表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何か書きたい。  作者: 冬の老人
312/354

褒めるスタンスと叱るスタンス その1

ブツ切りスタンス

褒めると叱るは同じ物だ。

下位の存在に対して上位の存在となる自分の思い通りに動かそうと「褒めちぎる」、あるいは「怒鳴り散らす」

下位の存在の実績、行動を「評価」した上で上位の自分が求めるものより上となるものを「褒める」、自分が求めるものより下ならば「叱る」。

下位の存在に目標を与えるために「優先順位をつけながら褒める」「優先順位をつけながら叱る」。


「褒める」と「叱る」は同質のものであり、その違いは上位の自分の「時間」と「労力」に関係している。

そして下位の存在の行動、実績、発言などを「受け取る」事で発動する。

つまり褒める、叱るという行動は「情け」の力となる。

その上で上位の人間は「褒めるスタンス」で下位の人間に接するべきか、それとも「叱るスタンス」で接するべきか。

「褒める」も「叱る」も同じ「情け」の力に属するもの。

ならスタンスを考えた場合、そこに何の違いがあるのか。

「褒める」と「叱る」の違いは「時間」や「労力」の少なさになる。


よく言われる言葉に「大人になると叱られなくなる」「叱られる内が華」「叱ってくれるのは優しい」なんて言葉がある。

けれどこれは「何も言わない」、つまり「無視」の状態と比較した場合の事であり、「褒める」という物と比べると労力は少ない。

「褒めちぎる」より「怒鳴り散らす」方が楽。

求めたものより高いものを提示してきた者を「褒める」より、求めたものより低いものを提示してきた者を「叱る」方が楽。

目標を示すにあたり、「優先順位をつけながら褒める」よりも「優先順位をつけながら叱る」方が楽。


また、同じ「褒める」、あるいは「叱る」のスタンスでも「優先順位」をつけるより「評価」する方が楽である。

優先順位をつけるというのは言い換えれば「評価する事」は大前提でさらにそこから「新しい目標をつくる」「そのための行動を示す」ためのものである。

だから単に「評価」するより時間と労力がかかる。


そして「評価」するより過剰に怒鳴り散らしたり、褒めちぎるといった「行動を支配」するための方が楽だ。

評価するためには相手の事を細かく観察する必要がある。

それは単に「出来たかどうか」ではなく、「期限は守れたか」「ルールは守れたか」「クオリティはどうか」など様々な条件を評価する必要があるからだ。



「優先順位をつけながら褒める」>「優先順位をつけながら叱る」>「評価して褒める」>「評価して叱る」>「褒めちぎる」>「怒鳴り散らす」

最も「面倒臭い」のが「優先順位をつけながら褒める」であり、最も楽なのが「怒鳴り散らす」。


実際はさらに楽なのは「無視」をすれば怒鳴り散らすよりも楽であり、「見守る」のは評価して褒めるより楽だが評価して叱るより面倒だ。

さらに「優先順位をつけながら褒める」より「次のステージ」に引き上げるとなるとまた1から説明をする必要がありさらに面倒となるが、この「褒めもしない、叱りもしない」というスタンスは置いておこう。


「褒める」と「叱る」の違いは「面倒臭さ」、あるいは「楽さ」。

叱る方が楽で褒める方が面倒臭い。

叱る方が楽で褒める方が面倒くさいか、といえばその褒めるか叱るかの基準は自分が決めているかどうかにある。

叱るというのは求める基準を決めているのは「上位」である叱る側の自分自身。

「100日後のテストまでに80点の結果を出せ」と命令して出せなければ叱る。それが「叱る」というスタンス。

だけど「褒める」のスタンスの人間の場合、「100日後までに80点の結果を出させるためにはどうするべきか」という事を考える事になる。

そのためには「下位の存在」の「現状」を知る必要がある。

80点を既に取れている人間には「そのまま頑張れ」といえば良い。

しかし70点、60点しか現状取れていない人間には100日後に向けてそれぞれ細かく指導していく必要がある。


これから先のやり方はあくまで「モノの例え」でしかないので具体的な日数とかは別にこれで正解とかではないのであしからず。


70点の人間には80点を取らせるためにとりあえず25日後に一旦模擬テストを行い、そこでまた判断する必要がある。

70点より80点に近づいたのであればそれを褒めれば良い。

だけど70点のままならそれではダメだと叱る必要がある。

そして叱った上で優先順位をつけて行動指針を指示する。

そしてまた25日後、つまり1日目か50日の時点での中間経過を見て判断し、順調なら褒める。停滞していたらまた叱って優先順位をつける。

そうして25日、50日、75日と間を挟みながら最終的な目標である100日後に備える。


60点の人間についても基本的には同じだがもっと中間経過を細かく確認する必要がある。

10日後に最初の模擬ばそれを褒めれば良い。

だけど70点のままならそれではダメだと叱る必要がある。

そして叱った上で優先順位をつけて行動指針を指示する。

そしてまた25日後、つまり1日目か50日の時点での中間経過を見て判断し、順調なら褒める。停滞していたらまた叱って優先順位をつける。

そうして25日、50日、75日と間を挟みながら最終的な目標である100日後に備える。


60点の人間についても基本的には同じだがもっと中間経過を細かく確認する必要がある。

10日後に最初の模擬テスト、20日後に2回目の模擬テスト、30日後に3回目。

その度に細かく判断してその度に順調なら褒め、このままでは間に合わないなら優先順位をつけながら叱る。


また60点未満の人間についてはそもそも60点を取れる人間と70点を取れる人間と同じスタートラインに立ち、「100日後に80点を取る」というのは難しい以上、それでも取らせるというのであればさらにつきっきりで毎日のように中間経過を評価、判断する。

もしくは「今回は諦める」という判断を取らなければならない。

責任ある立場である以上、現状から未来を想定するのは仕事であり、そのためには諦めて「損切り」するのも上位の人間の役目であり、その損切りの責任を負う必要がある。


中間経過を細かく見なくても「100日後に80点を取れば褒める、とれなければ叱る」というスタンスで良いじゃないか、と思う人もいるだろうが80点を取らせるのはほぼ無理。

可能なのは現段階、つまりテストの100日前の時点で80点をとっていている人間、もしくは現段階で75点以上をとっており、もう少し頑張れば良いだけの人間だけだ。


本人の努力ややる気だけでどうにかできるなら皆が既に高得点を出している。

その上で70点も60点。

あるいはそれ以下にしても本人は本人なりに頑張ってはいる。

けれど苦手意識があるものはやりたくない。

そもそもどうすれば成績が良くなるのか、どうすればクオリティがよくなるのかわからない場合もある。

結局、少しずつしか地力は上がらない。

その少しずつ、というのが期間なども関係してくるが本人の努力次第という本人任せにした場合、せいぜい10%。

70点+10%、つまり77点。

「100日後に80点を取れ」

といって後は何も指示しなければ仮に本人なりに真面目にやったとしても77点まで自力が上がれば御の字。

けど80点まで届かない。

だからあとは「上振れ」を願う。

「ブレ」がプラマイ10%であるなら、自力の77点を基準に70点〜84点の間。

100日かけて地力を10%上げ、さらに+3点以上の上振れを引いて達成。


けど仕方ない。

「100日後に80点を取らない場合、叱られる」

仮にコレが「叱られる」から「罰を与えられる」でも対して変わらない。

テストの成績ではなく仕事に置き換えて「クビになる」というものだとしても恐らく変わらない。


まぁコレを「危機感」を基準にして考える人間なら「甘ったれるな」というわけだけど気分が憂鬱になるけれど結局、多くの日本人が「慣れ」てしまっている。

叱る、罰を与える、脅す。

やればやるほど思考が硬直する。

視野狭窄に陥る。

それを「集中」と解釈している人間もいるが実際にはネガティブな条件を突きつけて他人を操ろうなんてそう上手くいくわけがない。


やる気もないし、頑張りたくもない。

けど行動としてはやっぱり「頑張っている」

だから「下位の存在」として「上位の存在」の下にいる。

本当に頑張らないならそこからいなくなっている。

「下位の存在」となっている時点で「頑張っている」。

それでもなお、「独力」では70点60点しか取れない。

だから罪悪感に苦しみ、疲れる。

余計にやる気は失せる。

それでも頑張る、その繰り返し。

「叱るスタンス」の上司はその辺が「部下」に対する「見通し」が甘いのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ