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何か書きたい。  作者: 冬の老人
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完璧主義その1

「完璧主義」はダメだと言われる。

まずは「行動あるのみ」。

だけど「完璧主義」の人間を作り出しているのはそんな風に「行動あるのみ」と言う人間なのだ。

高い行動力の裏には間違いなく欲がある。

行動あるのみ、と言う「上司」の言葉の通りに従って「部下」が行動して失敗したりすると責任は「上司」も取る事になる。


「(自分で全て責任を取る事が前提で)行動あるのみ」

「(必ず成功する事が前提で)行動あるのみ」


上司としての権利や報酬は欲しい。

けれど部下の失敗の責任などは取りたくない。

だから口では部下に対して「行動」を求めつつ、実際には「完璧」を求める。

そして決まって「出来ない部下」と「出来る部下」を比較して「努力不足」を口にする。


「出来る部下」の成果を「自分の成果」と勘違いしている。

「出来る部下」は「褒めちぎる」と「怒鳴り散らす」事しかできない人間の下でも成果を出す。

つまりは大抵の環境、どこに行っても成果を出す。

「出来る部下」しかいらない、と言う「相手に完璧主義を求める」というのは結局の所「弱肉強食」に結びつけられる。

同じコミュニティで弱者を切捨てて頂点に立ち、少数精鋭となっても結局は「井の中の蛙」。

そしてもしそんな弱者を切り捨てた状態で他のコミュニティと争いになればまさに「歩のない将棋は負け将棋」。

「歩」という最弱の駒を適当に扱って捨て駒にしてきた故に「弱者男性」や「無敵の人」が生まれた。


「勝ち戦」しかしてこなかった。

「勝ち」にしか価値を見いだせなかった。

「優秀」である事でしか価値を与えられなかった。

将棋では例えにくい。

ガチャでも良い。

生まれながらにただのR、もしくはNでしかなかったのにURやSRと同じ土俵に立てるのは「育て挙げられてきた」からだ。

自分以外のRやNのレアリティを犠牲にして、強化したり、限界突破したり、してきたからURやSRとそれなりに渡り合える。

自分より「上位」の人間が自分の事を「丁寧」に育ててきたからその力を持つ。


「アイツか成功したのは環境が良かったからでアイツ自身は大した努力をしていない」

という成功した人間を妬む話ではない。

「個人として努力もした。だけど周りの環境もよかった」

という「事実」がある。

全てが環境の所為というわけではなく、かといって全てが個人の努力というわけではない。

その「事実」の認識もせずに「優先順位」などできるはずもない。

だからこそ「下位の存在」である内はそんな認識など考慮せず、とにかく「自信」をつけて「目標」を立てて「行動」あるのみの選択肢しかない。

「上位」だから「事実」を認識し、「優先順位」を考え、「緊急性の高さ」に応じて褒める、叱るを使い分ける。


「下位」の存在は立っている場所が0%、0点なのだ。

だから「行動する」。

そして行動の一歩目で50%、50点に到達する。

だけど「上位」の者は最低限、上位として立つためには80点の場所にいる。

過去に繰り返してこなしてきた「自信」もそれなりにある。

例え100点には届かなくても充分に評価される程度のゴール地点、「目標」も把握しているし、そこに到達するための「行動」もどうすれば良いか分かっている。


その上で全ての権力を手放してその場から消え去り、新たに挑戦者として別の場所で再度0から行動する事ではなく、「上位」の者となり、そこにやってくる挑戦者達を使役し、まとめ、指導する立場を選んだ。

0から始めるのではなく、80点から先を極める事を選んだ。

「下位」の者、何も持たぬ者が何かを手にいれるために「行動するしかない」。

それと同様に「上位」の者は既に手に入れている物の他に更に何かを手に入れるためには「研ぎ澄ますしかない」

「下位」の者は「上位」の者から報酬を得る。

「上位」の者は「下位」の者から報酬を奪ってはいけない。

「下位」の者を育てて組織やコミュニティを発展させて「外」から報酬を受け取る。

今より強く、今より速く、今より頑強に、今より幸せに。

「上位」の者こそ「完璧主義」に、「オタク的」にならなければならない。


オタクがそうであるように特定の知識が豊富でなければならない。

オタクがそうであるように特定のものに対して行動力が突出していなければならない。

オタクがそうであるように「ニワカ」を大切にしなければならない。

オタクがそうであるように周囲に評価されるために様々な見方をして様々な「解釈」をしなければならない。

オタクがそうであるように些細な事に気づいて「教訓」を得なければならない。

オタクがそうであるようにそれが「無意識」レベルで「反射的」、そして「言語化」できなければならない。


漫画やアニメ、ゲームといったオタクに限らず、仕事でもスポーツでもその道にドップリハマった人間ほど、苦しむ。

「怒り」を覚えるから新参者がいずれ「与えられる喜び」で満足出来ず、自ら「苦しんででも喜びを手に入れたい」と言う道に走った時に「哀しめる」。

そしてその新参者の「怒り」を少しでも和らげるため、「楽」にするために教訓を伝える。


「行動」とは様々な選択肢から「不要な選択肢」を理由をつけて切り捨てる事。

消去法である。

「完璧」とは「あらゆる選択肢が揃って入る」という事。

行動するとは「女の素養」を得る事。

完璧とは「男の素養」を得る事。

今まで行動する事で80点に到達したなら、そこから先はそこまで切り捨ててきた「不要な選択肢」に価値を見出し、「付加価値」として拾い上げなければならない。


ゲームオタクがゲームをクリアするだけにとどまらず、隠し要素を網羅して100%を目指す、コレクション要素に価値を見出しように。

あるいはRTAなどの記録を追求するように。

きっかけは「他人」から与えられた選択肢だった。

けどそこから「自分なり」の楽しさを作り上げる。

80点から先は「自分」が選択肢を作る。

「完璧」を目指すというのは「完璧」に楽しむ事なのだ。

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