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真・恋姫†無双 ~司馬懿仲達の憂鬱~  作者: 堕落論
序章 『始まりの始まり』
3/30

プロローグ 3 提示

「……っ、ううっ……ううぅんっ……」


(何か悪い夢を見た様な気がしますね……うん、悪い夢です。神様ってのが居るって事は良しとしましょう……ですがその神様がうどん食べる為に降臨するなんて……何処の『聖☆おに○さん』設定ですか……そう、これは夢です。此処の所離婚調停等で疲れていた私が見た夢なんです。ええそうに決まっています)


混濁する意識の中で、彼はそう考えて今度こそ本当の世界へと希望を抱きながら目を開けようとした時、


「いや、現実逃避をされるのは結構なんですが……何度気絶されても司馬田さんが死んでいると言う状況は変わらないですよ」


宛ら全ての希望を打ち砕くかの様な声が聞こえて来る。何とは無く理解はしていたが、改めて突き付けられた事実に対して非常な理不尽を感じて声を荒げてしまう。


「何を他人事のように仰っているんですか? そもそも貴方の主が、うどんを食べたいが為に下界に来なければ、今此処に私はいない筈じゃあないですか!!」


「まあその事に尽いては我々天界も甚だ遺憾には考えているのですが、我々は決して今回の不幸な事故を他人事などと無責任な事はちっとも思っていませんですよ。それ故、事態収拾と事後協議の為に態々大天使の私自らが天界から派遣されて来たのですから、人の身でありながら光栄だと思って下さい」


「え~と……甚だ遺憾であると言う政治家の様な答弁とか、貴方が大天使であるとか、事故の張本人である貴方方が何故上から目線なのか等、ツッコミ所は多々有るのですが…………」


「それがどうかいたしましたか?」


言外に何か文句があるのかとでもいう雰囲気を漂わせた相手の言葉に彼は、もうどうでもよくなってきて投げ遣り気味に言葉を返す。


「いえ、これ以上不毛な会話を続ける事は精神衛生上良くないって事だけは理解が出来ました……で、事態収拾と事後協議と言う事ですが、結局私はこれからどうすれば良いのでしょうか?」


「ほう、御理解が頂けたようで幸いです……もう少し錯乱状態で抵抗を示すかと思っていたのですが………司馬田さんって、やはり少し人としてズレていませんか?」


「貴方は話を纏めに来たのか、私の事をからかいに来たのかをハッキリとさせた方が相互理解の為に宜しいのではないかと思いますが……」


「いやいや、これは失礼致しました。でも突発的な事故でお亡くなりになったのに、此処まで冷静な方は本当に珍しいんですよ……まあそれはさて置き本題に入りましょうか」


「やっとですか……あんまり前フリ長いとSS読者にソッポ向かれてしまいますよ」


「ハイ、其処の死人、メタ発言禁止!!」


「何で天界の大天使とやらがメタ発言なんて言葉知ってるんですかっ!?」


「まあ、近頃の天界は何でもアリですからね……と、言う訳で本題に入ります。突然ですが貴方には転生して貰います」


「はいぃっ?」


「転生ですよ。テ・ン・セ・イ。分かりますか? 転生!! 貴方が望んだ世界に転生して頂いて、我々天界が付与したチート能力全開で「そりゃあもう大騒ぎさっ、イェ~ィ!」ってな具合で新しい人生を楽しんで貰おうと言う事で……オケ?」


「いやいや……オケ? って……そんな軽いノリで言われても、元の世界に生き返るって事は出来ないんですか? 私つい最近離婚が成立しましたんで将太に愛香、二人の子供達の養育費も払っていかなければならないんですよ……」


「ああ……言い難いのですが生き返るのは無理ですねえ……だって貴方の遺体はもう荼毘に付されましたし、貴方が死んだと言う事をかなりの人が認識しているんですよ。それらの認識を全部書き換えて貴方の人生を再構成するなどと言うプチ創生なんて、ぶっちゃけ面倒くさいだけですし……」


「面倒くさいって……そもそも貴方達の手違いでしょうが」


「それについては重々申し訳ないとは思っていますが、実質貴方一人を生き返らせると貴方が死んでから以降に出生した新たな命を全て無かった事にしなきゃいけないんですよ……そんな悪魔の様な所業を貴方は望むんですか?」


「ぐっ……」


「ですからここは一つ貴方に我慢して頂いて快く転生して頂けないかなあと、我々は思う次第でありまして……勿論転生した世界での身の安全及び快適なセカンドライフは天界が保証しますよ」


「二人の子供達の養育費は……私がそれを払えないとなると元妻と子供二人の生活の心配が……」


「それは無問題です!! 貴方が御子さん二人を受取人にしている生命保険ですが此方の方で手を加えておきましたので、毎月30万円程は奥さんの口座に入る様になっていますし、貴方の両親にも同額が振り込まれますよ」


「貴方方はうちの家族を全員ニートにでもするおつもりですか?」


「まあそこは天界からの誠意と言う事で御納得を頂いて、如何でしょうか後顧の憂いも無くなった事ですし、ここは一つ快く転生して頂けませんかねえ」


そう言った声のトーンは大天使と言うよりは、自分が加入した生命保険のセールスレディに近いなあと、彼は現実逃避が半ば入った状態でぼんやりと考えていた。

どうも堕落論です。


『プロローグ 3 提示』を書かせて頂きました。


次回でプロローグ終了いたします。


今後とも頑張りますので宜しくお願い致します。

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