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元Sランク冒険者は、新人!?冒険者として、お一人様を満喫したいそうです  作者: 枝豆子


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47 笑顔と涙と大本命

 品評会の参加者の紹介が、無事終わると、アシスタントらしき女性が矢筒を持って登場した。司会者が、矢筒を受け取り、会場全体に見えるように頭上に掲げる。


「さあ、品評会の順番を公平にくじ引きで決めていくぞ この矢筒には、五本の矢が入っている 矢尻には番号が書かれているからな 全員で一度に引いて、書かれた番号順に披露していくぞ!」


 矢筒には既に五本の矢が収まっている。司会者が矢筒を振りながら、ガチャガチャと混ざるため、どれが、どの番号かは解らない。全員が司会者の周りに集まり、矢の羽根の部分を一本ずつ掴んだ。


「せいの!」


司会者の掛け声と共に、参加者が矢筒から矢を引き抜いた。


「順番が決まったぞ! トップバッターは、グスタフ爺さん、次にトニーさん、三番手が前回優勝者レイラさん、そしてバート、大トリは、特別参加の招待者 ヘルミナ嬢だ!!」


 うおおお!と大歓声が会場中に響き渡る。


「アイツ センスも無けりゃ、運も無えな」

「わからないよ バートだけじゃないもん 今回は、イッチもサポートしているわけだし」

「レイラの後とか、やり辛えぞ」

「一番ラッキーなのは、ヘルミナ嬢ね」


 カナリアが、ポソリと発言した言葉に、私たちの周りに座っていた観客までも、うんうんと首を縦に振って同意する。頑張れバート、センスが微妙だったとしても、私は応援してるからね。


 グスタフ以外の参加者が舞台袖に下がる。一つ大きく息を吐いたグスタフが、持ってきたマジックアイテムの操作を始めた。観客たちが静かに見守る中、マジックアイテムだけが、じじじと音を出している。舞台上に不思議な光が集まり出し、ひとりの男性が現れた。同時に観客席からひとりの女性が立ち上がる。


「テッド!」


 男性の名前は、テッドというのかな?男性が、女性に向かって優しく微笑みかけた。


「やあ、ミイナ 元気そうだね」

「テッド 今、どこにいるの?」


 二人は、恋人同士なのか、会話から甘い雰囲気が漏れている。どうやら男性は、今マローから離れたガロン山の頂上にいるらしい。星空がとても綺麗だと報告していた。会場中が暖かく二人を見守る中、テッドが柔らかかった表情をキリッと引き締めた。


「今日、この瞬間を与えてくれたグスタフさんに感謝します ……ミイナ 愛してる 僕と結婚してほしい」

「……ハイ バート、私も愛してる」

「うおおおおおお」


 何と、公開プロポーズだ。二人の門出を祝うように会場中からお祝いの言葉が飛び交う。微笑みながら目尻に涙を浮かべるミイナは、とっても綺麗だ。カナリアも両手を握ってキラキラした瞳で二人を見つめている。うん、笑顔がいっぱいだね。私の隣で「ケッ」っと悪態を吐いているアリオスは、放っておこう。


「グスタフ爺さんのマジックアイテムは、遠く離れた場所でも姿を確認できる通信アイテムだ!これは凄い発明だぞ 量産されるのが楽しみだ!」


 司会者が絶賛し、会場から拍手喝采が巻き起こる。バート、ライバルたちは、手強そうだよ。


 続いて二番手のトニーが、グスタフと入れ替わり、舞台の中央に立った。深々と頭を下げて、会場の声援が静かになった頃合いで、ゆっくりと頭を上げた。舞台の上には、大きな箱のような装置が置いてある。皆が皆、何が始まるのだろうと静かに見守る中、トニーが大きな声で叫んだ。


「ミュージックスタート!」


 大きな箱は、音楽を奏でる装置なのだろうか?ボタンを押すと会場中にコミカルな音楽が流れ出した。それと同時に、舞台袖から五体の木偶人形が、手を繋いでラインダンスをしながら舞台中央に登場した。コミカルな音楽は、木偶人形の動きにとても合っている。たまにその内の一体の人形が転けたり、リズムとズレたりして、他の四体の人形から突っ込みされたりしながら可愛らしくて、コミカルなダンスを披露していく。会場全体が、笑いの渦をを巻き起こし、くすくすとした笑い声が、いつしか大爆笑へと変わっていった。


「へえ、あの装置で音楽と人形を操作してるんだ」

「あはははは、まるで生きているみたい」


 アリオスも膝を叩きながら、大爆笑している。ヒーヒー言いながら、腹が痛いと文句を言って、大喜びだ。


「もともと娯楽が少ないからな、今回もセンスのかけらもないバートがオチで決まりだな」


 相変わらず、アリオスは、バートに辛辣だね。バートは、やれば出来る子、だと思うよ。たぶん。


 木偶人形のダンスは、最後まで大爆笑で終わった。一人目、二人目とドンドンハードルが上がっている。次は、優勝候補のレイラの番だ。さらにレイラが盛り上げて来ると、バートの活躍は厳しくなる。相手の失敗を望むわけじゃないけど、今年こそはと意気込むバートに、陽の目を見せてあげたい。


 舞台袖で、他の参加者の発表を、厳しい表情で見つめているバートの横顔が、とても印象に残った。


「次は、本日の大本命、レイラさんの登場だ」


 司会者の呼び掛けに、手を振りながら舞台の中央へと歩いて行くレイラは、とても貫禄がある。


「レイラさーん」


 ファンたちからの声援を笑顔で受け止めて、颯爽と登場したのだった。

 

次回予告 大海原と大空と錬金術師


モチベーションにつながりますので、

楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、

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