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元Sランク冒険者は、新人!?冒険者として、お一人様を満喫したいそうです  作者: 枝豆子


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83 ケンカと開会宣言と私

 アリオスたちと別れた後、私は合同演習に参加するため、訓練所の受付カウンターに向かう。


「あなたがアルさんですね ま、期待はしてませんが、頑張ってください」

「あ、どうも」


 これは、もしかして、いきなりケンカを売られてしまったというところだろうか? 睨みあげるような視線を向けられる。そして、受付を済ませた途端、大きなため息を吐かれた。


「ハアッ こんなもっさりとした冒険者が、アリオスさまの弟子なんて、信じられませんわ」


 ハイ、ケンカ安売りされてました。


「悪いね 弟子なのは事実だからさ」

「アルさん これは、助言です この合同演習が終わり次第、アリオスさまの弟子をお辞めになってはいかかですか?」

「こら ルーダ 何言ってるの アルさん申し訳ありません」


 隣に座っていたギルド職員が、ルーダの発言を聞いて、ギョッとした表情で彼女を諌める。


「先輩 どうしてですか 私たちギルド職員は、SSSランクのアリオスさまの評判を守ることも仕事でしょう?」

「個人のプライベートに踏み入る必要はないの ルーダの言葉は、助言でも何でもない ただの我が儘だ」


 あ、こっちの職員さんは、まともだ。ジェシカの言っていた嫉妬、嫉みってルーダもその一つってことだろう。今までは、ジェシカが専任で担当してくれてたから、まったく気づかなかった。


「ははは 好きに言っとけば じゃあね」


 遠くでルーダが喚いている。周りの冒険者もチラチラこちらを見ているが、どうも好意的な視線じゃないね。


「はいはーい お久しぶり アルさん あなたが、アリオスさまの弟子 だったんですね」

「おい、どうやって【白雪】入ったんだ? 俺たちにも教えてくれよ」


 二人組の男女の冒険者が、声をかけてきた。他の冒険者と違って、敵意は感じられない。


「えっと、どちら様?」

「え? マジか」

「私たちを忘れたんですかぁ?」


 全然覚えがないんですけど? どこかでお会いしましたっけ?上を向いて、下を向いて、腕を組んで、右足をトントンして………。


「コイツ、マジで覚えてないぞ」

「わ、私たち 一緒の講習会 受けたじゃないの  ギルマスも一人一人名前呼んでたし!」

「あ! ああー ん? えっと、ゴメン」


 ゴメン 思い出せない。大きく口を開けて、驚愕の表情をする男女ペアの冒険者。年齢は、私に近い? 講習会では、教科書の【冒険者のススメ】と睨めっこしてたので、参加者は、みなへのへのもへじでした。


「たく、しょうがねえな 俺は、剣士のレンだ 今度こそ忘れるなよ」

「ハーイ 私は、モナリィ 弓使いでヒーラーでーす」


 モナリィに両手を掴まれて、上下にぶんぶんと振られる。新種の握手だろうか?ツインテールの元気な女の子と少し勝ち気なツリ目の少年。二人は、幼馴染で、チームを組んでいるらしい。


「何あれ 学校から何かと勘違いしてるんじゃない」

「ガキは、帰れ ここは、強い冒険者が来るところだ」

「俺たちに追い抜かれそうだからって ヤジ飛ばすくらいしかできないんだろ?」

「なんだと しばくぞ ゴルァ」


 突然始まったレンと他の冒険者たちの間で始まった言い争い。モナリィを見ると、「また始まった」とふぅっとため息を吐いた。


「アルさん 私たちね たった1か月そこらで、Cランクにランクアップしたから、ちょくちょくこうやって絡まれちゃうんだ ゴメンね巻き込んじゃって」


 そっか、私だけじゃないんだ。こうやって、嫌味言われたりするの。ひょっとすると、さっきの受付の様子を見て、気にかけてくれたのかな?


「ううん 大丈夫 私も平気」


 取り敢えず、顔を突き合わせ、今にもケンカを始めそうなレンの側に近寄って行く。そして、レンの後ろ首を掴むとズルズルと冒険者から引き剥がして行く。


「な、何すんだよ アル お前、バカにされて悔しくないのかよ!」


 手足をバタバタと振り回しながら私に猛抗議をするレン。


「バカだね レンは 弱い奴ほど吠えるんだよ ね、お兄さんたち」

「んな!」


 私の発言んにポカンとした表情になったレン。逆にみるみる顔を赤くしていく相手の冒険者たち。レンは、その冒険者たちを見て、ポンと手を合わせて納得する。


「なるほど 確かに弱い奴ほど煩いわ!」

「ぶっ アハハ アルさーん そんなこと言っちゃう?」


 モナリィが、声を出して笑う。




 集合時間、10時を示す鐘がカランコロンと鳴り響く。


「諸君! よく集まってくれた」


 訓練所にエルビスの声が響きわたる。声のする方へ、全員の視線が集まる。


 ギルドマスターのエルビスを中心に、右隣に副ギルドマスターのジェシカが立つ。エルビスがゆっくりと左右に首を動かし、訓練所全体を見渡した。


 エルビスは、正面を向くと大きく息を吸い込んだ。


「本年度、Cランクへランクアップしたのは、ここに集まってくれた24名の冒険者たちだ 本日、Cランク限定の合同演習に参加してくれてありがとう」


 エルビスの大きな声は、威厳と貫禄に満ちている。


「冒険者とは、常に危険が伴う職業だ Cランクまでは、冒険者として登録すれば誰でもなれる だが、これから先は、実力者のみが冒険者ランクを上げたことができる 我々、ギルドは、冒険者たちの命を決して安いとは思っていない」


 うん、エルビスは、いつだって冒険者たちのことを考えてくれている。【白銀の翼】では、冒険者の命は、消耗品のように扱われていた。


「だからこそ、諸君の実力を我々に見せて欲しい 更なる高みを目指す冒険者たちよ ここにCランク限定 合同演習 新人王決定戦の開会を宣言する」


 応!っとCランクの冒険者たちが、拳を突き上げて、雄叫びをあげる。

誤字報告ありがとうございます

修正いたしました

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