表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元Sランク冒険者は、新人!?冒険者として、お一人様を満喫したいそうです  作者: 枝豆子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/109

100 大円団と破廉恥と私

 バサリ、バサリと翼を羽ばたかせる音が聞こえる。


『ホッホー』

「アーくん!」


 視覚共有していたからだろう、戦闘が終わったことを察知して、直ぐに私の元までやってきてくれた。


「うん! 間に合った」

『ホッホー』

「そうだね アーくん 師匠たちに伝えてくれる?」

『ホッホー』


 アーくんは、コクンと頷くと大きく翼を広げ、洞窟の外で待っているだろうアリオスの元へと飛び立った。


「ふうっ」


 私は、本当の意味で戦いが終わったと肌で感じ、大きく息を吐いた。


 私の腕の中で眠る少女。年齢的に10歳くらいだろうか?顔に張り付いた前髪を優しく払う。


「このままの姿は、可哀想だよね」


 いまだ右手の中にある枝っぽい杖をくるりと頭上で回す。


「術式展開 ヒール 状態異常回復 精神異常回復」


 急激な癒しへとならないように、最小限の魔力で少女を包み込んでいく。僅かに淡く緑の光を帯びて、外から内へと染み込ませるように、馴染ませていった。


「ごめんね 洋服までは、治せないや」


 アイテムボックスに忍ばせていた毛布を取り出し、少女を優しく包み込んだ。


「よいしょっと」


 少女を抱き抱えたまま立ち上がる。外から差し込むオレンジ色の夕日が、蹴散らされていったゴブリンたちをキラキラと光らせていた。


 腕の中で、くうくうと眠る少女を起こさないように、ゆっくりと歩く。洞窟の外で、不安そうな顔をしたモナリィが、私を見つけて駆け寄ってきた。


「もう、アルさん 私、心配したんだからね!」

「えへへ ありがと ほら、無事だったよ」


 サイドのツインテールを相変わらず、ぴこぴこと跳ねさせて、モナリィが私を怒る。私は、安らかな表情で眠りにつく少女の顔を見せて笑った。


「アルちゃん 彼女が救護対象ね」

「はい 彼女をお願いします」


 ジェシカは、駆けつけたギルドの救護班を呼びつけて、医療班の元へ早く連れて行くように指示を出した。


 少女が、ジェシカたちによって、仮設テントへと連れて行かれる様子をぼうっとしながら見送った。ふと、私の後ろから、大きな影が私の影と重なった。


「嬢ちゃん 良くやった」

「し、ししょお」


 ふと、背後から大きな影が私の影と重なり、アリオスの大きな手のひらが、私の頭の上にぽんっと乗せられた。


「アル!」


 バートも私の側に、駆け寄ってくる。いつものチーム【白雪】に包まれて、私の緊張が完全に抜けた。


「ごめん 師匠 私、私、もう我慢ができない」


 枝っぽい杖を振り翳し、私は術式を展開する。


「術式展開 ウォーターボール」

「ま、待て 嬢ちゃん!」


 だから、ごめんって謝ったじゃん。私は、ローブと着ていた服を脱ぎ捨てると、ざぶんとウォーターボールの中に飛び込んだ。


「ルーカスさん 絶対こっちを向くな」


 慌ててバートがルーカスを引っ張って後ろを向かせ、大きな声でアリオスに訴えた。ルーカスも必死なバートを見て、絶対に振り向いてはならないと背筋を伸ばす。


「アリオスさん! 俺は、俺たちは、何も見ていない 見ていないですから!」


 ゆらゆらと全身をウォーターボールの中で、洗浄して行く。外では、レンや他の冒険者たちが、私の潜るウォーターボールを呆然とした表情で見ていた。


「あらあら、アリオス 悪い虫がいっぱい出たわよ」


 ジェシカが、揶揄うようにアリオスに言った。鬼のような形相で、アリオスが大きな怒声をあげながら、冒険者たちの意識を刈り取って行く。


 バタバタと地面に倒されて行く冒険者たち。


 アリオスから、以前、破廉恥だとゲンコツ落とされたけど、どうしても我慢はできませんでした。


 こうして、合同演習二日目は、平和に幕を閉じたのでした?

100話記念として、本日は2話更新です。いつもありがとうございます♪


実はこの作品、ずっとiPhone 7でポチポチと打ってきました。ついに100話ですが、アルの暴走(お一人様満喫計画)はまだまだ止まりません。


もしよろしければ、100話のお祝いや、iPhone 7への労い(笑)に、ブックマークや評価をいただけると、次の101話への元気になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ