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真・恋姫†無双 ~司馬懿仲達の憂鬱~  作者: 堕落論
第一章  『南陽改革大作戦!!』
12/30

南陽改革 大作戦!! ――『国家戦略情報室』南陽へ――

え~いつも『司馬懿仲達の憂鬱』を御読み頂きまして誠にありがとうございます。

御元気ですか。堕落論ですぅ。


本日は本編を御読み頂く前に、皆様にお詫びをしなければならない重大な間違いがあります。それは、前回『執務室での誓い?!』を書かせて頂いたのですが、その回に非常に大事な場面を書き落としている事に気が付きました。


それは主人公の司馬仲達を筆頭とした一人の男と三人の女からなる『国家戦略情報処理室』のメンバーが想いを一つにした後にお互いの真名を交換し合うと言う大事な場面でなのですが……



すいませんm(__)m  手違いで真名の交換の場面が無い、改訂前の駄文を載せてしまっていました……早急に手直しする様に努力致しますので、本当にすいませんでした。


上記の理由もあって今回は全員が真名で呼び合っています。非常に奇異な感じをお持ちになる読者様もおられるでしょうが、お読み頂ければ幸いかと思いますので、どうか宜しくお願い致します。

皆さ~んっ!! 元気ですかぁあっ!! いくぞぉ――っ!! 1、2、3 ダァ――――ッ!! 


ああ~ぁ、スッキリした。此処の所、家の部署の女性三人に主導権を取られまくりで……どうも影の薄い主人公の司馬仲達です。


前々回に非常に綺麗な終わり方をしまして読者の皆様には今後は司馬懿と三人の彼女達との「キャッハ、ウフフ」な物語が展開して行くと思われた方も多かったのではないかと思われます。斯く言う私もちょっとは期待しました………しっかぁしっ! 世の中は(作者の都合とも言うらしいですが)そうそう、上手くはいかないようです。




―――― 執務室の誓い……から2週間後、私設秘書執務室……別名『国家戦略情報室』――――



「愛将っ!! 袁隗様からの仕事だよっ!! どうやら今回は荊州南陽……公路嬢ちゃんの所への査察らしいよ」


「査察……ですか? 何でまたその様な仕事が回って来るのでしょうか? 南陽の公路さんならば袁隗様でなく袁逢様の管轄でしょう……その辺りは春日さん、何か聞いてますか?」


「ん~っと…………ああっ、あったあったこの竹簡だわ……ほいっ、愛将。袁隗様からの指令書」


私は、春日さんから手渡された竹簡と、優希さんが淹れてくれたお茶を持って部屋の中央に設置されている机に向かいます。四半刻程、指令書に目を通した後、所用で席を外していた華炎さんが戻って来たので、春日さんと優希さんも含めた四人で会議に入ります。


「え~、取り敢えず次のお仕事は、公路さんが治める荊州南陽への査察であります。まあ、査察とは言うものの実際には我々に袁逢様の代理委任権が預けられておりますので、一ヶ月程南陽に滞在している間に、南陽の街の整理や、能無し官吏の罷免、新規官吏の登用、及び税制改革等を迅速に行わなければいけません」


「代理委任権……? 何で僕達にそんな面倒なものを袁逢様は与えるんだい?」


「はい、華炎さん、非常に良い質問です。まあ、端的に言えば我々の今迄の仕事ぶりを評価してくれての事ではあるらしいのですが……」


「それだけじゃあない……別に、理由有り?」


「そうです、優希さん。実は別の理由の方が大事だったりするんですよ。我々に態々全権委任をすると言う事は、それだけ徹底的に南陽の大改革を行えと言う、汝南袁氏本家からの無言の圧力ですね」


「でも、何で汝南袁家の本家自らが断を下すのではなく、私達がやんなきゃなんないのよっ!! さっきの華炎じゃあないけれど、全く面倒臭いわねえっ!!」


「その理由、考え付きませんか……春日さん?」


「えっ、理由………?」


「ええ、簡単な事ですよ……諸々の改革を、かなりの短期間でやらねばならないのですから、当然、かなり荒っぽい事もしなければなりませんねえ。何処の世界でも、不思議と悪行に手を染める方々と言うのは逆恨みをし易い人種なんですよ」


「それって、私達が南陽で今から行う改革に邪魔が入るって事?」


「まあ、邪魔が入る云々と言うよりも袁家の狙いは、検挙されたり、罷免されたりした官吏達の恨みが、袁家に向くのでは無くて直接我々に向く様にする為なのでしょうねえ」


「何よそれっ! 嫌な役を全部こっちに押し付けているだけじゃあ無いのっ!」


「まあ、そう言う事になりますかねえ……それと今回のこの仕事は袁隗様の印綬は有りますが恐らくは本初さんの所から出たものですよ。優希さん、袁家でこの様な愚かな案を考えるのは誰か……見当つきますか?」


「田豊、逢紀……嫌疑濃厚」


「ふむ、即答ですか……まあ、考えられるのは逢紀さんでしょうねえ。田豊さんならばもっと上手に根回しするでしょうからねえ」


「で、結局どうするんだい? 愛将?」


「勿論、お受けしますよ、華炎さん。元々南陽の統治に関しては、何らかの手を打とうと思っていましたし、南陽には、後々の事を考えて誼を通じておかなければならない相手もいるのでね」


「客将扱いの孫家の事かい?」


「流石は華炎さんですね……その通りです。私は現行の能無し官吏共を大量に罷免した後に、今は客将扱いの孫家の者達を積極的に登用して行こうと思うんですよ」


「悪い案では無いと思うけれど……お互いに納得するかなあ?」


「華炎さんの憂慮も尤もな事だとは思いますが大丈夫でしょう……まあ、私といたしましては、袁家の交渉相手は役不足の感が否めませんが、孫家の交渉相手は楽しめそうですからね」


「何か楽しそうねえ……愛将」


「当たり前でしょう、春日さん。こう言っては何ですが、本初さんの所の筆頭軍師でも無い唯の一文官如きが、我々に喧嘩を売って来ているんですよ。これはもう正々堂々と受けて立ち、我々流の御もてなしをしてあげなければねえ……」


そうです、我々を都合よく使おうとする方々には、それ相応の対価を払って頂かなければならないですから……


「あ~あ、愛将が、あんな顔する時には敵対したくないんだよね……間違い無く、逢紀は自分のした事を後悔する事になるよ」


「どうかしましたか? 華炎さん?」


「いやいや、何でも無いよ。独り言だから、気にしないでくれたまえ」


「そうなんですか? では華炎さん、貴女は荊州方面の細作からの報告で、公路さん絡みの案件を税制に関してだけ分析しておいて下さい」


「んっ、了解した。孫家絡みで税制に明るい者の選別は?」


「出来る様なら、一緒にお願い出来ますか。春日さんは南陽専属の細作から上がって来ている報告の中で、官吏の不正の報告だけを分析して頂けますか。そして速やかに罷免すべき官吏の一覧表を作成してください。現行の公路さん配下の官吏の職別一覧は、後でお渡ししますから」


「了解っ!! 不正に関しては文官も、武官も全て罪に問うて良いのかしら?」


「一向に構いませんよ。後、南陽にいる袁家一族でも、名前が挙がっている者達は全て含んで頂いて結構です。最後に優希さん……公路さんの所へ、本初さんの文官を移動させようと思うのですが、貴女には袁本家との折衝役をお願い出来ますか」


「承諾っ!!」


さあ、忙しくなってきましたねえ……我々としては初めての大きな仕事です。袁本家では上手く厄介事を押し付けたつもりでしょうが、全ての改革が終わった後に、我々を侮った事を十二分に悔いて頂きましょう。


「では総員、今から五日程を目処として南陽対策を纏め、万全の準備を整えて任地に乗り込みましょう!!」


「「「応っ!!」」」


私の号令の下一斉に皆が自分の仕事に向かい出しました。





――――それから、更に十日後 荊州南陽の街中にある旅館の一室――――



「さて……取り敢えずは南陽に入る事が出来ましたね。恐らく城門の守衛に渡した手紙を読んだ後に、公路さん側から、何らかの動きがあるとは思いますが……如何せん、あの公路さんと張勲さんですからいつ、返事が来るかもハッキリ言って分かりません」


誠に馬鹿らしい話ではあるのですが、公路さんと張勲さんの御気楽極楽主従の現状などそんなものです、上が上なら下の者達も使い物にならない訳で、先程渡した公式書簡がキチンと上まで届くかも怪しいと私は思いますがね……


「以前から思ってたんだけど、よくあれで太守なんて勤まるわねえ……」


「まあ、勤まっているか、いないかの判断を今から一月に渡って行う訳ですが……ぶっちゃけ、公路さん達の良い噂などは全く無いと思って頂いても宜しいかと思われます」


「だろうね……城門からこの旅館迄、歩いただけでも街全体の活気の無さが手に取る様に分かるし、城門の守衛や街中の警備隊の者達が、我々を値踏みする様な眼で見ていた事も非常に腹立たしいね」


華炎さんも、春日さんも着いて早々に見た、街の荒廃ぶりに対して、あまり良い感情は持たなかった様ですねえ。


「或る程度は予想出来た事なので、今更驚く事ではありませんが、優希さんに洛陽に残ってて貰って正解でしたね。袁逢様の証書を逆手にとって、早急に選別しておいた袁家の文官や武官を強引に配置換えして貰う様に書いた文を持った、私の鷹を、洛陽の優希さんに向けて飛ばしましょう」


「愛将……アンタ、河内にいた時から鷹匠みたいな事をしてたけれど、まさか始めからこんな運用の仕方を考えていた訳?」


「ええ、そうですよ。人が馬車等を使って手紙を運ぶよりも、此方の方が、ずっと早いですからね。最も一羽の鷹を訓練完了するまでに、少なくとも2年以上かかる事が短所と言えば短所なんですがね」


「その鷹は往復が出来るのかい?」


「いや、残念ながら飽くまでも、鳥としての帰巣本能を利用するだけなので、此処に居る『流星』は洛陽の自分の巣に帰るだけしか出来ませんよ」


「じゃあ、洛陽からは、どうやって返信するのよっ!」


「先程も言いましたけれど、帰巣本能を利用するんですよ、春日さん。我々に従っている細作は『漢』と言う国の主要都市殆どに散らばっています。彼等のねぐらには、必ず通信用の鷹の巣も一緒に整備されていますので、これを利用して書簡の遣り取りを行っているのですよ。勿論、この南陽にも洛陽行きの鷹は用意されていますよ」


「しかし、袁隗様の所で働きだしてから、まだ一年程だろう……細作達の訓練や、情報網の確立、そして細作達の住む場所の確保に鷹の飼育等の費用……到底、短期間で出来ない事ばかりだけれど、一体、君は何年かけてこれほどの組織を用意したんだい?」


「それに関しては……司馬家の機密事項ですので、お教えする事が出来ないのですよ。すいませんねえ、華炎さん」


まあ、本当の事を話したとしても……私は転生者であって、幼児の頃から知恵が有った為に、10歳の頃には、今現在の組織の基盤を作り終えていた……なんて言ったら、それこそ気でも触れたのかと思われる事でしょうがね。


「愛将が言い淀むなんて、珍しいね。まあ、そう言う理由なら無理に聞く事は出来ないね」


「ええ、本当にすいません」


「ああ、別に構わないよ……ところで袁本家から誰を、この南陽に動かすつもりなんだい?」


「そうですねえ、洛陽を出発する前に優希さんと検討した諸事情に鑑みるに、武官では高覧さん、文官……と、言うよりは軍師ですが田豊さん。この二人を南陽に動かす事を考えていますが……」


「それって大丈夫なのかい? 田豊は言う迄も無く、高覧だって袁家の二枚看板より格上という噂のある二人だよ」


恋姫にこそ出ては来ませんでしたが、官渡の戦いで袁家の二枚看板が討たれた後、武将としての株が上がって来るのが高覧さんであり、戦いの最中に、的確な進言を続けていたのが田豊さんでしたね。


「だから動かすのですよ。いなくなっても袁本家に支障が無い様な人間では、私の建てた計画に意味が有りませんからね。それに選ばれた二人にも、働き様によっては南陽が本初さんの支配地になると言う様な空手形でも出しておけば、それ相応に必死になって働いてくれるでしょう」


「でも、愛将は本当にその後、南陽を馬鹿本初に渡すつもりなの?」


春日さんが、かなり不満気な顔で私に抗議をしてきますが……


「春日さん……私は、空手形って言った筈です。田豊に高覧、彼等を騙すつもりは全くありません…………が、明日以降に着手する改革を成功させる事が出来れば、この荊州南陽と隣にある揚州は2年も経たない内に袁家の手から離れて、孫家のものとなるでしょう……そうなれば、今いくら私が、南陽を渡すと約束をしたとしても、御破算になる確率は高いでしょうねえ」


「でも愛将、洛陽での会議中にも、随分と孫家の名前が出て来ていたけれど、そんなに力が有る一族なのかしら? 前頭首の孫堅様は英雄の一人だったって事は知ってはいるけれど……彼女が死んでしまった後は、結局、従えていた豪族達に離反されて仕方なく公路嬢ちゃんの客将になったんでしょう?」


「春日……その事について、ちょっと良いかい?」


「何よ……華炎?」


「僕の調べた所によると、有能な一族かどうかは、未だハッキリとはしないけれど、頭首の孫伯符と、『断金の絆』と呼ばれる程の間柄である軍師の周公瑾は、中々の美貌の持ち主で有ると共に、胸もかなり迫力があるらしいよ」


ちょ、ちょっと華炎さん……? 明らかに悪意を含んだ笑顔で、貴女は春日さんに、何を言いやがりますか……?


「ふうぅ~ん……そういえば愛将……アンタ、馬鹿本初の所の人員を動かす際にさあ、顔良だけには迷惑掛けたくないとかなんとか言って、コッソリと優希に、何か頼み事をしたらしいじゃない……優希が物凄く怒っていたわよ」


「なっ、なんで、その事で優希さんが怒るのですかっ? いや、それより……ほら、やっぱり袁家内部がゴタゴタするとですねえ……結局は、あのお……顔良さん一人にですねえ……」


まっ、まずいですねえ……なんで私完全アウェー状態なのでしょうか? 孫家の二人の話を春日さんに振った際には、小悪魔の様な笑みを湛えていた華炎さんの顔が、春日さんから顔良さんの話を聞いた途端に、鬼の様な形相に変わっているのは何故なのでしょうか?


「愛将……僕達は、今後君と共に歩む事をあの日に誓った筈だっ!……でも確かに、その誓いには、君の事を縛る様な強制力は存在しないし、何より、僕達の間では精神的にも肉体的にも強固な繋がりが何一つ無いよね……だとしても僕は、あの日以降、君が他の勢力の女性に色目を使うのは間違い無く、浮気だと思うんだよ」


「そうよね……確かに、顔良はアタシとは違って、アンタには優しいわよね……何か優希が言っていたけれど、顔良を、私達の部署に移せないかって頼み込んだんだって? 愛将っ!! アンタっ!! アタシ達の目の前で、顔良に何する気なのよっ!!」


「いやいやいやいや……ちょ、ちょっと待って下さい……貴女方っ!! 何処まで話が飛躍していくのですかっ!!」


「「問答無用っ!!」」


有無を言わせ無い程の迫力で、私に迫って来る、華炎さんと、春日さん。私が、言掛かりに近い、二人の誤解を解くのには、更に二刻程の時間が必要でした。

うっわぁ~、思ったよりも変!! 前回まで仲達って呼ばれていた主人公が愛将……って呼ばれているのが凄~ぇっおかしいよ……(涙)


皆さん本当にすいません。出来るだけ早めに改訂を入れたいと思いますので、お叱りを覚悟の上で、どうか宜しくお願い致します。

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