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2話ー⑤:リリアナの証明

 ――“交際開始”から数日が過ぎた昼休み。

 約束の期限が、静かに近づいていた。


 調べ物をするために訪れた図書館で、リリアナは机に向かい、本を捲っていた。


 けれど文字を追っているはずなのに、内容はまるで頭に入ってこない。

 気づけば、思考はルシアンのことばかりを辿っていた。


 あれから毎日、彼はリリアナの部屋を訪れ、放課後は一緒に過ごすようになった。


 特別なことをするわけでもなく、並んでお茶を飲み、他愛もない話をする。

 それだけの時間なのに――


 彼との距離が、少しずつ近づいている気がして、その感覚が嬉しくて、たまらなかった。


 ――だけど。


 ルシアンは、今でも自分たちが”両思い”だとは思っていない。

 それどころか、リリアナの「好き」という気持ちさえ、本気だとは信じていないようだった。



 ルシアンの言葉を思い出す。


 ――手近にいる、見た目が悪くない相手なら誰でもよかったんじゃないですか?


 ――正直なところ、顔が良ければ誰でもいい、という感じでは?



(そう、なのかしら……)


 確かに、最初は完全に見た目――”顔”で好きになった。

 それを否定するつもりはない。


 ルシアンの言う通り、初めてまともに接した男性が、とてつもなく容姿が整っていた。

 そのことで単純に浮かれていたことも事実だ。


 少し、いや、かなり浅い理由だったのかもしれないと、自分でも思う。


 だけど、今は、一緒にいる時間が嬉しくて幸せで、一人になっても思い返して、胸が少しあたたかくなる――


(ちゃんと好きだと思うんだけど……)


 ただ、こういう気持ちになったのは、生まれて初めてで。

 ”違う”と言われて、”そうじゃない”と強く言い返せるほどの自信がなかった。


(このまま、何も進展がないまま、約束の1週間が終わってしまうのかしら……)


 リリアナは、大きく息をついた。



「どうしたの? 難しい顔して」


 声をかけられて顔を上げると、フェリクスが立っていた。

 二年生の生徒で、元々家同士の付き合いもある顔見知りだ。

 

「あ、ちょっと考え事を……」


「あんまり難しいことは考えない方がいいよ。

 せっかくの綺麗な顔が台無しだ」


「そう、ね……」

 リリアナは引き攣った笑顔を浮かべる。


(相変わらず、軽い人ね……)


 フェリクスはいかにも整った顔立ちで、女生徒からの人気も高い。

 「二年生の王子」なんて呼ばれているらしい。

 ――ちなみに一年生の“王子”は、ルシアンだ。


 気づけば、フェリクスはすっと距離を詰め、当然のようにリリアナの髪に触れてきた。


「そろそろ、僕と付き合う気になった?」


 こうして口説かれるのは、これが初めてじゃない。

 リリアナは小さく息をつく。


(色んな女性に声をかけて……

 一体、何番目にするつもりなのかしら……?)


(まぁ、この人にとって口説くことなんて、挨拶みたいなものなんでしょうけど)



――だが、そこでふと、気づいた。


(あれ? これはもしかして……)


 リリアナは、ゆっくりとフェリクスを見つめ返す。


「そんなに見つめられると照るな。

 僕があまりにもカッコ良くて見惚れちゃったかな?」


「そ、そうね。

 フェリクスはとても容姿が整っているものね」


 リリアナは微笑みながら、そっとフェリクスに近づいた。


「あれ? どうしたの? 今日はやけに積極的だね」


「ふふふ。そうかしら?」


 ――落ち着いた様子の裏で、全く動揺していない自分を確認する。


(間違いない。これは絶対に……)


 小さく、意味ありげに微笑んだ。


「ねぇフェリクス、ちょっとお願いがあるの……」



 放課後。

 リリアナは、フェリクスを部屋に招待した。


「珍しいね。リリアナが部屋に呼んでくれるなんて」 

「せっかく同じ学校にいるんだもの。交流した方がいいと思って」 


(ふふふ。この作戦で、今日、絶対に決めてみせる!)


 二人は、椅子に並んで座る。

 動けばすぐに肩が触れそうな距離だ。


 フェリクスは優しく微笑み、リリアナを見つめた。

 リリアナもまた、フェリクスをじっと見つめ返す――


(よかった! やっぱり勘違いなんかじゃなかった。だって……)


 自分でも驚くほど、心は静かだった。

 胸が高鳴ることも、視線を逸らしたくなることもない。


(顔が良ければ誰でもいいだなんて言ってたけど、そんなことないんだから!)


 ルシアンと同じくらい整った容姿のフェリクスを前にしても、自分は何も動揺していない。

 ――だから、自分の”ルシアンへの気持ち”は、確かなものだ。

 そう、リリアナは確信していた。


(勝った! これは私の勝ちよ、ルシアン……!)


 そしてニヤリと笑う。


(堂々としていれば、きっとルシアンも信じてくれるはず……

 私の想いが、本物だってことを――)


 これでいい。

 いや、これこそが“証明”になると、リリアナは疑いもしなかった。



 軽い談笑をしていると、いつもの時間にノックが鳴った。


「ルシアン様がお見えです」

「通してちょうだい」


(とうとう来たわ――決戦の時!)


 リリアナは背筋を伸ばし、扉の方を見る。

 自然と胸が高鳴るのを、もう隠そうともしなかった。


 次の瞬間、扉が開く。


「いらっしゃい、ルシアン」


 余裕たっぷりの笑顔で、彼を迎える。


(見てよ! この堂々とした姿!)


 隣には、容姿のやたら良い男――フェリクス。

 並んで腰掛け、その肩には彼の腕が自然に回されている。

 誰が見ても、親しげな距離だ。


(散々、恋愛経験がないとか、馬鹿にされてきたけど。

 別にどうとも思ってない男となら、この通りよ!

 いつも緊張してると思ったら大間違いなんだから!)


 チラリと肩に回されたフェリクスの腕に目をやる。


(ちょっと鬱陶しいだけで、何てことないわ!)


 勝ちを確信したまま、ワクワクしながらルシアンをじっと見つめて反応を待つ。


 ――リリアナは、この光景がルシアンにどう映っているのか、まるで想像できていなかった。



 ルシアンは目の前の光景を見て、一瞬言葉を失った。

 だが次の瞬間、ふっと表情を引き、深く息をつく。


「先客がいらっしゃるなら、僕は失礼します」


 一礼して、踵を返そうとする。


(あれ? 思った反応と違う……?

 何か間違ったかしら……?)


 慌ててリリアナは、ルシアンの元へ駆け寄った。


「え? あの……ちょっと待って!」


 呼び止められたルシアンは、足を止める。

 振り返ったその声は、いつもより少し硬かった。


「別に、僕は必要ないでしょう? 

 ……すでに、お相手がいるんですから」


 表情も険しく、苛ついた様子だ。


 ルシアンをじっと見つめて、一拍考える。


(……この反応、もしかして。

 ううん、これは絶対、確実に――)


 リリアナの表情がぱっと輝く。


「ルシアン!」

「何でしょうか?」

「それ、完全にやきもちよね!!」

「え?」


「今絶対、やきもち妬いてるわよね?」

「……違います」

「嫉妬でしょ?」

「そういうのではありません」


「というか、ルシアン、言葉遣い戻ってるわよ、敬語に」

「えー? まだ続けるんですか!?」


 呆れ果てたルシアンを引き止め、リリアナは続ける。


「違うの!

 ちゃんと見て欲しいの!」


「え?」


「私、別に顔がいい男性だからって、

 全員にときめいてるわけじゃないのよ!」


「……は?」


 ルシアンは何をどう説明されているのか、全く理解できなない様子だ。


「だから、ルシアンも座って!」


「え? 言ってる意味がよくわからないのですが……」



 抗議する間もなく、ルシアンはリリアナに半ば押し切られる形で、フェリクスの待つ部屋へ連れ戻された。


 状況がまるで飲み込めないまま、二人と向かい合う席に座らされる。


 ――なんだ、これは。


 視線の先では、フェリクスがリリアナの方へ身を乗り出し、甘い眼差しで、じっと顔を覗き込んでいた。


(……これ、僕がいる必要あるのかな……?)


 ルシアンは何とも言えない気持ちのまま、奇妙な三人のお茶会に付き合わされることになった。



 ――だが


「フェリクス様は、とても優秀な方なんですね」


「そうなんだよ。才能がありすぎて、困っちゃうよね。

 何か知りたいことがあれば、君も教えてあげるよ」


「ありがとうございます」


 ――フェリクスは、チャラいだけで、普通に”人のいい男”だった。


 誰に対しても分け隔てなく距離が近いのは、好意というより、そういう性分なようだった。


 実際、ルシアンにも穏やかに微笑みかけ、まるで最初からそこにいた仲間のように接していた。

 

 気づけば会話はそれなりに盛り上がり、お茶会は無難に終了した。


「それじゃあ、僕は帰るね」

 フェリクスがその場を立つ。


「ありがとう、またね」

「ありがとうございました」


(結局、何だったんだ、これは……)


 ルシアンは釈然としない気持ちのまま、フェリクスを見送った。


 リリアナを見ると、どこか満足げに微笑んでいる。

 よく分からないが、目的は果たせたようだ。



 扉が閉まり、足音が遠ざかる。

 室内にはリリアナとルシアンの二人だけが残った。


 ふっと、張りつめていた空気が緩んだ気がした。


 その瞬間。


 リリアナは、先ほどまで向かい合って座っていた席から立ち上がり、ためらいもなく、ルシアンの隣へ腰を下ろした。

 勝利を確信した者のような、迷いのない動きだった。


 どこか誇らしげに微笑んで、リリアナは言った。


「どう? 私の気持ち、信じてくれた?」


「え? どういう意味?」


 困惑してリリアナを見つめ返す。

 さっきのことと、気持ちを信じることが、何がどう繋がるのか、さっぱり分からない。


「だって私、フェリクスの前でもいつも通りだったでしょ?

 私、”あの顔の”フェリクスを前にしても、

 全然動揺もしなかったし、ときめきもしなかったわ」


 声が弾んでいる。


「だから――私のルシアンへの気持ちは、本物ってこと!」


 胸を張って言い切る。

 その表情は、どこか晴れやかで――

 そして、心からほっとしているように見えた。



 ルシアンは一瞬言葉を失う。


(え? さっきのって、そういう意味だったのか……?)


 あの意味不明なお茶会は、リリアナなりの「気持ちの証明」だったらしい。

 ルシアンには回りくどすぎて理解できないが、彼女は本気で“証明できた”つもりでいるようだった。


(あれじゃ誤解を招くだけなのに……)


 フェリクスを連れてこられた時は、信じるどころか、正直、余計に疑ってしまった。


 それでも。


 目の前で嬉しそうに微笑むリリアナを、じっと見つめる。


(でも、色々頑張っては、くれてるんだよな……)


 自分のために、あれこれ考えてくれたのは事実だった。

 最初の頃のように、絶対に違うと簡単に切り捨てることは、もうできなくなっていた。



「ねぇ? どうなの!」 


 黙り込んだままのルシアンに痺れを切らし、リリアナは答えを急かすように声をかけた。

 

 ルシアンは、ゆっくりと息を吐いた。


「そうだね……

 全部が勘違いってわけでも……ないのかもしれない」


「えー!? まだその程度なの?」


 リリアナは一瞬、驚いた顔をしたあと、ふてくされたように頬を膨らませる。


「だって、意味が分からなさすぎるよ……」


「うそ!? こんな分かりやすいのに!」


 リリアナは両手を軽く握り、不満そうに声を上げた。

 その表情は、怒っているというより――

 まるでゲームに負けた子どもが、拗ねて悔しがっているような軽さがあった。


(あんなことをして、この反応で……

 本気だと思えっていうのは、さすがに無茶だよ)


 ルシアンは少し視線を落とし、考えを整理するように小さく息をついた。

 リリアナの言葉と、自分の受け止め方の差が、まだ埋まらない。

 迷いと疑念が絡み合い、胸の奥に落ち着かない感覚が残った。



「じゃあ、ルシアンの方はどう?

 認める気になった?」


「認めるって?」


「”私のことが好き”ってことよ!

 さっきフェリクスに嫉妬してたでしょ?」


「してないよ」


「嘘!絶対してたわ!

 もう! 素直じゃないんだから」


 からかうようなその物言いに、胸の奥が少しひっかかる。


 理解できない行動に振り回されながらも、それでも彼女なりに真剣なのだと、受け止めようとしていた。


 ――だけど。

 自分の気持ちまで軽く決めつけられたような気がして、いつものように流すことができない。


 小さく息を吐き、抑えていた感情が零れ落ちる。


「……正直、心外なんだよ」


「え?」


「“好き”だの“嫉妬”だの、そんな言葉で片付けられるのが」


 リリアナのキョトンとした反応に、


 ――やっぱり、伝わらない。

 そう悟った瞬間、ルシアンの声は苛立ちを帯びた。



「リリアナの言ってる“好き”って、物語みたいな恋だろ?」


 ルシアンは、ぎゅっと拳を握る。


「現実的じゃなくて……

 都合が良くて、きれいなとこだけ集めたやつ」


 ルシアンは低く続ける。


「僕が、どんな思いでここまで来たか、何も知らないだろ?」


 生まれてからずっと、リリアナの役に立つことだけを考えてきた。


「僕は――」


 一瞬、言葉を探すように間が空く。


「あなたのためなら、命だって投げ出す覚悟なんだ。

 それを……

 あんなものと同じだと言われたら……」


 思わず怒りで声が震える。


 胸が高鳴って、ロマンチックで――

 そんな“作り物の感情”と、自分が背負ってきた想いを、同じだと思われたくなかった。


 だが、言い終わった後、あまりに感情的になってしまった自分に驚いた。


 そして、ふと我に返り、ルシアンは目の前のリリアナに目を向ける。


 そこには――



「ルシアン♡」


 暴走スイッチ全開のリリアナがいた。


「それって、私のこと、”大好き”ってことよね!」


「え、何でそうなるんだよ!?

 だから今は、そういう“恋愛”の話をしてるわけじゃないんだよ!?

 ちゃんと聞いてた?」


「”好き”じゃないってそういう意味だったのね……」


 リリアナは、うんうん、と頷きながら、納得したように続ける。


「え?」


「”好き”じゃなくて、”大好き”ってことなのね!!」


「まだ“恋愛感情”の話してる……!

 違うって。

 “好き”とか“大好き”とか、そういう甘い話じゃない。

 僕は、従者としての覚悟を言ってるんだ」


「でも、私には“大好き”って言ってるようにしか聞こえないわ」


「えー……そうなるの……?

 そういうもの……?」


(なんか、だんだん自分でも分からなくなってきたな……

 洗脳されそうだ……)


 ルシアンは頭を抱える。


 リリアナは答えをせがむように身を乗り出す。

「そうって言って!」



 リリアナの期待に満ちた笑顔を見て、ルシアンは口を開きかけて、閉じた。

 どう説明しても、通じる気がしなかった。


 ぐったりと頭を垂れ、答える。


「……じゃあ、もうそれでいいよ」


「やったわ!」


 リリアナは嬉しそうに両手を前で合わせ、ルシアンに目を向ける。


「じゃあ、私たちは”両思い”ってことでいいのよね?」



 ルシアンは一瞬黙り込み、視線をそらした。

 納得いかない様子で、ゆっくりと口を開く。


「でも、まだ信用できないんだよね。リリアナの気持ちが」


「まだ? 嘘でしょ?」


「だって、やっぱりよく分からなさすぎるよ……」


「そうかしら?」


 その軽い返事に、胸の奥の違和感が消えない。

 言いかけた言葉を飲み込み、ルシアンは小さく息を吐いた。


「……1つ、試してみたいことがあるんだ。

 いいかな?」


「……ええ」


 不思議そうに見つめるリリアナを前に、ルシアンは一歩踏み出しかけて、わずかに動きを止めた。


(……正直、あまり褒められたやり方じゃない。

 自分でも、どうかしてると思う……)


(でも……このまま分からないまま、悩み続けるのは、もう嫌なんだ……)


 胸の奥でくすぶっていた疑問に、区切りをつけたかった。


 迷いを振り払うように――


「ごめんね」


 そうポツリと言って、リリアナの肩に手を回し、体ごと引き寄せた。

 温もりを感じる距離に、息が詰まった。

 だが、そのまま顔を近づける。


 柔らかな吐息が、頬に触れる。


 ――あと少しで、唇が触れる距離だ。


 その意味に気づいた瞬間、リリアナの瞳が揺れた。

 目が大きく見開かれ、呼吸が、一瞬止まる。


 そして――


「きゃっ……!」


 短い悲鳴と共に、反射的に胸を押され、体がわずかに後ろへ揺れた。


 リリアナの方に目をやると、顔を真っ赤に染め、呆然としている。

 拒絶した自覚すらないまま――完全に混乱しているのが、見て取れた。



 その反応を見て、ルシアンは穏やかに、でも少し寂しそうに微笑む。


「……ほら、やっぱり拒否感があるよね?」


「な、な、な、な……なんで?????」


「……ごめんね。でも、安心して。

 本当にするつもりなんてなかったから」

 

 そう言って、ルシアンはほんの一瞬、視線を逸らした。


「でも、自分で“したい”って言ってたのに、それでも拒むんだから。

 リリアナの気持ちは、やっぱり――“違う”んじゃないかな?」


 自嘲気味に笑い、胸の奥に残った熱を、そっと仕舞い込む。


 それから、リリアナをまっすぐに見つめた。  


「そっ、そうじゃないわ! 

 だって、あまりにも急なんだもの!

 びっくりしただけよ!


 必死で言い訳するリリアナだったが、ふと気づく。


「って、ちょっと待って! あの話、聞いてたの??

 聞こえてないフリしてのね!」


「でも、結局嫌だったんだから、聞こえないフリしたのは正解だったと思うけどな」


 不満そうに声を上げるリリアナをよそに、ルシアンは肩をすくめるだけだった。

 

 そして、いつもの穏やかな表情に戻る。



「今日で約束の1週間だね」


 そう言って、立ち上がり、そのまま扉へ向かった。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


「では、明日からは今まで通りでお願いしますね。


 ――”リリアナ様”」



「そんなぁ……」


 扉が静かに閉まり、部屋に、しんとした空気が残った。


「逆なのにー!

……好きだから緊張しちゃうのよぉ……」


 ぽつりとこぼれた声は、もう誰にも届かない。


 こうして二人は、また“主人”と“従者”の関係へと、戻ってしまったのだった。

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