14.クラスメイト
学園編突入しました!
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「やっと着いたね!ここで今日から一緒にオムちゃんと学園生活を送るのね。オムちゃん早く行くわよ!」
「あ、ミリアちょっと待てって!一人で行くとはぐれるぞ!」
ミリアは、はしゃぎすぎると周りが見えなくなることがあるからな。
「本当にミリアは、子供なのね。まだ時間はあるので私たちはゆっくり行きましょう。」
それに対してエミリーはいつも大人っぽい余裕があるような態度だ。
ミリアもエミリーみたいにこのくらい落ち着きがあるといいんだけどな。
「オムニ様と二人きり...フフフ...。」
ん?なにか聞こえた気がしたが聞こえないふりをしとくか。
「オムニ様。私はここで失礼いたします。お二人は実力はピカイチですが色々と危ないところがあるので申し訳ありませんが何かやらかすことのないように見守ってあげてください。」
「分かった。二人は俺が責任をもって見守ることにする。シャルマンも気を付けて帰れ。」
って、ふつう逆じゃないのか?
とりあえずオッケーしちゃったけど!
昨日まで赤ん坊だった俺が二人の事を見守るなんて思ってもみなかったよ。
まあ、シャルマンが言うということは間違いないだろうからなんかあるんだろう。
一応見守っとくか。
玄関に行くと、ラキュースが俺たちのことを待っててくれた。
教室まで案内してくれるらしい。
もともと面倒見がいいのか、俺が魔王の後継者だからなのかはわからないが、どちらにしろ助かった。
学園は広くて建物も多すぎるからここから自分のクラスに行くなんてなかなか大変だからな。
「お待ちしておりました。ミリア様、エミリー様。オムニ様の姿が見当たらないようですが...。それにその少年はどちらさまでしょうか?」
「オムちゃんならここにいるわよ。」
「こちらの美少年がオムニ様です。」
「言い忘れていました。僕がオムニです。昨日,急に体が成長しまして今はこの体です。」
「え..。あっ...そうでしたか。では、こちらへどうぞ。」
なんだ?反応薄いな。
もうちょっと驚いてもくれてもいいと思うんだけど。
「それにしても、オムニ様は人が悪いお方ですね。昨日の赤子を魔王後継者として紹介して送り出すなんて。」
ん?紹介?もしかして俺が言ったこと信じてないのか。
まあ、突然成長したと言っても信じてくれないのは当たり前か。
正直なこと言ってもめんどくさいことになりそうだからそのままでいいか。
第一印象がそう思われてしまったらもういっそ開き直ってしまおうというわけだ。
話に乗ってやろう。
「そんなこと言わないでくださいよー。僕なりに考えた挨拶だったんですから。それとももっと刺激が欲しかったですか?」
ちょっといじわるくサイコパス感を出してみる。
「いえいえ。とても面白かったですよ。とても...。」
うん、完全に怖がられているな。
ミリアとエミリーがラキュースを説得しようとしていたけどこれはこれで案外面白そうだ。
面白そうだから止めさせておいた。
それに理事長に恐れられる生徒なんて学園不良ドラマの最強キャラみたいでかっこいいじゃないか。
そんなやり取りをしているうちにどうやら教室に着いたようだ。
「ここが三人の教室になります。でもよかったんですか?一番下のクラスで。あなたたちは軍でもトップの幹部。推薦という名目で最上位のクラスに行くことも簡単にできたのですが。」
「いいのよラキュース。私は、オムちゃんといっしょがいいの。クラスなんて関係ないわ。」
「そうよ。オムニ様がいないクラスなど入る意味などありません。」
お前たち、うれしいこと言ってくれるじゃん!
俺、心になんか温かいものがジーンときたよ。
「それに、オムニ様の匂いがないとこの忙しい日常を耐えられませんわ。」
「そうそう。オムちゃんいてこその生活だから。もはや生活の一部ってかんじかな。」
いや、君たちぼくの感動を返してくれ。
一人は重すぎるし、もう一人は性癖がとんでもなくて、引いてしまうレベルだよ!
もう、これ以上はおなかいっぱいだ。
とりあえず話を逸らすとするか。
「そんな話はいいから理事長。早くクラスのみんなと会いたいのですが。」
「そうですね。ここからはクラスの担任とバトンタッチということで私は別の仕事に行ってきます。
皆さんと仲良くなれるよう頑張ってください。応援しています。」
仲良くなれるように頑張る?どういうことだ。
それに君たちに話すことはすべて話した的な感じで、すごい急いで切り上げていったぞ。
まあ、いいやとりあえずこの教室だな。
入るとするか。
本来ならば担任がいると思うのだが教室の中にでもいるのだろうか。
付き添いの理事長が早めにどこかに行ってしまったため、俺が先陣をきることとなった。
ドアをノックし、扉を開けながら軽く挨拶して、教室に入る。
完璧な流れだ。
「おはようございます。今日からお世話になります。オムニとこちらエミリーとミリアです。わからないことがたくさんありますが皆さ....」
「キュイィィーンドドドドドド」
それは一瞬だった。扉を開けると同時に大量の火炎弾が俺たちの前に現れた。
<魔力攻撃を確認しました。防御、カウンター、回避どれを選択しますか。このまま実行しなければ肉体にダメージが及ぶ恐れがあります。>
魔界辞書が発動したか!?
なんで急に火の弾が!
それにしても急に選べって無理だよな!!
とりあえず防御しかない!!「魔法障壁」
<スキル「魔法障壁」を発動します。>
「ゴゴゴゴゴゴゴドドドドゴォン」
危なかった..。
エミリーやミリアも防御態勢になっていたが、俺が防ぎきれると思って手を出さなかったんだろう。
怖かったんだぞ..。早めに助けてくれよーー。
なんとか適当に選んだスキルが機能したからよかったけれど当たってたらどうなってただろうか。
今回の魔法障壁ってやつもスキルなのか。
普段見れなくてその時になると出てくるのいくらなんでも不便すぎるな。
一応無傷で済んだからよかったけど。
それにしても誰がこんな事..。
「おい、お前。なかなかやるじゃねぇか。俺の攻撃を防ぐなんてな!」
ライオン?
いや、違うな。
見た目はライオンだが、筋肉つきすぎだろう。
それに二足歩行だし。
「なんてことするんだよ。いきなりなんて危ないだろう。」
「そうよ、オムちゃんに何かあったらただじゃおかないわ。」
「そうです。オムニ様を汚す存在など生きている価値などありません。」
やばい、さすがに今暴れると退学処分だよ、お嬢さんたち!!
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。二人とも。」
「オムちゃんがいいなら許すけど..」
「オムニ様はお優しいのですから。」
危なかった。シャルマンの言っていたことはこういうことか。
ブレーキが利かないんだ、この人たち。
「ふん、どんな奴が来るか試したくてな。おれの火炎弾で試させてもらった。なかなかに面白い奴だよお前は。無傷なんて今までいなかったしな。」
見た目だけでなく、中身もぶっ飛んでいるらしい。
こんなやつがクラスメイトなのかよ。
「おい、その辺にしておけライアン。悪かったな、俺がこのクラスの担任をしているエンペラーだ。
よろしく。」
さっきまで騒がしかったライアンがおとなしくなった。そんなに怖いのかこの先生は。
見た目はカラスでいかにもライオンのほうが強そうだけど。
「よろしくお願いします、エンペラー先生。今日からお世話になります。皆さんに自己紹介してもよろしいでしょうか。」
「いいだろう。あと、先に言っておくがこのクラスの生徒は問題児たちの集まりの最も低いクラスだ。
実力以外のところで何か問題があるとここに送られてくる。言いたいことはそれだけだ。」
<スキル「精神耐性」が発動しました。>
「そんなの分かっていますよ。早く皆さんと仲良くなりたいな~」
そんなの嘘である。
スキルによって平常心を保っているが実際は、
は!?
聞いていたことと違うんですけど!
もしかしてラキュースのやつだましたな。
底辺ランクって実力じゃなくて別の方だったのかよ!!
と叫びたいくらいだ。
オムニ、ミリア、エミリーは入学早々、問題児のいるクラスに所属しまった。
これから彼らはクラスメイトとどのようにかかわっていくのだろうか...。