ビッチで有名なあの子
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五月も半ばを過ぎ、春の柔らかな日差しが教室の窓から差し込んでくる頃。
うちの学校――新設されてまだ五年目の、都心から少し離れた私立高校は、偏差値もそこそこ高くて、進学校としてそこそこ評判だった。
校舎はピカピカで、グラウンドも広々としてるんだけど、俺みたいなガリ勉オタクタイプには特に意味はなかった。
そんな話は置いておいて、うちのクラスには学校一可愛いと噂される女の子がいる。
名前は黒波唯。
ピンク色のロングヘアがサラサラと揺れて、制服のスカートは少し短めで、胸はグラビアアイドル並みに大きい。
見た目は完璧なギャルで、化粧もバッチリ決まってる。
喋り方も「よろぴー」みたいな感じで、かなりギャルっぽい。
勉強はやる気ゼロで、授業中はスマホいじってるか、寝てるか。
遅刻は日常茶飯事で、先生に怒られても「ごめんちゃーい」って笑ってかわす。
なんでうちの高校に入れたのか、入ったのかも謎なそんな美少女。
そんな彼女の噂は、学校中でビッチで有名だった。
一ヶ月も持たずに彼氏が変わり、別れる原因は、いつも彼女の浮気とのこと。
浮気相手の男と彼氏が揉めて、結局別れるパターン。
でも、彼女の可愛さが半端ないせいか、誰も彼女を本気で責められることはなく、いつも男同士が争っていた。
そんな浮気のエピソードが無数に飛び交うのに、告白する男は後を絶たない。
それくらい彼女は可愛かった。
それに対して、俺は正反対の存在だ。
名前は白川 康太。
友達ゼロのインキャボッチ。
毎日勉強して、学年一位をキープしてる真面目系。
家に帰っても勉強するのはもちろん、休み時間は本読むかノート見直すかするほどの勉強好き。
もちろん、部活などには入っておらず、家に帰ったら予習復習の繰り返し。
周りからは「ガリ勉くん」って呼ばれるようなそんな存在だった。
そんな俺が、彼女に恋をした。
きっかけは、容姿だけじゃなかった。
もちろん、彼女のピンク髪と笑顔に一目惚れした部分はある。
でも、本当に心を奪われたのは、偶然見たボランティア活動のシーンだった。
◇
とある休日の晴れた午後。
図書館に向かうため、俺は学校近くに来ていた。
すると、道すがらに小さな公園があり、そこでは子供たちの笑い声が響き、母親たちがおしゃべりしていた。
ふと、視界の隅にピンク色の髪が揺れるのが目に入った。
学校ではよく男友達に囲まれてるのに、今は一人で……いや、違う。
彼女の足元に、小さな男の子がしゃがみ込んで泣いていた。
もしかして、迷子かな?
周りを見回すも親らしき人はいない。
すると、しゃがみ込んで、男の子の目線に合わせる。
でも、彼女の表情は柔らかくて、授業中の眠そうな顔とは全然違う。
「どうしたのー? お名前は? ママはどこかな?」と、目線を合わせて話していた。
話し方もいつものギャルっぽい軽いトーンじゃなく、優しくて穏やかな感じだった。
男の子は鼻をすすりながら、「わかんない……」って小さな声で答える。
すると迷わず、男の子を抱き上げた。
巨乳の胸に男の子の頭がそっと寄りかかり、自然に背中をトントン叩いてあやす。
「大丈夫だよー、一緒に探そ? お姉さんがついてるから、怖くないよ」と言った。
少しすると、男の子は少し落ち着いたみたいで、笑顔が戻る。
それから公園内をゆっくり歩き始め、周りの人に声をかけていく。
「すみませーん、この子のお母さん知りませんか? 迷子みたいなんですけどー」
俺はストーカーちっくに自然と彼女の後ろをついて行っていた。
結局、近くの交番まで一緒に行くと、そこには男の子の母親がいたらしく、無事に引き渡した。
母親が頭を下げてお礼を言うと、唯は「全然大丈夫です!」って笑って手を振った。
俺はそこで、完全に心を奪われた。
いつもの彼女とはあまりにもかけ離れたその内面の優しさに。
◇
あの一件以来、彼女のことが頭から離れなくなった。
ビッチの噂は知ってるけど、きっと本当の彼女は違うんじゃないかって、勝手に思ってしまった。
しかし、一年生の時から同じクラスだったけど、当然話す機会なんてゼロ。
いつも男友達に囲まれてて、俺は隅っこで一人。
話しかける機会などなく、1年は終了した。
だが、クラス替えで二年になっても、また同じクラスになった。
しかも、隣の席になった。
「おっ、ガリ勉くんとまた同じクラスなんだー。そういや、全然話したことなかったよね? よろぴー!」
すると、隣の席の俺にそう言って、ニコッと笑った。
ピンクの髪が揺れて、甘い香りがふわっと漂う。
俺は慌てて「よ、よろしく……お願いしまふ…」と、噛みながら挨拶すると、爆笑された。
「しまふwww」
それから、彼女はことあるごとに俺をいじるようになった。
「ガリ勉くん、いつも一位じゃん、すごいよね!てことで、宿題見せて?w」
「なんの本読んでるの?エロ本?w」
「休み時間まで勉強とか真面目だねー」
「ね!ガリ勉もオナニーとかするの?w」みたいな感じで、からかわれた。
俺はいつも赤面しながらも、内心嬉しかった。
元々好きだったし、こんなに話しかけられるなんて夢みたいだった。
そんな、5月の昼休み。
教室は賑やかで、窓から入る風がカーテンを優しく揺らす。
彼女は隣の席でスマホをポチポチいじってた。
珍しく、周りに誰もいないタイミング。
俺は深呼吸して、意を決した。
「あの……黒波さん」
「ん? なにー?」
スマホから顔を上げて、俺を見る。
大きな瞳がキラキラしてる。
俺は声が震えそうになるのを堪えて、絞り出す。
「……好きです……付き合ってください」
ガヤガヤした教室の中で、小さな声でそう言った。
彼女はぽかんとしてから、ゆっくりニヤッと変わる。
「うーん、いいよ? 今ちょうどかれぴと別れたところだし。けど、きっと浮気しちゃうけどいい?」
予想外の返事だった。
学校1の美少女でビッチだったが、普通に告白を断った話もたくさん聞いていた。
だからこそ、その意外さに驚いた。
「それでも……いいです。付き合ってください」
すると、彼女はくすくす笑って、スマホをポケットにしまう。
「いいよー。んじゃ、連絡先交換しよー」
こうして、俺たちは付き合い始めた。




