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ミーティングとフリーバッティング

野球部ミーティングは、部室だと全員が入らないため空き教室で行われた。


「これからミーティングを始める。一年生が加わったことにより、レギュラーメンバーが変わるので、最初はスタメンの発表、次に対戦高の情報共有だ」


浅野先輩は、ペンでスターティングメンバーとベンチメンバーの背番号と名前を白板に書き出す。


1番 投手ピッチャー 3年 浅野 美香

2番 捕手キャッチャー 3年 芝井 彩希

3番 一塁手ファースト 2年 神園 渚沙

4番 二塁手セカンド 3年 岩原 莉恵

5番 三塁手サード 3年 市森 夏美

6番 遊撃手ショート 2年 草野 晴菜

7番 左翼手レフト 2年 外狩 由利奈

8番 中堅手センター 1年 高橋 ヴィクトリア

9番 右翼手ライト 2年 片桐 由圭

10番 投手ピッチャー 2年 中野 華恋

11番 投手ピッチャー 1年 綺羅 星奈

12番 捕手キャッチャー1年 水瀬 麗菜

13番 投手ピッチャー 1年 七草 奈菜

14番 二塁手セカンド 1年 篠田 小夜香

15番 外野手 2年 荻野 瑠夏

16番 三塁手サード2年 森山 未緒


「おぉ!私、スタメンデース!」

「8番ってことは中堅手センターね、おめでとう」

「スタメンってすごい!おめでとう!」

「スタメンデビュー先越された……、高橋さんおめでとう」

「おめでとうございます」


皆が祝福しているなか、少し不服そうなさよちゃんがいた。


「ふむ。確かに篠田はスタメンでも文句がないが、打撃力も考慮すると岩原のほうが軍配が上がるな」

「分かりました。打撃力を付けてスタメンに入れるようにしたいと思います」

「さよちゃん、打撃練習ならフリーバッティングで私とレイちゃんが手伝うよ!」

「セイちゃんの練習にもなるしね、私も手伝うわ」

「ありがとう、二人共」


浅野先輩はレギュラーメンバーの隣に打順を白板に書き出す。


1番 三塁手サード 市森 夏美

2番 遊撃手ショート 草野 晴菜

3番 一塁手ファースト 神園 渚沙

4番 捕手キャッチャー 芝井 彩希

5番 中堅手センター 高橋 ヴィクトリア

6番 右翼手ライト 片桐 由圭

7番 左翼手レフト 外狩 由利奈

8番 二塁手セカンド 岩原 莉恵

9番 投手ピッチャー 浅野 美香


打順を書き終えたところで、皆が驚ていた。

まだ入学して3日、これから部活紹介もあり部員が増える可能性がある。

そんな時期にスタメンとして選ばれたにも関わらず、上位打者でもクリーンナップに任されることはそうそうないだろう。


「懐かしいなこの空気」

「そうね、私たちが1年で夏大のメンバー選抜の時ね」


一年生に囲まれた高橋さんは嬉しそうに話をしていた。


「スタメンと打順の発表は終わった。次は明日の対戦校について話をする」


ある程度落ち着いたところで、浅野先輩が次の話をする。


「地区大会の1,2回戦は勝てたが、次から手ごわい相手になるだろう。 明日の対戦校は清雅せいが大学付属高等学校だ」

「清雅は去年の秋大では地区大会を突破して県大会に出場して一回戦突破しているわ。強豪じゃなくても油断はできない」


星彩女子高等学校は、静岡県の中部にある学校だ。

春、秋の静岡県大会へ行くには、西部、中部、東部のそれぞれの地区でトーナメントを行い、2回戦を突破すればいい。

それ以降は、県大会のシード権争いだ。

私たちの高校はすでに県大会への参加資格がある。


挿絵(By みてみん)


「清雅の注目選手だが、3年生エースの松下と遊撃手の原口だな。 松下選手はシュートやカットボールといった横に変化する球をよく使い打者を揺さぶる投手だ」

「原口選手は足が武器で、出塁されると厄介だわ。 そこは私と美香が打ち取るから、2,3年は原口選手に対応できるようにね」

「一年生投手は状況によって起用するかも知れないから、ベンチでも肩の準備だけはしといてくれ」

「「「はい!」」」

「今日はもう解散だ。明日までに身体を休めるようにっ! 」

「「「はい!」」」


ミーティングが終わり、それぞれ帰り支度をしている。

入学初日組は、更衣室に行き練習着から制服へと着替えている。


「ねぇレイちゃん」

「ん、なに?」

「この後、どこに行く?早めに練習が終わったから家帰っても暇だし」

「羽目を外さない程度なら、どこでもいいよ」

「綺羅さん、水瀬さん私も一緒にいい?」

「いいよ、さよちゃん! フリバする?」

「フリーバッティングをやるの?どこか娯楽施設に行くのではなく?」

「バッセンやカラオケとかもいいけど、最初に思い浮かんだのがフリバだったから」

「私は嬉しいけど、ほどほどにお願いするね」

「おぉ!セイちん、サヨちんにレイちん、何だか楽しそうなことしそうデスね!私も混ぜて欲しいデス!」

「リアちゃんも一緒にフリバしよっ!」

「リアちゃん……!! いい響きデス。すっごく嬉しいデス!」

「これで4人だね」

「ナナちんもヤリませんか?」

「嫌よ。 浅野先輩が言ってたじゃん、身体を休むようにと」

「ギャルのくせにケチ」

「ギャル関係ないしっ! 勝手にやって体調不良になったら困るっしょ! と・く・にヴィクトリアはスタメンでしょ、大人しく帰りなさい!」

「まぁまぁ、普段より軽めにすればいいじゃない?」

「水瀬は甘いから、あのきらきら星が暴走するじゃない。ちゃんと手綱を握ってほしいし!」


結局、5人は一緒に行動して広めの公園に向かう。








このご時世に外で遊ぶ子供が少なく、周りに人影がなく5人だけの空間が出来上がっていた。

遊具なども撤去されているので、スポーツがやりやすい環境になっている。


私たちは公園に落ちてる棒を拾い、ホームベース、バッターボックス、ピッチャープレートを描いて、レイちゃんがホームベースの後ろにミットを構えると、私はピッチャープレートの方に向かう。

そして、レイちゃんとキャッチボールして肩を温める。


「とりあえず、これでいいかな。 一応、さよちゃんの打撃練習も含まれてるので、最初はさよちゃんが打者ね」

「うん」」


さよちゃんは右のバッターボックスに入り、バットを構える。


「いくよ、さよちゃん」

「きて」


『アウトローにストレートね』


レイちゃんのサイン通りに軽くストレートをアウトコースのアウトローに投げる。

さよちゃんは初球を見送った。


実践形式のフリーバッティング。

しかも、お互い初めての勝負。


『同じところにツーシームね』


私はレイちゃんのサインに首を縦に振る。

その後、ツーシームを投げる。

球が途中で右方向に少し変化して空振りを誘う。

さよちゃんはそれも見送った。


「いい球来てるよ!」

『次はストレートにインハイね』


サインに首を縦に振り、インコースの上を意識してストレートを投げる。


「っ!?」


狙うミットの少し左に寄ったが、ボールはバットに掠ってストライクを取る。


「は、速い」


球速は女子の平均より上回っており、体感で凡そ120キロを超えていたと思う。


「セイちん、いい球投げマスね」

「そうね、今の球速私のマックスより速いじゃない……」

「早くセイちんの球を打ちたいデスっ!」


ヴィクトリアさんは、今か今かと体が疼くためバットを持って素振りし始める。


「ちょっと、あなたは外野手なんだから、飛んできた打球を拾うと思わないの?」

「あんな投球が見られるなら、ワタシはここで見ていたいデス」

「……。 仕方ない、ウチは飛んできた打球を拾いますか……」


七草さんは二塁手と遊撃手の間、ツーベースのところに足を運ぶ。


「ありがとう。七草さん」

「ふん。感謝するならここまで飛ばすことね」

「うん。次は飛ばすっ! さぁ来いっ!」

「いいねっ!やる気がビンビン伝わるよっ!いくよレイちゃん!」

「二人で打ち取ろう!」

「うん」


それから、ストレートとツーシームのみで攻めていく。

レイちゃんがさよちゃんを観察して苦手そうなコースにミットをどんどんと構えるので、ファールボールが増えていく。

それでもさよちゃんは食いついてく。

30球投げたところでフリーバッティングを終わらせる。

ヴィクトリアさんは不満そうにしてたが、今度勝負しようと約束したので、渋々諦めてくれた。


「セイちゃん、ストレッチするよ」

「うん」


結構投げたため、レイちゃんに身体を委ねてストレッチを行う。


「……すぅ……はぁはぁ。 セイちゃんの練習後の汗の匂い」

「ちょっと擽ったいよぉっ」

「この二の腕がいいのぉ……。柔らかいにも関わらず力を入れるだけ鍛えられた筋肉が伝わっていくぅ~♪」

「うへぇ……っ、あんた達そういう関係なの?」


レイちゃんはいつも喜んでストレッチをしてくれるので、助かっているがその現場を見た七草はドン引きしていた。

ストレッチが終わり、皆も軽く運動をしたので小腹がすいたということで、5人で商店街へ行きスイーツの食べ歩きをした。

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