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何か書きたい。  作者: 冬の老人
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自作小説の主人公その1

自作小説を書くにあたって二次創作を経由して、なろうのランキングにのるようなその時々の流行りを真似して見たものの結局「基礎ステータス重視」に落ち着く。


前回、「ゼロ魔SS」を書いた際にクロスオーバーさせた作品としてグローランサーシリーズを上げた。

グローランサーシリーズは「ドラマチックRPG」とオリジナルジャンルを掲げており、リアルタイムストラテジーというジャンル、シュミレーションRPGが比較的近いものらしい。


ドラマチックRPGというオリジナルジャンルに加えて「ドラマチックが止まらない」というキャッチコピーがあり、通常の雑魚戦は勿論、イベント戦闘もフィールドにいた場所、そこがそのまま戦闘時の初期配置となる。

加えて市街地戦などでは非戦闘員の住民を守りながら、ダンジョンでは様々なギミックを操作しながら、戦争時はコチラのレベルの倍近いレベルの強敵が現れたりする。

またドラマチックが止まらないの通りに状況が時間経過や条件を満たす事で変化していくため

「敵を殲滅せよ」→「強力な援軍が現れた」→「撤退せよ」

と変化していく。

かと思えば「巨大モンスターが現れた、共闘してモンスターを倒せ」などという変則的なミッションもある。

RPGとはいえ、単にレベルを上げるだけではゴリ押しは難しい、しかし、例え低レベル帯でも上手く立ち回る事で強敵相手にも十分戦える。

他のRPGでも低レベル縛りなどはプレイスタイルがあるがグローランサーはゴリ押しさせないが、かといって理不尽でもないバランスの作品だと思っている。


そうして知略が重要、と言うようなものを語っておきながらもやはりそこはRPG。

ゴリ押しは難しいがステータスが高ければかなり有利に動けるのは間違いない。

物理攻撃は攻撃後の硬直時間。

魔法には発動可能になるまでの詠唱の時間。

そうした物が存在するため敵を早く倒す事が出来ればそれだけイベント戦闘では特に非戦闘員の保護や作戦行動の遂行などが有利に゙なる。


そうした上でキャラクターは武器の種類で近接、中間、遠距離の3パターン。

そして近接キャラはさらに重歩兵タイプ、軽戦士タイプ、魔法使いタイプに分けられている。

主人公はシリーズ通して近接武器を扱うがさらに能力としては重歩兵並みの耐久力と攻撃力、軽戦士並みの攻撃の速度と機動力、魔法使い並みの豊富な魔法を使える万能タイプだ。


他のRPGでいうところの「勇者」的な立ち位置だがそうしたキャラの持つ「万能さ」は「器用貧乏」になりがちだ。

「勇者しか覚えないスキル」だとか、「勇者専用の装備」などがあるもののゲームのシステム的に2番手、3番手、あるいは消去法で、といった理由で入れるパターンになる場合が多い。

場合によっては主人公をパーティから外すという選択肢も゙ある。

だがグローランサーシリーズの主人公の「万能タイプ」という役割は戦略的に゙非常に重要であり、別の言い方をするなら「遊撃タイプ」が近い。

そうしたグローランサーの主人公だがそんな「高水準の万能タイプ」にするには条件がある。

それは物語最序盤で行われる「キャラメイク」である。


キャラメイクのシステムは昔からあるし、現代ではグラフィックの進化から見た目に凝る事も可能だ。

グローランサーは見た目は変えられないが

・初期ステータス

・レベルアップ時の各ステータスの成長率

・習得できる魔法、スキルの数

この3つを基本的にキャラメイクでは変えていく事になる。


グローランサーのキャラメイクだが単にキャラのステータスにポイントを振って終わり、というキャラメイクではなく、キャラメイクそのものがクエストとなっている。

・フィールドでのお使いクエストを兼ねたチュートリアル

・戦闘を兼ねたチュートリアル

・性格診断的なクイズ

ある意味でなろう系の異世界ファンタジーの序盤部分に非常に近いものがそのままチュートリアルとキャラメイクとなっている。


例えばフィールドチュートリアルのお使いクエスト。

冒険のための買い物、として「200ゴールド」渡される。

装備は「武器」「鎧」「アクセサリ」の3項目。

それぞれに対応した装備を町のショップで買い物して来なさい、というイベントがチュートリアルだ。

だが素直に買い物だけ済ませると「平凡」以下の主人公となる。

町にはキャラメイクのお使いクエスト時専用のミニイベントが発生しており

・困っている人の手助けをする

・子ども達の遊びに付き合う

・路地裏の分かりにくい場所にあるショップに入る

・買い物のために貰った小遣いから余ったお金を寄付する。

・留守にしている店から物を盗もうとする。

といった様々なイベントが発生しており、基本的にそれらのイベントを全て達成する事で主人公は強化されていく。

上記のものでは例外的に「留守の店から盗もうとする」だけは大幅に主人公のステータスを下げるのだが単にマイナスになるだけではなく、「盗む」という特殊なスキルを覚えたりもする。

こうした町でのクエストとは別にバトルのチュートリアルのクエストも存在する。


バトルは評価が3種類あり

全ての条件を達成し、一番評価の高いミッションコンプリート。

最低限の条件を満たしたミッションクリア。

ゲームオーバーにはならずにバトルは終わったものの作戦失敗や非戦闘員を死なせたなど、条件を達成出來なかったミッションフェイルド。

キャラメイクではコンプリートの条件は敵を倒せば良いだけというシンプルな条件が殆どだが戦い方にキャラメイクが反映される。

物理攻撃だけで倒せば物理面が強化される。

魔法だけで倒せば魔法が強化される。

と非常にシンプルなものだ。

しかしそもそもとして「敵を倒す」「敵に逃げられた」「敵に倒された」という戦闘結果によって変化する。


主人公はシリーズ通して近接タイプ、としたが大抵のチュートリアルでは同じ近接タイプの敵が相手でもコチラは剣、向こうは槍、とリーチに僅かな差があり、真正面から突っ込むとまず間違いなく先手を取られる。

そのため、真正面から突っ込む場合は運が悪ければダメージの乱数的に相手を倒し切る前にコチラが戦闘不能に陥る可能性もある。

一方で魔法にしても安全に遠距離から削ろうとすると今度は一定時間経過などの条件を満たす事で削り切る前に相手が逃げ出す。

キャラメイクに正解はないが、一番安定した倒し方は魔法で先手を取ってダメージを与えながらも物理攻撃で倒し切るという戦法だったりする。


こうしたフィールド、バトルのクエストをコンプリートする事自体は所詮チュートリアルなのでそこまで難しい話ではないが、問題はこれらに時間制限があるという事。

時間をかけていると「ダラダラしている」という評価のもと、戦略制のあるバトルで重要な機動力、「移動スピード」というものが下がったりする。

逆に言えば早くこなすと「キビキビ動いていた」と移動スピードが上がる場合もある。


グローランサーのゲームにおけるキャラメイクは最高のステータスの主人公をつくるために今でいうところの「リセマラ」をやっても1時間あれば何とか出来る類のものだが自分の小説というのはこれをかなり長い時間をかけて行っているようなものだ。

小説家に゙なろうでも数話書いてそのまま失踪、なんてのは昔からよくあるが何となく、気持ちが分かる。


特に自分は具体的にゲーム名をグローランサー、と上げているがこのグローランサーはスキルや魔法などが非常に少ない。

スキルや魔法の火力でどうこうするゲームではないためゲームとしてはそれで十分過ぎるのだが小説となるとそうもいかない。

やはり強くなれば強い技や魔法を習得するのは醍醐味の一つであるし、たとえそれが文字だけであったとしても見栄えもする。

しかし基礎ステータスを重視するなら習得する技も魔法も「基本的」なものばかりにならざるをえない。

そんなふうに自分に制限を課してしまう。


例えばであるが基礎ステータスを重視して基本的な魔法に縛られるというのは

・初級魔法→一般人でも使える魔法

・中級魔法→魔導士が使う魔法

・上級魔法→高等魔導士が使う強力な魔法

とこの辺までがギリギリのラインになるのだ。

これ以上の

・超級魔法→一流魔導士が過酷な修業の果てに習得出来る至高の魔法

・神級魔法→古の神々と契約を結ぶ事で超級魔法すら凌駕する魔法

・召喚魔法→異界に存在する強力な怪物を使役する魔法。

といった能力は妄想好きな自分はいくらでも設定を考える事は可能だ。

しかし、「ステータス重視」という強みを主人公に与えたばかりに特殊な力や設定を考えれば考えるほどに主人公には与える事はできなくなる虚しくなる。

強いて言えば「コレはメラゾーマではない、ただのメラだ」というどこぞの大魔王の如く「ランク下位でありながら上のランクに匹敵する火力」といったもので表現するのが関の山だ。


その結果としてモンスターとの融合、進化という身体の「土台」そのものを変える事により「人間の身体を捨てる」という条件のもと基本ステータス重視だけでは取得出來なかった「洗練された技術」に裏技的に到達する事に自分なりに納得させていたわけである。


とはいえ、この手の進化や変身はドラゴンボールのスーパーサイヤ人だとか仮面ライダーなど使い古されたものである。

しかしステータスやスキルによって作品によっては巨大なドラゴンなどと人間のまま渡り合う存在がいるファンタジー世界でどう理由をつけて進化するのか。

怪物と渡り合う人間を差し置いて種族を超越、進化するために主人公の強みとなる「基礎ステータス重視」という個性をどうやって活かすべきか。

それは野球ゲームの「実況パワフルプロ野球」からヒントを得た。

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