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忘却の天使  作者: 天野うさぎ
3/8

きみとなら

僕は僕を非難する声を聞きたくなくて、


我武者羅に走った。


廊下の突き当たりまで来てしまったようだ。


丸いテラスのような場所に、本や椅子が置いてあ


る。


誰もいないと思った瞬間、視線の隅に少女がい


た。


僕をちらりとも見ずに椅子に腰掛け本を読んでい


る。


何故かこの少女が強く気になった。


この子となら、仲良くなれるかも。


友達にも…!


そう思うよりも早く、体が、口が動いた。


「あ、あの!」


少女は僕の声に気づくと、静かに僕を見た。


「何?」


しまった。声を掛けたは良いが、何を言えばいい


のか分からない。


「えっと、」


「用がないなら話しかけないで。気持ち悪い。」


僕が口を開いたと同時に、彼女は怪訝な顔をして


言った。そして、去っていった。


僕はぽかんと彼女の背中を見つめるほかなかっ


た。


でも、根拠はないけれど、何故かとてもあの子が


気になった。


雪のように白い肌も、僕を睨んだ茶色の瞳も


透き通るような声も動作もその全てが、


僕の興味を掻き立て、掻き混ぜた。

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