15.自己紹介
少しずつですが頑張ります。
次回ようやく戦闘シーンです。
このクラスは、学園内で最底辺のクラスである。
クラスはABCDEと五つのクラスに分かれており、オムニたちのクラスはEクラスに位置する。
クラス分けは、魔力量の他に一般常識や生活態度も評価対象となるのだがあまりにも精神状態や生活態度など様々な問題があると魔力量関係なくEクラスに配属される。
オムニは魔力が0と鑑定されてEクラスに配属されたのだった。
それにしても危なかった。
初めにライアンとかいうやつに襲われて、なんとかエンペラー先生のおかげで丸く収まったものの止めてくれなかったら今頃どうなっていたのだろうか。
とりあえずライアンは、要注意人物だということは分かった。
他の生徒もどんなやつかはわからないが油断はできないな。
ここは、問題児の集まりらしいし。
エンペラーがクラスの生徒たちに呼びかける。
「お前ら、席につけ。急なんだが今日から俺たちのクラスに新しく三人、仲間が入ることになった。困っているのを見かけたら声をかけてやれ。同じクラスの仲間なんだからな。じゃー早速だが、自己紹介してもらおうか。順番は任せる。」
「やっぱり最初はオムちゃんからでしょ!」
「オムニ様お先にどうぞ。」
「わかったよ。まあ、言い出したのは俺だから仕方ないか。」
話し合いの結果オムニ、ミリア、エミリーの順となった。
俺がトップバッターか。何を話そう。
人前で自己紹介なんていつぶりだろう。
おそらく前世でいったら最後に挨拶したのは、新入社員として会社に入社したときくらいか。
この世界に来てから少ししか経っていないから自分の事なんてよくわからないし、とりあえずありきたりな自己紹介でもしとこう。
「今日から皆さんと同じクラスになりましたオムニです。一日でも早くこの学園に慣れて、皆さんと仲良くやっていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。」
パチパチパチパチパチパチ。ドンドンドン。
これは一応歓迎をしてくれているということでいいのだろうか。
拍手をしてくれている者もいれば魔法を放って音を出していたりする者と様々だな。
まあ、とりあえず第一関門突破みたいだ。
次はミリアとエミリーか。
どんな自己紹介をするのかな。
「ミリアよ。よろしく。」
「エミリーです。よろしくお願いします。」
え?終わり?
そんなの自己紹介っていうのかよ。
俺のほうが話しているじゃないか!
「よろしく!ミリアちゃん!エミリーちゃん!」
「どこから来たのー?」
「二人ともかわいいー!!」
「彼氏はいるのー?」
「一目惚れしました!付き合ってくれー!」
おいおい、めっちゃ人気じゃねぇか。
俺のほうが話しているのにこんなに差があるなんて、やっぱりかわいいは正義なんだな。
改めて身に染みたよ。
「よし、授業までまだ少し時間があるから質問タイムといこうか。お前らせっかくだから何か聞きたいことあったら何でも質問してみろ。」
これで終わりだと思ったら、まだあるのか。
案外、エンペラー先生も楽しんでいるんだな。
質問か、めんどくさいこと聞かれないといいけどな。
早速一人の女子生徒が手を挙げたようだ。どんな質問が来ることやら。
「ミリアちゃんとエミリーちゃんに質問です!好きな人はいますか。」
いきなり、聞くじゃないかこの人。
やっぱりこのくらいの年頃だと恋バナとかけっこうするのだろうか。
二人はなんて答えるのだろう。
二人して顔を赤らめているのがとてもかわいい。
「私はオムちゃんが大好きです!!一生そばにいるって決めてるの!」
「私もオムニ様が狂うほど大好きです。オムニ様なしでは生きていけません。」
「キャー!!」
すごい盛り上がりようだ。
それにしても愛が重すぎるんだよな。
言われている方も恥ずかしくなってくる。
美少女二人に愛されるのはいいんだけど俺はそれにどうこたえていいかいまだにわからない。
ん?なんかすごい冷たい視線を感じるんだけど...。
あ..。これはまずい。
女子生徒はキャーキャー言ってて盛り上がっているけど男子生徒たちには嫉妬みたいなものを買ってしまったようだ。
恐れてはいたけど、こんなすぐになるとは。
「おい、オムニ。俺の名前はフロスト。二人が好きだと言っているってことはそれ相応の男なんだろ。ちょっと確かめさせてくれよ。」
まじかよ。
このクラスは戦闘狂ばっかりなのか。
このフロストとかいうやつはさっきのライアンほど体は大きくないけどなんか強そうな雰囲気だ。
しかもこいつの周りには冷気のようなものが漂っている。
見た目は好青年だけど雪男かなにかか?
とりあえず怪我したくないし下手に出て見逃してもらおうかな。
「いいけど、俺結構弱いと思うんだ。たぶん戦わなくても結果は見えてると思うけど..。」
「嘘をつくな。さっきの俺の攻撃を防いだのはお前だけだ。俺もお前の事をもっと知りたい。戦ってくれ!」
ライアンまた余計な事を。このタイミングで入られたら俺は逃げられないじゃないか。
エンペラー先生も止めるどころかやってくれって感じだし....。
「オムちゃん頑張って!!」
「オムニ様ファイトです!!」
それに二人も俺の戦いが見たいらしい。
もうこれはやらざるおえないか。
戦闘なんてまだ経験なくて、さっきの攻撃を防御したくらいだ。
正直どうしたらいいかわからない...。
「おい、何ぼーっとしてる。ここじゃ狭いからグラウンドまで出るぞ。」
「分かったよ。お手柔らかにね。」
もうなるようになれ。危なかったら先生が止めてくれるだろう。
それに、俺もまだ自分の実力を分かっていないし、自分を知るきっかけになるかもしれない。