11.魔王の部屋
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面談は終わり、俺は城に戻ってきた。
帰りの馬車内では俺の能力があまり思わしくないという結果にテンションが落ち込んでいたが、終わったことはしかたない。シャルマンもなんとなく察してくれて、面談の件については、聞かないでくれた。
とりあえず切り替えてこれからどう強くなるかを考えよう。
「おかえりなさいませオムニ様。メイド一同お待ちしていました。」
城に入ると、大勢のメイドたちが横に並んで俺を待っていた。
わざわざ俺の帰りを待ってくれるなんてメイドって大変なんだな。
それにしても、こんなにいるのかメイドって。
俺は、今までべビールームに引きこもり生活をしていたから、こんなにいるなんて知らなかった。
まあ、たしかに考えてみれば毎回メイドの顔ぶれが違ってたな。
「オムニ様。先ほどまで学園に行き、さぞお疲れでしょう。お疲れのところ申し訳ありませんが、今日からオムニ様はバリスタ様のお部屋に移動になります。部屋までは私たちメイドがご案内しますのでついてきてください。」
そうだった。完全に忘れていたけど、今日から俺は魔王の部屋に移動だったけ。
魔王の部屋なんて、転生したとき最初にいた場所だったな。
少し不気味なイメージがあるけど何もないベビールームよりはいいだろう。
それに魔王の部屋だ。いろいろ面白いものがあるに違いない。
「メイドの皆さん、その必要はありません。私が責任をもってオムニ様をお連れ致します。
オムニ様も私のほうが安心するでしょう。」
「私もいるわよ!エミリーにオムちゃんは渡さないわ。私もついていく!」
どうやら二人は部屋までついてくるしい。まあ、俺も不安だからついてきてくれるのは心強い。
(もはや、君たちメイドだよね?幹部なのにメイドみたいにお世話してくれるじゃん。)
魔王の部屋は、城の最奥にあるらしい。
二人に案内されるがまま城内を進んでいくと最奥には大きな扉があった。
いかにも魔王の部屋って感じの立派な扉だ。
扉はもはや頑丈な壁のようで、天井と同じ高さくらいある。
(だけど扉にしては大きすぎる。こんなのどうやって入るんだ?)
すると、二人は魔力を扉に注ぎ込んだ。
ゴゴゴゴゴゴ....。
どうやら魔力に反応して開くらしい。
たとえるなら電気の代わりに魔力で開くといったところか。
扉が開くとその先には、広大な大地が広がっていた。
ここは、本当に城の中なのか!?まるで外にいるみたいだ。
しかも、どこかで魔物の鳴き声が聞こえてくる。
この部屋はどうなっているのか。
「着きましたよオムニ様。今日からここがあなた様の部屋です。部屋の中でもこちらはバリスタ様のペット達が暮らしている庭になります。これからは、オムニ様のペットでもあります。かわいがってくださいね。部屋の中はとても広いのであたりに移動用でワープゲートが設置してあります。なぜか、バリスタ様がいなくなってシャルマンが入ったときは転移の魔法が無効になっていたらしいですが今は回復しているみたいです。ここから先はワープゲートで移動しましょう。」
オムニは、シャルマンに見つかった際、シャルマンに連れられて一回この場所を通ってはいるのだがそのときは気を失っていたため、実際に目にしたのは初めてであった。
そして次に目が覚めたのはベビールームでそれ以降、引きこもりっぱなしだったというわけだ。
ここが庭?部屋の中に部屋があるのか?もう意味が分からない。
この部屋はもはや外の世界だ、別の世界とも考えてもいいレベルだ。
こんなところで俺は生活するのか、想像もできない。
俺は動揺しながらも、ワープゲートに入る。
ゲートに入ると目の前の視界は急に切り替わる。
俺がさっきいた自然に囲まれた場所ではなく、多くの本棚が立ち並ぶ書斎に移動した。
さらに奥に行くと見覚えのある扉が。
だが、扉は壊れていたような気がする。
修理したのか、何の変哲もない開けやすい普通の扉になっている
ようやく俺の知っているここにたどり着くわけだ。
こんな場所、ワープゲートなしでは一生たどり着けないだろうな。
「この扉の奥の部屋が実質オムちゃんの部屋ね。ここは、私も入ったことないのよね。オムちゃんが心配だからここで一緒に寝ようと思っていたんだけどこれから幹部で会議があるから今日はここでお別れなの。本当にごめんね。」
「私も一応、幹部なのでここでお別れです。オムニ様のかわいい寝顔を見たかったけれどまた今度にしましょうか。」
そういって二人はワープゲートで戻っていった。
ここまで来たから二人とも部屋まで入ってくるかと思っていたが、意外だな。
そんなに幹部は忙しいのだろうか。
そういえば幹部の具体的な業務知らないな...。
話によると幹部は全員で10人いるらしいがいずれは会うことになるのだろうか?
とりあえず今は強くなる、それだけだ。
扉を開けて部屋に入ると、なにやらよくわからない実験装置や大量の書物がいたるところに散らばって いた。一応ベッドもあるみたいだ。
今日からここで寝ることになるのか。
転生直後は視界が悪くて何も見えなかったがこんなことになっていたんだな。
とりあえず寝る前に部屋の片づけからしたいところだな。
まったく、片付けする幼児なんてなかなかいないだろう。
そもそも自分の部屋を持っている幼児も存在しないか。
なんだこれ?
俺が片付けようとしていると偶然目に入ったのは一冊の本だった。
「転生した君へ」
転生者向けとか?そんなわけないよな。
なにかのフィクション小説家何かに違いない。
まあ、暇だし読んでみるか..。
「転生してきた君へ。君は今、別の世界から転生し、前との世界とのギャップを感じ、とても生きにくくはないかい?急に魔王に召喚されて、次の魔王後継者候補って言われてもどうすればいいかわからないだろうね。そこで僕が手助けしてあげよう。魔王の僕がね。試しにこの本や部屋中の本、色々声に出して読んでみなよ。この本は僕のとっておきだから。知識は力。知れば知るほど君は強くなれる。あとは君次第だ。楽しみにしているよ、君が強くなって僕を超えること。そして.......******。親愛なる魔王より」
まさかのまさかだ。
どうやら、これは俺を召喚した魔王が残した本らしい。
お前は、いったいどこにいるんだよ!!
本じゃなくて直接かたりかけてほしいものだ。
だがやっと魔王と何かわかるかもな。
読めなくなっている箇所はあるがとりあえず読んでみる価値はある。
魔王は声に出して読めとか言ってたか?
声に出したら何か起こったりするのか?
まだはっきりした言葉は話せないがやれるだけやってみるか。
俺は、とりあえず書いてあるものをひたすらよんでいく。
「ばうあいああ」
<言語伝達を取得しました。>
「身体能力超向上」
<身体能力が格段に向上しました。>
あれ、なんか俺今はっきり言葉話せるようになっていなかったか?
「能力吸収」
<能力吸収スキルを取得しました。>
「魔力鑑定」
<魔力鑑定スキルを取得しました。>
「年齢操作」
<年齢操作スキルを取得しました>
「魔法属性適応」
<属性適正ペナルティを解除しました>
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俺は、手あたり次第、あたりにある本を読み続けた。
なぜだかわからないが、読まずにはいられなかったのだ。
このとき俺に何が起こったのか、そんなことを気にならないほど俺は本を読むことに集中していた。
やっと異世界らしくなってきましたね。
前置きの話が長くて申し訳なかったです。
そろそろ戦闘シーンとかもいれられそうですね。
あとキャラそれぞれの視点もそのうち書いていきたいと思います。