9.四者面談
少しだけ話進みましたー。戦闘シーン早く書きたいです。
基本知識入れつつ話すすめていきたいとおもうのでよろしくお願いします。
今、俺は馬車の中にいるのだが、二人の美少女たちの太ももベッドで横になっている。
どんな状況だよと思われるが、事の発端は馬車に乗る前に起こった。
「エミリー様、ミリア様。言い忘れてましたが、この馬車はとても揺れます。お二人は問題ないのですがオムニ様はまだ小さいです。どちらでもよいので、オムニ様がけがをしないように膝の上にのせて支えてくださいませんか?」
このシャルマンの言葉をきっかけに二人はどちらが俺を膝の上に乗せるかで話し合いを始めてしまった。
「私が膝に乗せるの!私の子供なんだから当然でしょ!オムちゃんだって喜ぶはずだわ。」
「前から言っていますが、いつオムニ様はあなたの子供になったのでしょう?それにオムニ様だってあなたの鍛えあげられた膝の上に乗るなど嫌だと思いますが?」
「なんですって?あなたは逆に脂肪のつきすぎよ!もっと痩せることね!」
しょうがない。このまま長引けば理事長との面談に遅れてしまう。初日から遅れるだけは、避けたい!
でも二人の機嫌は損ねたくない。
こうして悩んだ末に導き出した答えが、二人の太ももの上で横になるという選択だったわけだ。
二人は、俺を太ももの上にのせられてうれしいのだろう。とてもご満悦だ。
普通は、男のほうが喜ぶと思うのだが。まあ、感想を言えば、ふたりともいい匂いがして柔らかくて素晴らしかったとは言っておこう。
俺が太ももベッドを楽しんでるうちにどうやら学園に着いたらしい。シャルマンが馬車を学園内に入れて駐車をしてくれた。
「着きましたよ。ここがクリムゾン育成学園です。今日の予定としましては、理事長面談と学内の見学です。
私も付き添いたいところですが、まだ別の業務が残っているので失礼いたします。エミリー様とミリア様、オムニ様のことは頼みましたよ。
終わり次第、私が馬車で迎えに来ますので思う存分楽しんできてください。」
どうやらシャルマンは、他にもやらなければいけない業務が滞っているらしい。
全員が馬車を降りることを確認すると急いだ様子で城に帰っていった。
まるで前世の某ブラック企業の社員を見ているようだった。
行ってしまった...。この二人が喧嘩を始めたら不安ではあるが仕方ない。
俺一人ではまだ何もできない。
この世界の知識、肉体的にもできることは限られている。
付き添いがいるだけありがたいと思うしかないな。
俺は二人に連れられて理事長室に向かう。
城と比べると大きさは劣るもののなかなかの広さだ。
学園というだけのことはある。
校舎に加えてプールや体育館らしきもの、グラウンド、手入れのされた庭など屋外施設も充実しているようだ。
学園の生徒も見た限りではかなり多く、活気があふれている。
種族も様々で人に近い者から見たことない外見をしているものもまで様々だ。
すごい..。まさに異世界!非日常な光景だ。
ん?生徒たちがなぜか俺のことを見ている気がする。これは転校生に集まる注目みたいなものなのだろうか?
それとも二人の美少女を引き連れているからとでもいうのだろうか。
それにしても視線が痛すぎる。
例えるなら転校生が初日に目立つことで注目されることに近いものを覚える。
前世の俺はよく転校してたっけ..。
転校初日って緊張するものだよな。いつになってもなれない。
まあ、気にしてもしょうがない、まずは理事長に挨拶だ。
面談の時間は刻刻と近づいてきている、理事長室に向かわなければ。
理事長の部屋は一階の職員室の隣にあった。
入口からすぐのところにあったため、迷わずに到着することができた。
客人からしたらありがたい配慮である。
部屋に入るときはノックして挨拶するのが礼儀だが、俺はまだ言葉を話すことができないため、代わりに二人にやってもらうことになっている。
そのための付き添いでもあるからな。今回はエミリーが代理を務めてくれるらしい。
ミリアは何をするかわからないから、エミリーの方が安心だろう。
エミリーは慣れた動作でノックをして俺たちを誘導してくれる。
「失礼します。ラキュース理事長、オムニ様を連れてきました。」
部屋にはいるとそこには理事長と呼ぶには若いエルフがいた。
彼は一瞬、動揺しているように見えたが何もなかったかのようにそのまま挨拶を交わした。
「待っていたよ。オムニ君。私がこの学園の理事長を務めるラキュースだ。よろしく。今日は聞いていると思うけど、私と面談を今からすることになっている。まあ、いったん席に着こうか。」
俺は、二人に挟まれながら、理事長と向かい合う。
ラキュースは、柔らかな口調で俺に話しかける。
「オムニ君。君、思ったより、小さ..若いんだね...。お話はできるのかな?」
完全に動揺している。
そうか、さっきの生徒たちの視線は俺がまだ赤ん坊だからということだったのか。
今思えば、結構恥ずかしい。
おまけに理事長もどうしたらよいかわからない様子。
仕方ないがまだ話せないのは事実。というわけで代理の二人頼んだぞ!
だが少し想定外なことが起こった。ミリアは立ち上がり何をするのかと思いきや、溢れ出る殺気を理事長に向けていた。
ミリアは顔を赤くして声を荒げる。
「お前、オムちゃんをなめているのか?なめているなら私が血祭りにして..んんぐぐ」
エミリーがミリアの体を押さえつける。
ミリアは体を押さえつけられたこともあってか落ち着きをとり戻したようだ。
エミリーはそれを見て問題ないと判断し、話を続ける。
「すいません。この子のことは気にしないでください!私が代わりに話すので問題ないです。オムニ様は話は理解できるようなので。」
ラキュースは何か思うことがあった様子だが、渋々と同意する。
「分かりました...。それなら問題ありません。よろしくお願いします。」
危なかった。エミリーがミリアを止めるのが少しでも遅れていたら、今頃理事長は本当に血祭りになっていただろう。
ラキュースの喉元まで手刀が達しそうになっていたのだ。
あまりにも動きが速すぎて理事長は気づいていなかったのが不幸中の幸いだった。たぶん..。
気のせいかラキュースの顔色が悪くなっている気がするが気にしない方がいいだろう。
ミリアは、沸点が低く爆発すると恐ろしいことがあらためてよく分かった。
彼女は怒ったら手を付けられないタイプだ。気を付けないと。
そうしたトラブルはあったが、ようやく理事長面談が始まる。
四者面談といったところか。
ラキュースは、淡々と本題に入る。
「では、面談を始めます。いくつか質問しますがよろしいでしょうか?」
そこから面談というには一方的な怒涛の質問攻めをされた。
聞かれたこととしては、この世界の原理、魔法とはなにか?ステータスについて?レベルとは?種族について、固有スキルや特殊スキルなど様々。
何それおいしいの?
そんなの一度も教えてもらってないよ!?どういうこと?
学ぼうにも数ヶ月引きこもりだったわけで、会議室で聞いた秘密事項であるこの国の魔王事情や城に関しての身の回りのことしか俺は知らないのだ。
俺が何もわからなくて焦っているとエミリーが淡々と質問に答えてくれる。さすがだぜ代理人!
「まだそのことについては教えていません。この世界についてはまだオムニ様は知らないのです。そこで私たちは、この学園で基本知識を学んでいただきたく、入学をさせようと考えています。」
ラキュースは納得したように話を進める。
赤子が知るはずもない。そんなかんじだろうか。
「なるほど。そうしましたらまずは自分の力量を確かめるところから始めましょう。力量を図る際は鑑定系の魔法を用いるか鑑定用のアイテムを使用するかの二択になります。鑑定魔法は術者により精度が異なるため、今回はアイテムを使用しましょうか。」
ラキュースはどこからか水晶を持ってくる。
色は透明で占い師がよく使っていそうな水晶である。
「見た目は普通の水晶ですが、この水晶は魔力に反応します。注入した魔力の量や質に応じて色も変わり、レベルによって色分けされるのです。
低い者から順に茶、銀、黄、水色、青、紫、赤となります。平均は黄色で軍の兵士は水色、あたりが多いですかね。軍の将軍や指揮官レベルになりますと、青や紫となります。
割合としては全体の1%程度でしょうか?中でも赤色に関しては、私も目にしたことがないのですが噂では幹部クラス以上の実力を持った者のみが赤色になるらしいです。まあそんなレベルなどいないと言ってもいいでしょう。」
理事長、その幹部とやらここにいるんですけどね...。それを知ったらどうなることやら。
「せっかくだからオムニ君以外のお二方、試してみますか?オムニ君もどんなものか一回見てもらった方がイメージもつきやすいでしょう。」
いや、まずいだろう。俺だけはまだしもこの二人にヤらせるのは良くない気がする。しかし俺は、嫌な予感がするがやめた方がいいとは言えない。
俺は、まだ言葉が話せないからな。それに二人はやる気満々だ、もう止められないだろう。
理事長、後悔してもしらないよ。
「やりましょう。それにしても魔力測定なんて久しぶりですわ。」
「仕方ないなー。オムちゃんのためなら乗る気じゃなかったけどやってあげる!」
二人はラキュースからそれぞれ水晶をうけとり、魔力を込める。二人から放たれる魔力はそれぞれ色が違うが、どちらも力強かった。
エミリーはまるで吸い込まれそうな闇をまとっているような漆黒のようなイメージだ。
ミリアは、それに対してとにかく赤かった。まるで魔力自体が燃え上がっているイメージ。
それを見ていたラキュースは、あまりにも信じられない光景に口が開いたままだった。魔力の量と質ともに見たことがなく、色というものが存在している。
通常、魔力は目で見える者ではない。鑑定魔法を使っていない限り、魔力を目でとらえることはできないというのが一般常識だ。
魔力は見るものではなく、感じるものという言葉があるくらいだから。しかし、どうだ。目の前の二人は魔力が見えるほど強力で洗練され、まるで魔力が意思を持って動いているようだ。
次第に魔力は膨れ上がり、周辺の大気が揺れる。とうとう魔力に耐えられなくなった2つの水晶は色を変え始めた。いや、燃え始めたと言っていいだろう。まるで大地を照らすような真っ赤な太陽のように。




