ファンタジーにおける雷とは何属性か。
ファンタジーにおいて雷ってのは属性としては難しい立ち位置だ。
完全に作品オリジナルの雷、あるいは電気属性としては使い勝手が悪い。
四元素では火として扱う人もいれば風として扱う人も入る。落雷で燃えるから火属性、速い事から連想して風属性。
あるいは少数派ではあるが水力や磁力などで「生まれ」を理由にして水属性の力、地属性の力とする人も中には入る。
同じように陰陽では雷は光るから光属性、とする一方で基本的に雷は雲が掛かり暗い場所から発生するために闇属性とする場合もある。
五行の場合、火、水、木、金、土に対していまいちピンと来ないのだが消去法的に金の属性に当てはめられる事も。
非常に扱いに困るのだが雷、電気といった物は現代において密接に関わりがあり、同時に古代の神話において西洋、東洋問わず「神成り」と言う神格の元、主神やそれに準ずる非常に強力な力を持った神の性質を表していた。
古今東西、雷というのは重要な物、強大な力を誇っているわけである以上、ファンタジーにおいて魔法に使うのは当然であるが雷が様々な性質を内包し、そしてそれ単体では然程人間に影響しない。
多くの場合が中世以前の世界観で描かれるファンタジー世界では特に。
既存の属性に当てはめるのであれば何属性にするべきなのか、という問いには結局のところは作者が雷に何を求めているのかで異なる。
ただ、個人的に思うのは電、雷ってのは情報を「伝える」力だ。
そういう意味では「神鳴り」という神が人間へのメッセージとして使う力が自分の解釈としては近い。
そういう意味では雷属性は魔法そのもの。
魔法の詠唱とは「言葉」であり、「伝える」力。
「言霊」と言い変えてもいい。
言うなれば魔法において無属性。
形を成す前の力であり、結果的に現代の世界を見て分かるように万能の力。
ドラ○エでも雷は神に選ばれた勇者だけの力だし。
ここで最初に戻って雷はどうするべきか、というのは結論としては作品の作者の考えだし、正直正解なんてものはない。
4元素や陰陽、五行に当てはめても良いし、オリジナルなんだから雷属性というのを作ってもいい。
ただ、自分がファンタジーとして小説を書くのであれば魔法そのもの、「無属性」に当てる。
そして無属性というのは魔法の各属性の中での立ち位置とはどういう物か、といえば「→」だ。
例えば四元素。
相反する、という対立関係なら「火と水」「風と地」で関係が生まれるが、ここでの属性同士の対立を表現しようとすれば「↔」だ。
この矢印、「↔」の部分が雷、無属性という物と自分なら定義するだろう。
勿論、相反だけではなく五行などなら相剋、相生といった「関係」そのもの。
何かと何かの間。
物と物、人と人、情報と情報。その渡し船かタクシーか飛行機か。
だから「速さ」があり、「力」がある。
その一方で紙幣などと同じであくまで「代用品」でしかなく、雷そのものには大した価値がない。日本の紙幣なんて使えない場所に行ったらただの紙切れなのと同じだ。
そこに価値を生み出して生まれたのが「神」。
とするならば現代における神はやっぱり各メディア?
芸能人や有名人に成りたがるわけだ。