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何か書きたい。  作者: 冬の老人
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術と道 その1

ちびちび書いていく。

最近、考えたものとして何故「一人前」になるために仕事で出世して恋愛をして結婚しなければならないのか。


無論、人間を動物として見た時に食べ物や住処を確保するために仕事はしなくちゃいけない。

種を残すためにパートナーを得るために恋愛するという手段は有用な手ではある。

ただ、コレらというのはタイトルにある「術」の方である。

術である以上別に別の手段があるならそれを活用しても良い筈だ。

生きる為の糧が法律に違反せずに安定して手に入れられるのであれば極論働かなくても良いし、パートナーを得る方法は昔からお見合いのような方法もある。

自分の結論としては「仕事で出世する事」や「恋愛をして結婚して子どもを育てる」のが「生きるための術」ではなく、「生きていく道」になってしまっている。


ここでいう「術」や「道」は「武術」や「武道」などに使われる意味合いの物だ。

術と道、この違いは何か。

目的の違いがある。

「術」とは「成功」が目的となる。

「道」とは「成長」が目的となる。


術とは「勝利」のための手段。

「価値を高める」ための手段。

「無駄を排除」するための手段である。



一方で道とは「弱さ」と向き合う必要がある。

「苦難」を乗り越える必要がある。

そして自分の経験から得た教訓を他者に「伝える」必要がある。


この術と道、2つの自分の解釈を説明する上で術には「手段」という言葉を使い、道には「必要」という言葉を使った。


術とは「手段」であるから「成功」のために行う行為である。

スポーツの試合で勝つためにどうするか。

強くなる、というのは試合の前の段階であるからそれはフィクションの「戦いながら強くなってる…!」みたいな描写でもなければ試合においては「強くなる」というのは術とは言えない。

いざ試合となった時にそれまで練習して身につけてきた持てる手札の中からどれを使うべきか。

それを考えると術とは如何にして相手に「意表」を突けるかどうか。


一方、道とは「必要性」であり、「成長」のために守る事。

道において試合とは試合に至るまで培ってきた練習によって強くなってきた事の証明である。

だから守るべきは試合のルールであり、マナーである。

やってはいけない事、好ましくない事をやらない。

試合にむけてやってこなかった咄嗟の思いつき、付け焼き刃な事をしない。

そうしたやってはいけない事や好ましくない事、あるいは付け焼き刃でもをそれを行えば勝つための「術」となり相手の意表を突いて勝てるかもしれない。

だが、それは道を歩んで強くなってきた自分のこれまでの道のりの否定である。

術を使わなければ勝てなかったという「自分の弱さ」に向き合わなければ道から逸れて「外道」になる。



術を突き詰めれば相手の意表を突く事が常態化し、次第に「卑怯な真似」をするようになる。

マナーの「ギリギリ」のラインを攻めるようになる。

マナーのギリギリを攻めるのが常態化すれば今度はルールのギリギリのライン、つまり「反則」になりかねない行動を行うようになる。

それでもまだ引き返せる。

「道」から外れて外道に足を踏み入れてもまた「反則」を侵す罪悪感と戦う精神があればまだ引き返せる。

しかし、反則スレスレを攻め続ければ「バレなきゃ良い」と考えるようになる。

不正を隠すようになり、さらにその術を磨くようになる。

そしてさらにそれが常態化すれば「バレた時に行動を正当化する理由」を作るようになる。

それを超えれば「開き直る」。

「外道」を正当化し、「正道」を行く者達を罵倒し、悪者にして被害者ぶる。


一方、道を歩んでいくと「誰か」に伝えたくなる。

何故なら「武道」などの道である同時に「通路」としての側面があるからだ。

「道」とはそれそのものに価値はない。

「目的地」に繋がるから道は「必要」とされるだけだ。

武道としての道を歩み、ルールを守り、マナーを守る。

それは必要な事だが試合に負けた人を誰が褒めるのか。

勝たなきゃルールを守っても身内以外から評価されない。

だけどその「道」というのは我々が外出する際に必要不可欠であるのと同様に「人としての成長」には必要不可欠なものだ。

ルールを守る、マナーを守る。

常識を守る。

その当たり前を守る事で社会が形成され、弱肉強食の自然界で人間という種がトップに君臨している。

だから人を増やす。

増やさなければその道は閉ざされる。

そして道が閉ざされれば目的地へ向かうのが困難になる。

そのために「術」を目的地に据えて「術を取得するために歩む道」を示す事によって「この道は必要である」という事を示す。


「術」の正当性を示すには「道に外れない事」が大前提であり、

「道」の必要性を示すには「術への効率的なアプローチ」が大前提となる。

術と道、どちらが上でどちらが下、という話ではなく、どちらも必要で術と道の選択、優先順位の高さを決めるには当人の目的意識がはっきりしている事が重要となる。



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