員に限りがある禁軍、さてどちらが有利であると孟徳さんは御考えですか?」


「朝廷だとて無能の集まりでは無いわよ。各地の諸公に対して禁勅を出して兵を動員するし、義勇軍だって各州や郡で結成されるわよ」


「そうですね……その事こそが自分達の首を絞めている事にも気付かずに禁勅を乱発するでしょうね。禁勅を乱発した結果、各地の力を持った諸公達に結果的には大きな力……具体的に言えば軍事力と発言力を持たせると同時に朝廷の力の低下を諸公達に吹聴する事になるんですが、考えてみればみるほど馬鹿らしい話ですね。そもそも国家と言うものを自分達の独占物と勘違いしだす輩が帝の側に多いからこの様な事態に陥ろうとするんですよ。あくまでも国家と言うものは其処に暮らす国民たちの物であって帝の所有物でも無いですし、ましてやごく一握りの特権階級の方達の物では絶対に無いのですから」


私の答えを孟徳さんは興味深そうに聞き入った後に含みのある笑顔で私に向かって言いました。


「先程、私が貴方に咎められた言葉より危険な思想を熱弁しているわよ、仲達。でも中々貴重な意見を聞く事が出来たわ……ところで貴方が言っていた有能な人物が私の下に集まると言った訳をまだ説明して貰っていないのだけれど」


「そんな事、誰に問うても同じ答えが返って来ると思いますがねえ……今後この大陸に数多の諸侯が玉石混淆して台頭して来ると思われますが、五年、いや十年後を考えれば大部分は淘汰され、生きて名を残す諸侯は五指に余るかと……在野の賢人や一騎当千の武人達は息を潜め事の推移を見守っているでしょう。その者達が最終的に誰を選ぶかなど考えるまでもありますまいに……」


そう言った私は孟徳さんの顔をじっと見つめました……いやあ本当に整った綺麗な顔立ちですねえ。ついつい仕官の話を承諾してしまいそうなぐらい魅力的なお嬢さんですよ、貴女は……でも未だ北郷一刀君が何処に現れるかがハッキリしない内に、私は貴女の所に仕官は出来ないんですよ。それに洛陽にはまだまだ私がやっておかねばならない大きな仕事が残っていますし、未だ私の待ち人が天水から上洛をしていませんのでね……



う~ん、オリ主目線って難しい……説明文なのか心の内の言葉なのかの区別がつけ難い……まだまだ勉強しないとなあ……


と、言う訳で次回は後半戦です。もう少しだけでも上手く書ける様になれれば良いなあ……堕落論でした。

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