1 現況
妖怪の実在が確認された近未来の世界。
妖怪が人間に犯す犯罪と人間が妖怪に侵す犯罪を取り締まるための人間と妖怪合同の『Y事案特捜班』が各都道府県警に配置された。
近未来の世界。
とある事から妖怪の存在が世間に公式に認められ、人間が妖怪に起こした犯罪と妖怪が人間に起こした犯罪(Y事案と呼ばれる)を取り締まる為に各都道府県警察に人間と妖怪合同の特捜班が設立された。
正式名称はY事案特別捜査課となっているが、人々は「妖怪警察」と呼んだ。
彼らは通常の警察装備のほかに妖怪から提供された特殊装備を持ち、その使用法に熟知した人間の捜査官と同数の妖怪から編成された捜査チームである。
彼らの取り扱う事件の異常さと、Y事案特別捜査課発足当時の異常な捜査員の死亡率及び発狂率の高さ、Y事案に関しての全面的な特権を持つゆえに人々は彼らを忌み嫌い、警察内部でも「化け物課」と影で呼ばれている。
したがってそこに配置される人間の捜査官も優秀だが、あくが強く組織からはみ出した輩が集まるようになった。
Y事案特捜課内には、特殊鑑識と装備開発を兼任する支援部門がある。
妖怪側から提供された物を利用して人間が利用する為の装備を作ったりするのだ。
例 実体化手袋 妖怪の体を実体として捕らえる手袋、これを装着すると妖怪の体を掴んだりぶん殴ったり出来る。
妖怪は「化け物」と呼ばれると激怒する。
日本人に「ジャップ」いやアフリカ系アメリカ人に「ニガァア」と言うくらい怒る。
まぁ、人類以外の他種族と共同作業を行うのだからその辺りの気配りも大事なのだろう。
警視庁ではY事案捜査課に適性のある警官を常に調べていて、アンケートや適性検査を行い、『生贄』が見つかると有無を言わさずにY事案特別捜査課に強制的に配置するがその適性の根拠がいまいち頼り無く、往々にして見当違いであることが多い。
従って配置早々に発狂したり自殺する新人が多い。
任務適正者が『生贄』と呼ばれるのも仕方がない。
このお話の主人公は 岡田啓介 28歳 元地域課の巡査 因みに怖い話が大の苦手である。