21 悪戯と買い物と私
私のお引越しは、無事に終わったけど、アリオスのお部屋は、アーくんがやらかしたせいで、藁のみが大量に置かれた残念極まりないお部屋になっている。
「師匠!一緒に家具を見に行きましょう 私、アイテムボックス容量大きいから荷物持ちに最適です!」
アーくんのフォローは、私の務め!「アーくんのデモンズジョークですよ」と宥めまくった。アリオスも私が悪いわけじゃないことを理解しているので、そこは大人な態度で、私の提案に乗ってくれた。そして、街へと繰り出し、今に至っているわけなんだけど、アーくんは、フクロウの姿になり、ちゃっかり肩に止まってついてきたので、アリオスは面白くなかったんだと思う。だからだろう、アリオスのアーくんに対する態度は、最悪だ。
『ホッホー』
アリオスを揶揄っているんだろう、私の肩で可愛らしく甘える仕草で囀る。その度に、アリオスがイラッとして、舌打ちをしていた。
「アーくん 師匠は、私にとって、とても大事な方なんです いくら、私の従魔だとしても、私同様に大事に扱って頂けないのなら、もう二度と肩にも乗せてあげないし、一緒にお出かけもしません!一生お留守番をしてもらいます!」
『ホッ!?ホッホー!!!』
決して悪魔を調子に乗らせてはならない!ビシっと言い切った私の言葉にアリオスは、大きく瞳を開ける。口元がふよふよ緩みだし、徐々に口角が上向きになっていった。私に怒られて、何とも言えないほどに悲しみを表したアーくんは、ごめんなさいとアリオスに向かって、何度も何度も頭を下げる。
「よくできました」
しょんぼりと、肩を落として落ち込むアーくんの頭を、そっと指先でくすぐるように撫でてあげた。
女の買い物は長い、なんてよく冒険者たちが言っているのを聞いたことがあるけど、男だって買い物長いじゃん!アリオスの寝具選びに付き合って家具屋巡りをただいま慣行中。お付き合いをすると言った手前、全ての家具屋に付き合っているけど、もう、どれが良いのかわからないくらいだ。
「アリオス様 ハクランの羽毛が100%の掛け布団にドワーフの職人が手がけたスプリング技術を取り入れたマットレスで御座います」
「お?身体が沈み込むように柔らかいな」
「お目が高い!身体の形に合わせてスプリングが形を変えますので、お仕事でお疲れになったお身体をしっかりと癒やしてくれます」
アリオスは、どうやら家具についてはかなりこだわりをみせるタイプらしい。私なんて、使えればどれも一緒だし、依頼などで家を空けることも多いから、丈夫で長持ちさえすれば良いと思っている。女性よりも男性の方が家具への拘りが強いのかな?そういえば、一応アーくんも男性として考えてみれば、私のために揃えられた家具は、どれもこれもこだわって揃えていたような……。
「よし、店主 これを買わせてくれ」
「お買い上げいただきありがとうございます」
ようやくお気に召した寝具が決まったようで、何よりだ。アリオスが、支払いをしている間に、私は、せっせと藍色の落ち着いたハクランの羽毛が100%の掛け布団にアイボリーのマットレスをアイテムボックスに収納していく。
全ての買い物を終わらせてほくほく顔のアリオスと長い買い物に付き合わされて少々お疲れモードの私。「お礼に甘い物でも買ってやる」と言われ、最近お気に入りの甘い餡子がたっぷり入ったお饅頭が売っているお店へ行くことになった。
「ほんと、嬢ちゃんは、甘いもんが……!」
「師匠!今!!!」
毛むくじゃらの姿勢が高くなる。耳がピンとと立っているのは、微かに聞こえた悲鳴を拾ったからだ。アーくんも私の意図を汲んで、大空高く羽ばたいた。
「ガル!行け!」
「わふっ!」
地を蹴ると同時に、風のようなスピードで走り出した毛むくじゃら。その後を追って、私たちも走り出した。空高く舞うアーくんは、ぐるりと旋回した後、一気に急降下していく。その方向は、私たちが向かっている方角と同じだった。
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