表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

閑話:教会について

 少なくとも900から1000年ほど前から大陸西部で強い影響力を持つ宗教団体。厳格な階級制度が敷かれ、教皇を頂点にした高位聖職者たちが存在し、末端の司祭は各地の都市や村に派遣される。聖職者はすべからく修道院にて語学、聖典、神学、そして祝福などについて学び共同生活を行って職を得る事をできる。修道士/修道女たちは清貧な生活と大工や医者、農業などの労働に従事することがあったが、権力が強くなりすぎた一部修道院や裕福な教皇領では小作人を雇って利益を出し、娼婦を囲い、救い主の血たるぶどう酒を作り、豪奢な建物を建て、高価な馬や衣服を用意するようになり、清貧貞淑の教えを破戒している。


 教会は特にドラニア王国で最も権力が強く、ドラニア王権が神授されたものであることを保証している。

 いくつかシンボルがあり、最も有名なものは白地に黒い横線というもの。これは教会の名の下の平等を表す。他にも、聖典の中で重要な役割を果たすカラス、そして、腕も足も翼も切り落とされて頭しか残っていないドラゴンなどがある。


 三つ目のシンボルは、およそ教会の成立と同時期頃の逸話に由来する。今では聖なる乙女(ラ・ピュセル)と呼称され、列聖された女聖職者ヘレナという者が、かつて宝を蓄え、人々に毒をまき散らした3つの頭を持つ竜と戦って、その二つの首と手足と翼を切り落とした後に彼を改心させたという逸話が今でも語られる。竜は神に忠誠を誓い、無辜の人々を守護することを約束し、その宝物は貧しい人々に施された。一説によればこの竜は異教徒を暗喩しているとも言われているが、それを提言した歴史学者は火炙りにされている。……もっともこの世界にはかつてドラゴンは存在していたが。


 教会は福音書の記述を根拠に自分たちの権威を主張するが、それの多くは拡大解釈であり、断じて異教徒を殺したり異端者や魔女を焼き殺したりしてよいとは書いていない。


 近年では教会は貴族たちから領地の寄進を受け、そこらの貴族よりも裕福な暮らしをし、世俗の利益と権力への執着が目立ち、清貧、貞淑、恭順と福音書への回帰運動が内部からも信徒からも起きている。


 また、聖典と福音書と言う物があり、聖典は全能の神がいかにして大地と人をお創りになったかが書かれ、他方で福音書は神の子である預言者の行動とその教えを記したものであり、基本的に西方諸国教会の説く道徳は福音書から引用される。現存する福音書は世界語(ムンドゥス)という古典言語で書かれ、これを直接読み、学び、教える権利と言う物は教会が常に独占していたが、近年では共通語訳の福音書が出回りつつあるが、その度に異端征伐の為の〝地平線軍〟が派遣されている。


 地平線軍は教会の権威の下に召集される軍隊であり、教会の私的な武装戦力である宗教騎士団や教皇領の兵隊とは異なる多国籍軍になる。西方諸国教会を信仰する各地の王や封建領主に働きかけて兵と資金を供出させ、夷敵を討ち、帰順させ、逆らえば滅ぼす。


 ほかにも教会が領主や地方へ実施できる主権侵害行為には異端審問がある。これは領主の裁判権を侵害する行為で、魔女的活動や教会の意向に逆らう言論を弾圧することを彼らは福音書が許可していると解釈しており、聖職者からなる異端審問官とその護衛を派遣し、勝手に領民を裁く事が暗黙の了解となっている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ