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Happy ending
夕暮れ、波の音。
今日は、あの日。
あの子と私が出会う、出会ってしまうあの日。
あの子が幸せになるには、私と出会ってはいけない。
私と出会わなければ、あの子が声を失うことも、痛みに耐えることも、ましてや泡になって死ぬこともなかった筈だ。
今夜は一晩中、彼女と話をしよう。
あの子が私を助けないように、
たわいもない話をしよう。
あの子の幸せの為に、
「だけど、もし許されるのなら…」
君の名前が知りたいな。
きっと、私の物語は今日でエンディングを迎えるだろうから。
嗚呼…どうかこれからの君の、生きる道が幸せでありますように!