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魔王の後継者候補ってマジですか!?  作者: けーちゃん
第2章 クリムゾン育成学園
18/23

18.保健室

お待たせしました。

少しずつ書いているので投稿が遅れるときはありますがさぼっているわけではないのでご理解ください。

よろしければブックマーク、評価の方よろしくお願いします。

 なんだ、周りが暗くて何も見えない。

 どうなっているんだ一体...。

(なかなか無茶をしたねオムニ君。)

 誰だ...。

 誰かが囁いている。

 どこかで聞いたことある声だ。

 (僕がなんとか気絶させていたけどあのままだったら魔力暴走でみんなを巻き込むところだったよ。)

気絶させた?魔力暴走?

 何を一体何を言っているんだ...。

 お前は誰だ?

 (そうか、そういえば初めましてだっけ?僕の名前は、バリスタ。君を召喚した魔王だ。)

 お前が召喚した魔王だって?

 そんなの信じられない。

 今まで全く音沙汰なしだったのに。

 隠れてないで姿を現せよ!

 (そうしたいこともやまやまなんだけどできないんだよね~。あいにく僕の肉体は消滅してしまっているのさ。)

 肉体が消滅って...。

 じゃあお前は死んでいるのか?

 (ちょっと違うかな。消滅はしているけど死んではいないよ。ほら、現に君に話しかけているじゃないか。)

 なんだよそれ。

 肉体がないってことはもう死んでるってことじゃん。

 召喚した主が死んでいるなど考えたくもなかったよ。

 (まあ心配しなくていいよ。そのうち会えるさ。僕は近くで君の事をいつまでも見守っているよ。)

 そのうち会えるってどういうことだよ!

 いきなり召喚しといてあんまりじゃないか。

 (大丈夫。だって僕は君の...)

おい、声が途切れているぞ。どうしたんだよ?

 (やれやれ、どうやら時間のようだ。愛しの少女たちがお迎えだよ。)

 待ってくれ、まだ聞きたいことが..。

 なんだ、眩しい...。

 オムニは、声のする方へ近づこうとした途端、強烈な陽光に包まれて視界が奪われた。


 「オムちゃん起きて!」

 「オムニ様起きてください!」


 ん?夢か...。

 どうやら二人に起こされて目が覚めたらしい。

 それにしても奇妙な夢だったな。

 でもなんで気を失っていたんだ?

 なんか両腕が重いな..。体もそわそわする。

 気になって両腕を確認するとそこには二人が添い寝していた。

 長時間添い寝していたのだろうか。

 両腕がしびれている。

 振りほどこうとしたが二人とも力が強いのかほどけない。

 二人とも腕にしがみついた状態だ。

 なんでお前たちが...。と聞きたいところだが他にも聞きたいことは山積みだった。

 俺はベッドで横たわっていたこの状況。いったい何が。


 「ここはどこ?それになんで俺は気を失っていたんだ?」


ミリアは驚いた様子で答える。


 「覚えてないの?オムちゃんはフロストとかいうやつと戦って自分の魔法を使った後、気絶しちゃったのよ。それで保健室に運ばれてきたわけ。」

 

 そうだった。

 魔法を使ってからの記憶は曖昧だが決闘をしていたのは覚えている。

 そこから気絶して保健室に運ばれてきたわけか。

 そういえば、フロストはどうなったんだ。

 怪我でもしていたら大変だ。


 「フロストは無事なの?」


俺が聞くとエミリーは聞かれることが分かっていたかのように報告をする。


 「安心してください。彼も大したけがはなくすでに授業に復帰しました。オムニ様は、魔法の反動で怪我を負ったため、今日は無理をしないよう早退することになりましたので明日から授業参加です。」

 

 よかった。フロストは無事のようだ。

 初日で誰か怪我でもさせたらどうなっていたのだろうか。

 まあ、けがをしたのが俺だけでよかったよ。


 「俺ってけがしているのかな?全然痛くないけど。」

 「それなら保健室の先生が治してくれたよ!感謝しないとね。」

 


 この学園では先生がけがを治すことができるのか。

 やはり魔法か何かなのかな?


 「私の治療魔法すごいでしょう?」


 奥の部屋から聞こえてくる二人とは違う声。

 鼓膜を優しく包んでくれるような癒しボイスをしている。

 コツコツとハイヒールの音をならして現れたのは美女。

 外見は真っ白な翼と頭の上に輪っかが浮いているのが特徴的。

 スタイルはボンキュッボン。

 出るとこはでて、しまるところはしまっている。

 そこにいたのはまさに白衣の天使だった。


 「あなたが保健室の先生ですか?」

 「そうですよ~。私の名はイリスと言います。あなた、変な事想像してたでしょ。美少年が台無しよ~。」

 「先生が美しすぎるものですから。あははは。」


 これは、テンション上がる!

 この世界来てから見た目が若い女の子ばっかりだった。

 もはや、若すぎて少女というレベル。

 やっぱり大人の女性は魅力が違うよな!

 なんだ?殺気を感じる...。

 そこには表情は違えど、どちらも嫉妬をしている少女たちがいた。

 ミリアは涙目、エミリーは引きつった笑顔をしている。


 「私だってほめられたことないのに!なんでイリス...先生なんか。」

 「オムニ様、ハレンチです。」


 この場合どうすればいいのか。

 とりあえず褒めてみようか。


 「もちろん二人だって可愛いよ!みんな違ってみんないいからね!」

 「ほんとに!?」

 「言われると恥ずかしいものですね。」


 丸く収まったか。

 やっぱり褒められると誰でもうれしいんだな。

 だが、女の子はそんな単純ではない。


 「じゃあ、私の好きなところ10個言って!!」

 「私も知りたいです!」


 え...。困ったぞ。

 10個も好きなところ言うなんてなかなか至難の業だ。

 まだ一緒に過ごしてあまり経っていないってのに。

 悩んでいると、二人は早く聞きたいのか催促をしてくる。


 「早く!」

 

 落ち着け俺。

 とりあえずこの場をしのげばいいんだ。

 

 「あの~。いちゃいちゃしているところごめんね。私これから用事があるので保健室閉めちゃいますよ~。」

 そんなとき動揺していたオムニに助けの手が差し伸べられた。


 「いいところだったのに~!」

 「本当に残念です。」


 二人は、聞きたがっていたが後で聞こうとあきらめてくれた。

 ナイス!イリス先生!

 助かった...。

 見た目だけでなく心も天使なんて。

 色々助けてくれたから感謝して、帰ろう。


 「今日はありがとうございました。またけがをしたらよろしくお願いしますね。」

 「お大事に~。あ、オムニ君ちょっとまって!」

 「なんですか?」

 イリスが近くまで来るように手招きしている。

 何だろう。なんか言い忘れたのか。

 チュッ

 気が付くと額に柔らかい唇が当たっていた。


 「え!?な...なんですかいきなり!」

 「えへへ、おまじない。」

 おまじないって..。

 キスすると発動する魔法なんてあるのだろうか。

 それとも俺が好きとか?

 いや、ないな。さっき会った人にそんな感情芽生えるはずはない。

 案外この人、悪魔なのかもしれない。

 二人にばれていたらどうなっていたことか。

 幸い二人は気づいていない。

 ここは何もなかったかの如く自然に退散するとしよう。


 「おまじないありがとうございます。またけがをしたときお願いしますね。」

 「オムニ君お大事にね。いつでも待ってるよ。」


 オムニが去ったあと、保健室にはイリスが残っていた。

 オムニがいた時と比べて少し気が抜けているようだ。


 「オムニ様、なんて素敵な方なのかしら。エミリーとミリアがくっついているのも理解できるわ。私も見栄を張ってしまったじゃない。普段この姿なんかならないのに。」

 

 イリスの体が煙で包まれる。

 煙が晴れるとそこには天使はいなかった。

 いたのは堕天使。白かった翼は漆黒のごとく黒くなり、とても力強い。

 頭の輪っかはどこかに消えてしまった。

 イリスは天使と堕天使を使い分けることができる。

 切り替えは自由自在で姿によって使用できる魔法やスキルも変わってくる。


 「オムニ様はいずれ魔王になるお方。あの二人に先を越されるわけにはいかないわ。」


 さきほどミリアとエミリーが嫉妬したのは言うまでもない。

 そう、イリスもクリムゾン王国幹部の一人。

 幹部ということはエミリーとミリアの顔見知りということになる。

 同じ幹部として、オムニ様の婚約者のライバルとして負けるわけにはいかないのだ。

 現魔王バリスタに関しても婚約者争いが行われていたが、今は行方不明。

 バリスタも婚約する意思はなかったため、王国の女性は残念がっていたのである。

 しかし、今は魔王後継者としてオムニが存在している。

 まだ魔王ではないが婚約者候補という位置付けは得ることができる。

 だが魔王後継者候補がいるという事実は一部の者しか知らされていない。

 よって婚約のライバルが少ないうちに早めに手を打とうと動き出している者がいるというわけだ。

 そこでイリスは、学園に教師として潜入したわけだが不覚だった。

 すでにミリアとエミリーが手を打ち始めていたのである。

 「まさか、二人が同級生としてオムニ様の近くにいるなんてね....。いくら見た目が少女だからって生徒になるなんて卑怯じゃない。エミリーは分からないけどミリアは完全にメロメロ状態ね。オムちゃんって呼んでるしどこまで仲がいいのかしら。でもオムニ様自体はまだ完全には好意を寄せていないみたいね...。私も頑張らないと。」

 

 イリスは今後の計画を立てる。

 オムニの婚約者候補になるために。


 


 

 

 



 

 

 

 



 

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