第一話 どうやら異世界に来たらしい
ーー毎日が辛いと感じる
それはそうだろう。何故なら、僕は
ボッチ
だから。
いつからこうだっただろうか?多分、小学生の頃からだったと思う。というか、『あの事件』の後からだったはずだから、そうだろう。うん。だとしても、大学生なった今でも、ボッチなのはどうか思うが。なんか余計に惨めになっている気がするから、この回想はやめよう。その方が良い。
さて、今は大学からの帰り道を歩いているが、僕の前には男2人と女3人の仲の良い5人組がいる。高校生だろうか?着ている制服は僕が卒業した高校のだと思うから、多分、そうだろう。珍しいと思う。今は3時ぐらいだが、あの高校は基本4時に下校のはずなんだが。サボりか?と思うが、即座に否定する。確か今の時期はテスト期間だから、下校が早くなっているのか。なるほどなぁと思う。
またまた、思考を切り替えよう。実は僕はラノベが好きでね。昨日も深夜を通り越して朝まー
ゴホッゴホッ
まぁ、そんな具合にラノベが好きであるわけだ。特に異世界転移はいいよね。憧れるよ。チート系も弱者の成り上がり系も好きだよ!ってそんな事言ってたら、ボッチなんだなぁって周りから言われるんだろうな。
まぁ、そんな事を言う知り合いはいないのだが。やべー。話が最初に巻き戻った。脱線してる思考の電車を戻さないと。
コホンッ。まぁ、だから、何が言いたいかっていうとね。あの高校生たちはこういう帰り道とかでいきなり下が パッ って魔法陣が出て、異世界に行っちゃう可能性があるよねって事だよ。(フラグ)
なんか今、フラグが立った気がする(汗)。だ、大丈夫大丈夫。結局は二次元だから、そんな事起こるはずないって。(フラグ2)
うっさいわ!フラグがなんぼのもんじゃい!そんな事起こせるもんなら起こしてみやがれ!(フラグ3)
そんな馬鹿らしい事を考えていると突然、足元に魔法陣が出て、視界は真っ白に
「ようこそおいで下さいました。異世界人の方々ーえっ?5人?」
声がしたので目を開けるとこれまた煌びやかな装飾がしてある大きな部屋にいた。僕の近くには先ほど前を歩いていた5にー じゃない!?なんか男1人減って4人になってる!な、なんか残された1人可哀想だ。いや、突然、わけわからん場所にいる僕たちの方が可哀想なのか?っていうか、僕、意外と冷静だな。僕たち以外に多分、僕たちを召喚?したような人たち少し遠目で囲まれているのだが、なんだか、ざわついている?のか?なんか男の子がガッツポーズしているが、気持ちは分かる大変分かるが側に女の子3人にいる時点でお前は敵だ。リア充爆発しやがれ。
「ど、どど、どうしよう!?シフォン!?予定では2人だけだったよね!?なんか、5人いるんだけど!?」
「落ち着いてくださいお嬢様。おそらく召喚に巻き込まれたのでしょう。前例にありませんので私にも分かりかねます。」
「待って!?思考停止しないで助けて!?」
「それなら、『ごっめーん。なんか、手違いで関係ない人も召喚しちゃった。テヘッ☆」とでも言えば良いのでは?」
「なんか、謝る気もない上に私が言ったら、痛々しいと思われるだけの気がするんですけど!?」
なんか僕が残念な考えしてるなって思ったけど、目の前の人達も残念な会話をしている。仲間だね。じゃないじゃない。これ、あれか?僕がフラグを立てすぎたからか?なんかごめん高校生諸君。絶対、僕のせいではないけれど、なんかごめん。
「と、とりあえず、改めまして、ようこそおいで下さいまし「ちょっと考え事してるので待ってください。」あ、はい、ごめんなさい。」
危ない危ないもう少しで考えが途切れる所だった。さっきの話から察するに当初は2人召喚されるはずだったのに、3人巻き込まれてしまったわけだ。問題は誰が呼ばれたかなんだが・・・まぁ、今考えても仕方ないか。
「あ、あのー。そろそろ、よろしいでしょうか?」
「ヘ?あっはい。すみません。昔からの癖で。一旦、
集中すると、周りが見えなくなってしまって。」
今、気づいたが、いつの間にか、皆の視線が僕に集中していた。目の前の2人の女性以外はローブを着ていて、顔が見えないので、確証は無いが、ローブを着ている約10人の人は僕の事をクスクスと笑っている気がする。それだけでなく、側にいる高校生諸君もこっちを見て呆れている。男の子に関しては僕と同じように何か考えているようだが。
「いえ、無理もないでしょう。突然、訳も分からないまま見知らぬ場所に来たのですから。改めまして、ようこそグランディア王国ヘ。私は此度の召喚の責任者であるシオン・ネクタールと申します。良ければ、皆様のお名前を教えてください。」
「えっと、幻桜ユウです。」
とりあえず、最初は僕が名乗った。
「・・・・・・神崎葵です。」
次は現代のお嬢様のような高校生の女の子が名乗った。モテそうだなぁ。
「・・・水沢祈里」
この女の子は普通ーじゃないな。僕は男だから言わせてもらうけど、胸が大きくない!?あれ?高校生ってあんなに胸が大きくなっていたっけ!?僕と同じ大学生の女の子達より大きいってすごいな。いや、変態かよ僕。
「・・・白河琴音」
この女の子は普通に可愛いな。どっかで名前を聞いたことある気がするけど。どこだったかな。
「・・・剣崎光輝だ」
カッコ良すぎか!?なんだ、この男の子イケメンではないけど、名前と知的な雰囲気と名乗り方が合わさって、なんかカッコいい。
「ユウ様、アオイ様、イノリ様、コトネ様、コウキ様ですか。よろしくお願いします。説明の前に少々確認したい事がございますのでそのままでいてください。シフォン。」
「はっ。こちらに。」
そう言って、シフォンと呼ばれる女性が水晶を出した。あっなんとなく分かった。これで、本当は誰が呼ばれたのか確認するんじゃないかな。
「どうやら、コウキ様が勇者様でコトネ様が賢者様のようですね。」
「という事は、ユウ様、アオイ様、イノリ様の3名が巻き込まれたという訳ですね。」
どうやら、僕ではないらしい。正直、羨ましいが同時に面倒な事になりそうだから、ならなくて良かったと思う自分がいる。
「では、勇者様と賢者様は手筈通りに。巻き込まれた3名は私が説明します。」
「「「「「はっ。」」」」」
おお〜すごい。キリッとしている。カッコいい。さっきの残念な会話が霞んでいる。
「それでは、コウキ様とイノリ様はこちらの人達について行ってください。ユウ様とアオイ様とイノリ様は私について来てください。」
まぁ、当然のことながら、女の子3人は反論している。男の子は何も言わないようだが、口がニヤけてるので、嬉しいのだろう。えっ僕?僕は何もしないよ。無駄だからね。情報が無さすぎるから、とりあえずは従う方針でいるし。
「お気持ちはわかります。ですが、私達は国に誓って、皆様に危害を加えない事を約束します。」
3人の女の子はどうやら、納得はして無さそうだが、今は引き下がるようだ。
「それではご案内します。」
そうして、部屋を出るとこれまた綺麗な廊下だなぁと思った。窓から街が見える。あまり、よく見えないが、ずいぶんと賑わっているようだ。お祭りでもあるのかな。
ああ、どうやら、本当に異世界に来たらしい。はてさて、これからどうなることか。普通に過ごせたら良いなあ。
そんな少年の気持ちとは裏腹に世界は彼を激動の変化の中心へと巻き込む。これは、そんな彼が異世界で紡いだ絆の物語。
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あとがき
どうも皆さん、初めまして幻桜ユウです。
第一話どうでしょうか。
ってかこの訳し方危ない気がするけど。まぁ、大丈夫でしょ。
ということで全く構想を練らずになんとなく書きましたので、一話目がタイトルと関係ないって言う人がいると思いますがだいじょぶです。これからたくさん、主人公が愛され愛します。
不定期で投稿しますが、気長に待ってくれると幸いです。
では、皆様、第二話をお楽しみにー。