表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「付き合っても良いけど多分私浮気しちゃうよ」と言ったビッチで有名な彼女が一途すぎる  作者: 田中 又雄


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

ビッチで有名なあの子

【OP公開中】

https://youtube.com/shorts/R7CPq1v3-ik?si=XAD4bx4K5ObHIO2B


 五月も半ばを過ぎ、春の柔らかな日差しが教室の窓から差し込んでくる頃。


 うちの学校――新設されてまだ五年目の、都心から少し離れた私立高校は、偏差値もそこそこ高くて、進学校としてそこそこ評判だった。


 校舎はピカピカで、グラウンドも広々としてるんだけど、俺みたいなガリ勉オタクタイプには特に意味はなかった。


 そんな話は置いておいて、うちのクラスには学校一可愛いと噂される女の子がいる。


 名前は黒波唯。

ピンク色のロングヘアがサラサラと揺れて、制服のスカートは少し短めで、胸はグラビアアイドル並みに大きい。

見た目は完璧なギャルで、化粧もバッチリ決まってる。


 喋り方も「よろぴー」みたいな感じで、かなりギャルっぽい。

勉強はやる気ゼロで、授業中はスマホいじってるか、寝てるか。

遅刻は日常茶飯事で、先生に怒られても「ごめんちゃーい」って笑ってかわす。


 なんでうちの高校に入れたのか、入ったのかも謎なそんな美少女。


 そんな彼女の噂は、学校中でビッチで有名だった。

一ヶ月も持たずに彼氏が変わり、別れる原因は、いつも彼女の浮気とのこと。


 浮気相手の男と彼氏が揉めて、結局別れるパターン。

でも、彼女の可愛さが半端ないせいか、誰も彼女を本気で責められることはなく、いつも男同士が争っていた。


 そんな浮気のエピソードが無数に飛び交うのに、告白する男は後を絶たない。

それくらい彼女は可愛かった。


 それに対して、俺は正反対の存在だ。

名前は白川 康太。

友達ゼロのインキャボッチ。


 毎日勉強して、学年一位をキープしてる真面目系。

家に帰っても勉強するのはもちろん、休み時間は本読むかノート見直すかするほどの勉強好き。


 もちろん、部活などには入っておらず、家に帰ったら予習復習の繰り返し。


 周りからは「ガリ勉くん」って呼ばれるようなそんな存在だった。


 そんな俺が、彼女に恋をした。

きっかけは、容姿だけじゃなかった。

もちろん、彼女のピンク髪と笑顔に一目惚れした部分はある。


 でも、本当に心を奪われたのは、偶然見たボランティア活動のシーンだった。



 ◇


 とある休日の晴れた午後。

図書館に向かうため、俺は学校近くに来ていた。


 すると、道すがらに小さな公園があり、そこでは子供たちの笑い声が響き、母親たちがおしゃべりしていた。


 ふと、視界の隅にピンク色の髪が揺れるのが目に入った。


 学校ではよく男友達に囲まれてるのに、今は一人で……いや、違う。


 彼女の足元に、小さな男の子がしゃがみ込んで泣いていた。

もしかして、迷子かな?

周りを見回すも親らしき人はいない。


 すると、しゃがみ込んで、男の子の目線に合わせる。


 でも、彼女の表情は柔らかくて、授業中の眠そうな顔とは全然違う。


「どうしたのー? お名前は? ママはどこかな?」と、目線を合わせて話していた。


 話し方もいつものギャルっぽい軽いトーンじゃなく、優しくて穏やかな感じだった。


 男の子は鼻をすすりながら、「わかんない……」って小さな声で答える。


 すると迷わず、男の子を抱き上げた。

巨乳の胸に男の子の頭がそっと寄りかかり、自然に背中をトントン叩いてあやす。


「大丈夫だよー、一緒に探そ? お姉さんがついてるから、怖くないよ」と言った。


 少しすると、男の子は少し落ち着いたみたいで、笑顔が戻る。


 それから公園内をゆっくり歩き始め、周りの人に声をかけていく。


「すみませーん、この子のお母さん知りませんか? 迷子みたいなんですけどー」


 俺はストーカーちっくに自然と彼女の後ろをついて行っていた。


 結局、近くの交番まで一緒に行くと、そこには男の子の母親がいたらしく、無事に引き渡した。


 母親が頭を下げてお礼を言うと、唯は「全然大丈夫です!」って笑って手を振った。


 俺はそこで、完全に心を奪われた。

いつもの彼女とはあまりにもかけ離れたその内面の優しさに。



 ◇


 あの一件以来、彼女のことが頭から離れなくなった。

ビッチの噂は知ってるけど、きっと本当の彼女は違うんじゃないかって、勝手に思ってしまった。


 しかし、一年生の時から同じクラスだったけど、当然話す機会なんてゼロ。


 いつも男友達に囲まれてて、俺は隅っこで一人。

話しかける機会などなく、1年は終了した。


 だが、クラス替えで二年になっても、また同じクラスになった。

しかも、隣の席になった。


「おっ、ガリ勉くんとまた同じクラスなんだー。そういや、全然話したことなかったよね? よろぴー!」


 すると、隣の席の俺にそう言って、ニコッと笑った。


 ピンクの髪が揺れて、甘い香りがふわっと漂う。


 俺は慌てて「よ、よろしく……お願いしまふ…」と、噛みながら挨拶すると、爆笑された。


「しまふwww」


 それから、彼女はことあるごとに俺をいじるようになった。


「ガリ勉くん、いつも一位じゃん、すごいよね!てことで、宿題見せて?w」

「なんの本読んでるの?エロ本?w」

「休み時間まで勉強とか真面目だねー」

「ね!ガリ勉もオナニーとかするの?w」みたいな感じで、からかわれた。


 俺はいつも赤面しながらも、内心嬉しかった。

元々好きだったし、こんなに話しかけられるなんて夢みたいだった。


 そんな、5月の昼休み。

教室は賑やかで、窓から入る風がカーテンを優しく揺らす。


 彼女は隣の席でスマホをポチポチいじってた。

珍しく、周りに誰もいないタイミング。

俺は深呼吸して、意を決した。


「あの……黒波さん」

「ん? なにー?」


 スマホから顔を上げて、俺を見る。

大きな瞳がキラキラしてる。

俺は声が震えそうになるのを堪えて、絞り出す。


「……好きです……付き合ってください」


 ガヤガヤした教室の中で、小さな声でそう言った。


 彼女はぽかんとしてから、ゆっくりニヤッと変わる。


「うーん、いいよ? 今ちょうどかれぴと別れたところだし。けど、きっと浮気しちゃうけどいい?」


 予想外の返事だった。


 学校1の美少女でビッチだったが、普通に告白を断った話もたくさん聞いていた。

だからこそ、その意外さに驚いた。


「それでも……いいです。付き合ってください」


 すると、彼女はくすくす笑って、スマホをポケットにしまう。


「いいよー。んじゃ、連絡先交換しよー」


 こうして、俺たちは付き合い始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ