自作小説の主人公その4
殆ど、自身の小説の設定ネタの投棄みたいになってる。
「ステータス重視」の主人公。
そのステータスを強くするためにグローランサーシリーズのキャラメイク、そしてパワプロのサクセスモードを参考にした。
その理由を探っていくと過去の自分は他人から「デメリットしかないランダムイベント」に振り回された。
頑張っても報われない。
我慢しても報われない。
そうした過去から自分は「運任せ」にしたくない、それが「ステータス重視」を作る上で「自分で考え、自分で選択する」というものを求めてサクセスモードをRPG的な異世界ファンタジーに組み込んでそれを強みにしようとした。
最初のサクセスを組み込んだ設定としては一次ステータスと二次ステータスは明確に分けてはいなかった。
ステータスはステータス、スキルはスキルとして存在し「サクセス」はスキルとして主人公に設定した。
どういうスキルかと言えばパワプロのサクセスモードをプレイした事がない人には伝わりにくいかもしれないがステータスを上げるために「レベル」ではなく「育成ポイント」を消費して上昇させる。
そして従来の「レベルアップ」については育成ポイントを消費してステータスアップをしたものをただ「確定させる」というもの。
例えば物理攻撃について。
当時の記憶をたどれば「人間」という種族はレベルアップ時に「0〜5」の間でステータス上昇が発生するという設定にしていた。
そしてサクセスの能力によってレベルアップ時の物理攻撃アップには「筋力ポイント」を消費する。
10ポイント消費で物理攻撃力が1上昇。
20ポイント消費で2。
50ポイント消費で3。
100ポイント消費で4。
200ポイント消費で5上昇。
当時はさらに細かく設定を練っていた気がするがこのような感じで上昇量が高い程に消費するポイントも大きくなっていく。
RPGにおいて上昇数値にブレのある場合におけるステータスの厳選みたいなものを任意で確定させる。
コレをHP、MP、物理の攻撃と防御、魔法の攻撃と防御、素早さなど全てに当てはめていた。
そこまでは面倒だが何とか認識できる範囲内だったのだが本家のサクセスモードの強化項目と比べてステータス強化だけでは寂しい。
何より、サクセスモードの強みの「常に最大上昇値確定」とはいえあくまでも「人間」という縛りにしていたために「一定以上の強さのモンスター」を相手に渡り合うには限界があるように感じた。
そのためステータスの強化以外に本家のサクセスモードにもある通り、レアではない特殊能力、「剣術レベル1」だとか「風魔法レベル1」といった基本的なスキルの取得についてもポイントで取得させる。
取得した後はサクセスのスキルと同列のスキルなのでそれ以降は普通のスキルと同様の扱いで成長させる。
ただいくつかの条件を満たす事でサクセス内に特殊能力として特殊スキルを解放させる。
例えば火、水、風、地の四属性魔法のスキルレベルが全て5以上になった場合「複合属性魔法レベル1」が解放、といった具合だ。
勿論、こういう無駄に拘った事を拡張していったために自分で「サクセススキル」というものを作っておきながら自分で把握出来なくなり頓挫した。
こうした一つのスキルでありながらその効果を他のスキルにも手を伸ばす、というある種の越権行為をすればするほど制御できなくなるため、やはりこのサクセスはステータス強化に限る事にした。
そしてもう一度練り直した結果として
・レベル差による経験値の増減システム
・「食べる」という事によって育成ポイントの取得
・本家サクセスにおけるサクセス限定スキルとなる「センス◯」
・グローランサーの「苦行者の首飾り」と「◯◯成長促進」というアイテム。
・主人公を「魔物使い」にする。
この5つが後の自分の小説でもレギュラー化した。
そしてこの段階ではこの5つとは別に
・経験値が貯まれば自動的にレベルアップするのではなく、任意で決められる。
まず、レベル差による増減については何となく分かるだろう。
基本的経験値が100の相手と戦った時、コチラが適正レベルならば100ポイント手に入るがコチラのレベルが適正レベルを大きく上回っていれば獲得量が減り、逆にコチラのレベルが適正レベルを下回っていれば獲得量が増える。
この手のシステムは割と色んなゲームでも導入されている。
これと「任意でレベルアップ」を組み合わせる事で延々と低レベル帯をキープしながらも経験値と育成ポイントを獲得できるという都合の良いシステムを作り上げた。
ただしこのためには「能力値としては勝てる相手だがレベル的には格上」という存在が必要であった。
そこで「魔物使い」という自分の代わりに戦ってくれるモンスターを使役する力が必要となった。
またどうせなら倒したモンスターなどを素材にした食べ物を「食べる」事で育成ポイントを獲得させよう、という事でそうした能力も付け加えた。
この「食べる」システムも昔からRPGでは「ステータスアップアイテム」として存在していたり、本家サクセスでも同様のイベントがあったりしたから何となく想像はしやすいのではないかと思う。
そして本家サクセスにあった「センス◯」の能力。
本家サクセスではこの能力の取得方法は限られており、プレイヤーが狙う事は出来ない。
しかし、「リセマラ」をすることで初期スキルに持っている事がある。
センス◯を初期で持っているキャラを出すのは一定確率とはいえ、約20%程で運任せとはいえ、宝くじで当たりを出すようなレベルでもない。
本家の効果としてはステータス上昇に必要な育成ポイント1割減。
サクセスでは低ステータス帯では然程大きな差はでないがステータスが高くなるにつれて必要ポイントが大きくなり、育成後半になるに従って効果が高まる。
また本家においてこの「センス◯」持った初期ステータスは軒並み低めに設定される。
また初期スキルにセンス◯を所持していると「虫歯」というバットステータスがあり、歯医者にかかって治療してもらわなければ育成ポイントが手に入らないという問題もあった作品もある。
・低ステータス
・バッドステータスを除去しなければ育成ポイントが手に入らない
という二重苦に悩まされる「大器晩成」型の能力でもあった。
こうした本家サクセスのセンス◯のメリット、デメリットをRPG的に再現出来ないか、と考えた時に当てはまったのがグローランサーシリーズの
・苦行者の首飾り
・◯◯成長促進
というアイテムである。
苦行者の首飾りというのは
・ステータスが低下
・経験値1.5倍
というアイテムである。
ただ問題はその低下量で全ステータス-100。
どのくらいの数値かと言えば苦行者の首飾りが登場するステータスの上限は255。
グローランサーのシステム上、頭を使えば意図的なレベル上げも殆ど必要ない。
またグローランサーには「ステータスを維持したままレベルを下げる」というぶっ壊れアイテムも存在しており
・レベルを下げて経験値の多い敵(メタルスライム的な存在)と数回戦う
・レベルの上がり方が鈍化したらまたアイテムを使ってレベルを下げる。
の繰り返しで簡単にステータスを限界まで上げる事ができる。
ただステータスとは別にレベルの高さはクリティカルやスキルの発生確率の計算式に゙使われるため、同じステータスでもレベルが高い方が強いのは間違いない。
しかしはっきりいえば「やり込み」以外には使い所がない産廃アイテムだった。
そしてもう一つ、グローランサーシリーズから先述したレベルを下げるぶっ壊れアイテムとして存在しているのが「◯◯成長促進」アイテム。
これは装備アイテムなのだがコレを装備したままレベルアップすると限界を越えてステータスが上昇するというもの。
先述した「人間」という種族のステータス成長の「0〜5」の枠の限界を越えて「3〜8」となったりする。
一周目などはコレを入手する頃には物語終盤であまり活躍の機会のない存在だが所謂「強くてニューゲーム」が可能であり、二周目以降に持ち越せる。
グローランサーはギャルゲ的なヒロイン、あるいは同性の仲間毎の個別エンディングと作品によってはトゥルーやバッドなどのマルチエンディング要素があり、複数回クリアをする場合にこのアイテムは時間短縮に有用なアイテムである。
「ステータス維持したままレベルだけ下げるアイテム」は流石につまらないため除外したがこうした要素を「サクセス」のスキルとして組み込んだ結果
・能力値を大幅に下げるリスクを背負う。
・その代わりに育成ポイントの獲得量アップ
・人間の成長限界を超える「限界突破」の力を得る。
・魔物使いとして使役している魔物にもその恩恵に゙近い能力を付与する事ができるようになる
といった能力を主人公の強みとする事とした。
ここまで書いてある「ゲーム的」な主人公の強みだがつまりは「教育」なのだ。
「弱い主人公」を強くするための「教育」
「ステータス」を「強み」として突出させるための「教育」
そして今度は主人公の成長のために刺激してきた「魔物」達に還元するという「教育」。
そのためにはまず明確に「報われる」という「喜び」が必要である。
その喜びがあって始めて「苦行」を耐える「怒り」を制御が可能となる。
そして成長したあかつきには自分のために戦ってきてくれた存在の苦労を労り、還元する。
自分の書いた小説ではそれを顕著に表現するためにどう足掻いても勝てない強敵を前に主人公を逃す為に使役していたモンスターが玉砕覚悟で特攻し、死亡。その使役していたモンスターの亡骸を「哀しみ」にくれながら主人公が「食べる」事で使役していたモンスターの溜め込んでいた大量の経験値、育成ポイントを得て覚醒する、というシーンを描いた。
その後、主人公は敵討ちと奪われた物を取り返しに強敵に挑む、という流れを書いたがどう足掻いても勝てなかった強敵を勝てるようになり、そしてその後の冒険が「楽」になる。
結局は「冒険」も「教育」も「喜怒哀楽」の順なのだ。
自分の小説の書く能力ではその「強敵撃破」を堺に明確に「ヒロイン」が発生したり、キャラが増えたりした事で制御が難しくなり、またも頓挫したわけだが、それなりに満足して描けた記憶がある。
また、「ステータスを強み」にするためにキャラメイクやサクセスを参考にした能力において「一次ステータス」と「二次ステータス」に分けないままでの表現に自分なりに限界を覚えた。
「低レベル縛り」状態になるために基本的に主人公は「強敵撃破」に至るまでの道中は「魔物使い」として「使役させた魔物」が戦闘のメインであった。
そして強敵が現れるまでは基本的には拠点の村での雑用、農作業、あとは使役モンスターが狩ってきた野良モンスターを「食べる」だけ。
途中で小説を打ち切った自分の責任はあるが物語の主人公でありながら初戦が「四天王戦」、二戦目が「ラスボス」となってしまった。
「やって覚える」は危険が付き物であり、「未熟」なまま実戦に投入されれば「運」が絡む。
一歩間違えば「死ぬ」のだ。
それにはやはり上位存在の「フォロー」が必要不可欠となる。
だが自分の知る上位存在というのは「見返り」を過剰に求め、「恩を着せたがる」。
いわば一方的に「弱み」を握る存在と言える。
コレが嫌だから「相互に弱みを握り合う持ちつ持たれつ」の関係性の「ヒロイン」を用意するようになった。
まだ一人で「成熟」するまでまっていればその力を奮う場面は限られてくる。
「達人」の域になるまで実戦に出ないのでは本末転倒だ。
結局、それもまた「喜怒哀楽」と同様に何処かで「区切る」必要がある。
「死ねば終わり」である以上は「レベルを上げ」「装備を整え」「何度も挑戦と逃走を繰り返し、データ取って作戦を練る」
本来ならこの過程を主人公がメインとなってやるべきだったが「成熟」するまで待った結果、仲間は死ぬし、戦闘はたった2戦。
結局「孤立した英雄」となりその後はどうするべきだったのか。
苦肉の策で「犠牲となって死んだ使役モンスターを復活」させて見たが結局続きを描く気にはなれなかった。
自分の小説、仮想のキャラを用いた「教育」ですら書くのは難しい。
「未熟さが原因で死ぬ」or「強さ故に孤立して生きる」
偏ればそのどちらかとなる。
実際の「子育て」はもっと難しいだろう、だからこそ親は「責任から逃げる事」は許されない。
「選択した責任」がある。
人間誰しも「未完成」故に「間違い」はある。
「間違うな」とは言わない。
だが親が選んだ行動で子どもは育つ。
子供の責任は「親」にある。
責任を放棄して「未熟な大人」に育てるのも「孤立した大人」に育てるのも「親」の責任だ。
「子供」に゙何かを求めるなら「責任」を取る必要があり、そのためには親自身の喜怒哀楽を「区切る」必要がある。
結果としてコレ以降の自身の小説では明確に「一次ステータス」と「二次ステータス」を区切り、「一次ステータス」を強みとした主人公にしていく事になる。




