男から見てもやたらめったら性癖増え過ぎな事。
前話に対して男の場合を考えたが性癖が多すぎてどうにも収拾がつかないから逆に性癖そのものについて考えてみた。
ネットの普及で性癖と言うものは一気に広がったし深くなった。
自分も当てはまる性癖や苦手な性癖もあるが特にNTRについては苦手だ。
NTRは何故こんなにも流行ったのか、と思いネットを眺めていると考察を見た。
曰く、弱者男性の歪んだ願望であると。
NTR物と言うのはパートナーよりも快楽を選んだ女の性への奔放さ、女の性欲の汚さを描く。
作品を通して責任を女に押し付けて云々。
まぁまぁ、それはいいとしてだ。
であるならば昔からあるような性癖はどうなんだろう、と。
例えば、巨乳。
かなりポピュラーなジャンルじゃなかろうか。
男なら皆おっぱいが好き、なんてのは最早当然のように言われている。
けどこんな話も聞く。
「巨乳好きは乳離れできないマザコン」
あながち、男は皆マザコンなら皆巨乳好き、と言う証明でもあるのだがこの手の話をする人の多くが胸より尻派とかで尻好きは尻好きでマザコンとかなんとか話を聞いたことがある。
と言うか性癖がなくて女なら誰でも、とかそもそも性的な事が苦手でもとやかく言われるのだ。
じゃあ結局のところ性癖ってなんなんだ。
となると結局それぞれが抱える弱さの投影だろう。
更にグローバル化で様々な価値観を取り込み拡大していった日本の社会では様々な「強さ」の尺度が増えた。
狩猟民族の時代の男の強さの尺度なんて肉体的な強さに度胸、それから狩りの成功率くらいだろう。
その程度しかない尺度から比べれば今の強さの尺度の数は膨大だ。
強さの尺度が増えた、と言う事はソレだけ弱さが可視化された事にもなる。
その弱さは男に取って一つの問題だ。
そして問題解決とは男の本能だ。
性癖に沿った物で自慰行為で解消する、性癖にあった女と性交する、あるいはクリエイティブな力があれば性癖を元に作品を作る。
そうやって問題を解消する。
ただ一つ言えるのは性癖を、弱さを解消しなければそれによって色々と駄目になるという事。
そして弱さの根源にあるのはやはり幼少期の不満。
強くなりなさい、賢くなりなさい、優しくなりなさい、と多くは母親から言われて育つ。
勿論それだけが性癖の原因ではないが最近の自分を含めた弱者男性、と言うか無敵の人の背景には母親からの過度な期待、そして本来その人個人の欲求不満、我慢が拗れに拗れた結果のような気がしてならない。
そしてそのフォローに入らない父親の影響もね。
性癖以外でも趣味でも何でも、仕事の種類が増えれば増えるほど今後も性癖は増えていくのだろうし、おそらくそれをどう紐解いても男の弱さしか見えてこないと思う。
どんな種類の弱さか、を分析してそれを解消するために性癖を読み解くのは面白いと思うけど、毎回毎回「こんな性癖を持つのはイカれている!」と口にするのは止めなよ、とは感じた。
性癖を減らすならシンプルに縄文時代みたいな暮らしにして強さの尺度を減らす、つまり弱さを見ないようにするしかないんじゃないかな。
海外のマッチョ達が相手にするのは日本人の一回り、二回りは大きい胸に尻の女達。
日本人の男の巨乳好き、巨尻好きでマザコンならあっちのそれは超ド級のマザコンになってしまう。
それが真実かどうかはともかく、結局、どれ程強く振る舞おうとしても、むしろ強く振る舞おうとすればするほど内面では性癖が肥大化するんじゃないかな。