4.目が覚めたら
主人公が目覚めた後のお話です。
行き当たりばったりで書いてるのでこれからどうなるか自分もわかりません。
応援よろしくお願いします!
「...さ..ま」
「ま...さ..ま」
「魔王様!!」
誰かの声が聞こえる...。それもだんだんと近づいてくる。
人の声で起きるなんて久しぶりだ。なんせ俺はアパートに一人暮らし。
物音で起きることはあっても誰かに声をかけられて起こされることなんてないのだ。
しかし、なぜ人の声が聞こえるんだ。人の声が通るほど壁は薄くはないはずなんだが。それにしてもよく寝た!久しぶりの快眠だったぜ。そろそろ起きるか。
ん?目を開けると思っていた光景とは違う。変な夢でも見ていたと思っていたが、どうやらこれは信じられないが現実らしい。寝る前と同じ光景だった。
つまり、会社で死んだ?ということも本当だということになる。
ということはもしや...。周りを見渡すとなぜか手鏡が落ちていた。
寝る前と比べて目がよく見える。
ちょうどいい確認してみるか。
俺は、自分の状況を確認してみる。
信じられない..。いや、信じたくない。顔は微妙だったが身長や体格だけはよかった俺だが、いつも見慣れているサイズ感ではなかった。しかも俺はなぜか服を着ていない未装備状態。それに加えて何もかも小さすぎる。体格も俺のムスコも...。
それもそのはずだ、鏡に映っているのは天使のようなベイビーだったのだ。
なぜ、こうなった!俺が転生したいとか言ったから!?だが成長すれば間違いなく女の子にちやほやされるだろう。
今だってこんなにかわいいんだ。これだけは感謝すべきなのだろうか?これだけは..。
だが動揺する暇は与えられなあった。
誰かが部屋に向かって来ているみたいだ。
声のする方向を見ると見たことない頑丈な扉がついていた。
(普通こんな扉付けるか?てか、こんなもん漫画とかアニメの世界だろ!)
一人ツッコミをしているうちにいつの間にか誰かが扉の前に立っている。
(いつの間に!落ち着け俺!まだ考える時間はある!あんな頑丈な扉、そう簡単には入ってこれないだろう)
しかし、予想は簡単に裏切られた。
なんと扉ごと大きな衝撃が加えられることで吹っ飛んだのだ。
あまりの衝撃にあたりは煙が立ち込める。
煙に囲まれる中、目を凝らすと人影が見えた。
俺は誰だかわからないがこの世界にも人がいることに安堵した。
同じ人なら分かり合えるものがあると思ったからだ。
しかし、俺は考えが甘かった。
煙が晴れることでその人の姿があらわになったのだが明らかに人ではなかったのである。
尻尾が生えているのだ。コスプレかと思ったが、そうではない。
あまりにも自然に動いている。尻尾だけではない。
明らかに高身長で2メートル以上あるだろうか。頭には角が2本生えている。
そいつは、俺に気がつくと話しかけてくる。
「魔王様!もう朝です。皆も待っています。召喚魔術の件どうなりましたか?」
いきなり話しかけられたことで俺は思考が停止する。
何のことだ。魔王とかなんかと聞こえたが気のせいだろうか。
だがしばらくして向こうも異変に気付いたらしい。明らかに動揺している。
こういった場合どうすればいいのか。
誰かと勘違いされて話しかけられる。
ここまでは前世で経験済みだが、勘違いされたうえで話が進むなど誰が経験したことがあろうか。
それに今回は人ではない。
何を話せばいいかわからず悩んでいると尻尾が生えた悪魔のような外見をしたやつは、俺に続けて質問する。
「魔王様....なのか?」
間違いない。この悪魔は、魔王と言った。つまり俺は転生したらしい。
まったく、異世界転生するんなら勇者側だと思っていたんだが。魔王側ということもあるんだな。
ということは、ここは魔界ってことになるのか。
ここで嘘をついたらどうなるだろう。相手は悪魔だ。下手をすれば疑われて、拷問コースになりそうだ。ここは、正直に言うのが正しいだろう。
「たたや、うあーよよあ、ゆーああいうあ。うああいいぁぁいああああいぃうあお。」
これで相手の反応を見るか。
すると、悪魔は悟ったかのように話し始める。
「そうだよな。何を聞いているんだ私は。赤子が言葉を話すことができるはずがなかろう。とりあえず魔王様がどこにいったのかは分からないが、このままだと赤子は力尽きてしまうだろう。私が保護しなければ。
あーー、魔王様どこに行ったのですか...。とりあえず捜索は続けるとしてこのことは議会に報告して今後のことを検討していかなければ。しかし幹部の奴らこれを聞いたら、どんな反応をするのやら。」
そうだった、ベイビーの言葉が通じるはずがない。
向こうの言葉は理解できるのか。不思議なもんだ。
これから俺はどうなるのだろうか。
とりあえず転生直後に死ぬとかいうパターンはどうやら回避できたようだ。
だが、安心したのもつかの間で悪魔がおれに近づいてくる。
抵抗しようとするが赤子の力などたかが知れている。
悪魔は難なく俺を持ち上げた。
(やばい!やっぱりこいつは俺を!)
俺は最悪の事態を考えて覚悟を決めた。
抵抗する手段がないのだからどうしようもない。
悪魔は抵抗できない俺を優しく抱えながら何かつぶやいた。
すると全身の力が抜け、強烈な眠気とともに俺は意識を失った。




