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鬼王の巫女  作者: ふみよ
12/63

12話【泣いた青鬼】※挿絵あり

雪がしんしんと降る山の中で自分を抱きしめて懸命に走る年若い女性。

その足は寒さで真っ赤になっており、腕の中で抱きしめられている子供は目を丸くして女性の胸に顔を埋めていた。


「母上、どこへいくの?」


あどけない子供の声。

まだ年若い女性は震えた声で「大丈夫だから」とだけ言って、雪のかかった子供の前髪をそっと払う。

その子には、ツノが生えていた。

人間には無いそのツノは、子供が人の子ではないことを示している。


子供は、かつて人間の村で生まれた娘と鬼の間に生まれた子だった。

父親の顔は知らないし会ったこともない。

年若い母親は、素朴だが美しい村娘。

子供を育てていく術をしらなかったが、自分の母親がしていたように身売りをして生計を立てながらツノの生えた子供をとてもかわいがっていた。

雪の降る寒い日に生まれたから、ユキ。

女の子のようにお洒落をさせてあげたかったと、母親はちょっと寂しそうに笑ったがユキは自分の性別などどうでもいいと思っていたし、母親とずっと一緒に居られればかわいらしいかんざしも、綺麗な着物も要らなかった。

物心ついた頃から自分が普通の人間ではないと分かっていたし、身体能力だって近所の子供よりずっとよかった。

時折、大人達が自分のことを見てひそひそと鬼の話をするのが嫌だったからツノや牙を隠すことを覚えた。

本当の自分を愛してくれるのは、ユキにとっては母親だけだった。


そんなある日、村が鬼の群れに襲われる。

母親はユキを抱いて雪山を駆け、村から離れようとするが山を熟知した鬼が先回りをしていたのだ。

ユキは人質に取られ、子供だけは傷つけないでと最後まで懇願していた母親はユキの目の前で殺された。

まるで子供が虫を殺すかのような気楽さで、鬼たちは母親を殺した。

蹴られ、殴られ、叩かれながらもなお、ユキの身を案じて手を伸ばす母親の姿がフラッシュバックする。


「あ………」


雪鬼は、今にも泣きだしそうな楓の表情に母親の姿を重ねて声を震わせる。

いま、自分がやられてしまったら楓は確実に殺される。

ここで意識を手放してはいけない、と自身を鼓舞して体を起こそうとする雪鬼だったが、鬼の力強い蹴りが腹に突き刺さる。


「が、は…っ…」


意識が飛びそうになるほどの一撃を喰らい、雪鬼が地面にくずおれる。

鬼たちの下卑た笑い声が頭上から聞こえた。


(僕は…死ぬのか?)


薄れかけていく意識の中、何度も拳に力をこめようとするが雪鬼の幼い体はまるで言うことをきかない。

そんな雪鬼に必死に呼びかける楓の声が雪鬼の耳に届く。


(楓殿…母上…すみま、せん…)


ぼんやりと雪鬼の視界の先に映る楓の姿が母親とダブって見える。

何度も自分の名前を呼び続ける母親の姿がそこにはある。

雪鬼は目尻に涙を浮かべて悔しさに表情を歪めた。


(弱い奴は…死ぬ…。それは人も鬼も、同じ…なのに…)


夕方、帰宅途中に見かけた汚い子猫の姿を思い出して、まさに今の自分がその子猫と同じ状況だと雪鬼は思った。

子猫を救った楓は、今まさに自分を救おうと必死に呼びかけてくれている。

自分を羽交い締めにしている鬼を叩いたり突き飛ばしたりして、雪鬼の名を叫んでいた。


(僕は、なんて弱いんだ…)


鬼たちに寄ってたかって暴行を受け、指の先ほども動かせないほどに弱りきった雪鬼は掠れた声で涙を流す。

かつて幼かった自分には力がないから、母親を救えなかった。

そして今も、戦う力さえ失って人間一人すら救うことができない。

結局自分は幼い頃から何も変わっていないのだ。

雪鬼は肩を震わせて悔し涙を流す。

このまま自分は、また為す術もなく鬼に屈するのかと諦めにも似た気持ちを募らせる。

ふとその時、雪鬼の後ろから声が掛けられた。


「威勢よく出ていったくせに、もう負け犬になったのか?」


挑発的で自信満々な憎らしい声。

低俗な悪鬼たちではない。

邪念の混じった悪とは違う、純粋で高貴な悪の気配だ。


「め、冥鬼…!」


声をかけてきたのは、先ほど雪鬼に掌底を喰らわせた張本人の冥鬼だった。

鬼たちの間を縫うようにして現れた冥鬼は相変わらず腕を組んで、何を考えているのか掴めない笑みを浮かべて雪鬼を見下ろしている。

雪鬼が驚いたまま応えられずに居ると、冥鬼はおもむろに雪鬼を通り過ぎて楓を捕らえている鬼の元へと歩み寄る。


「その人間は俺様の所有物だ。レンタルも受け付けてねえから返せ」


そう言って楓の腕を掴んで自分の傍に引き寄せる。

楓はポカンとした顔をしていたが、すぐに眉を寄せて冥鬼の胸をどついた。


「た…助けに来るのが遅いじゃないっ!ユキくんがあんなにボロボロになってるのに!」


自分も鬼に人質に取られて怖かっただろうに、楓は気丈に冥鬼を叱りつける。

当の冥鬼は耳の穴に指を突っ込んで涼しい顔をして聞き流していた。

そんな冥鬼を見て、鬼の1人が挑発的に鼻で笑う。


「ふん、誰かと思えば犯罪者の冥鬼様じゃねえか。半端者同士つるんでるなんてお似合いだよな…へぶっ!」


冥鬼の神経を逆なでするようにわざと嫌味な言い方で語りかけていた鬼は、最後まで台詞を言い切ることなく生を終えた。

冥鬼の拳が思い切り顔面を叩き割ったためだ。

突然のことに、楓も雪鬼ですらもびっくりして目を見開いて驚いている。

当の冥鬼は、ゆっくりと拳を引き抜くと周囲の鬼たちを見回して言った。


「ちなみに聞いておくが…お前らをありったけ殺したら、懲役100年くらいになるのか?」


ニヤリと笑って冥鬼が問いかける。

こいつはむちゃくちゃな男だ、と雪鬼は思う。

楓も同じ気持ちだったが、もはやため息しか出なかった。

突如現れた冥鬼に狼狽えていた悪鬼たちではあったが、それぞれ顔を見合わせると思い切ったように耳障りな金切り声を上げて冥鬼に向かって飛びかかっていく。

鬼たちが冥鬼にしがみつこうとしたその瞬間、燃えるような熱を纏った冥鬼の足が鬼たちの体をなぎ倒した。

鬼たちの体はボロボロと砕けるようにして塵に返っていく。


(本当に殺した…僕とは違って、あいつは純粋な鬼なのに…)


雪鬼は目の前で殺されていく鬼たちを見て、ただただぽかんと口を開けていた。

飄々と仲間を殺していく冥鬼の戸惑いのなさに、鬼たちは恐怖に近いものを感じる。

同じ鬼を殺すのは死罪であり一生犯罪者の烙印を押されるため、メリットなど何も無い。

それも、悪鬼のような低俗な鬼ならともかく人に封印された鬼の王が味方に牙を向くなど信じられないことだ。

1人、また1人と背を向けて逃げ出すのに時間は掛からなかった。


「…物足りねえ」


冥鬼は逃げていく鬼たちを追うことはせず、ただ短くそう呟く。

そうしてやにわに楓に向かって指を突き出すと、力加減の入ったデコピンをお見舞いした。

思いのほか力が強かったのか、楓は両手で額を押さえて悶絶しているが冥鬼はそんなことはお構い無しと言ったように呆れたような、窘めるような口振りで叱りつける。


「もっと用心して行動しろって言ってるだろうがこの単細胞」


「用心しろなんて言われてないっ!絶対言われてないから!」


額を押さえたまま楓が言い返すが、冥鬼はわざとらしく「鬼符とやらも使いこなせなかったくせに」と嘲笑する。

いつから見ていたのか、どうしてもっと早く助けないのかと楓はカンカンに怒り散らすが冥鬼は涼しい顔だ。

そんな2人を、雪鬼はぽかんとしたまま見つめていた。

ひとしきり怒鳴りまくっていた楓が、そんな視線に気づいて慌てて駆け寄る。


「そうだっ!ごめんね、ユキくん。怪我の手当をしなきゃ」


倒れたまま身動きすら出来なくなっている小さな体を抱き起こした楓は、そのあまりの傷の多さに痛ましい表情を浮かべる。

彼女が常備しているのは靴ズレをしてしまった時用の絆創膏だけだったが、それを雪鬼の切れてしまった口元に貼ってひとまずの応急処置をした。


「鬼なんだからそんなことしなくてもすぐ治るだろ」


デリカシーのない冥鬼の発言を、すかさずジト目で睨む楓。

本当は鬼の妖力を使えば傷を瞬時に修復することは可能であるが、そこまでしてやるほどお人好しではないため冥鬼は黙っていた。

口にした途端、また楓にギャンギャンと怒られることは分かっていたからだ。


(それにしても、鬼と人の混血ってのはこうも脆いのか…)


先ほどの悪鬼たちの会話を聞いていた冥鬼は、傷だらけの雪鬼を見下ろしてそんなことを考える。

軽く100年は生きているであろう小さな鬼が、よくもその脆い体で長い間を生き延びられたものだと感心すらした。

冥鬼は1200年もの間封印されていたが、自分が封印される前のことは覚えていない。

果たして自分が何年、何十年人の世で暮らしていたのか。

もしかすると人の里に降りて無抵抗な人間たちを殺戮していたのかもしれないし、そうでないかもしれない。


(…うーむ)


どんなに考えても、思い出そうとしても暗く何も無い闇の中で自分が封印されていた以前の記憶が曖昧だった。

今ではもう、自分を封印した男の顔すら思い出せないが冥鬼の脳裏に焼き付いているのはおそろしく美しい白銀の獣のみ。

その獣のことを思うだけで腹の底が冷えるような感覚に包まれる。

恐怖と、それを上回る怒り。

その感情だけは何があっても忘れないとすら思う。


(……ま、あのクソ犬も1200年も経ってすっかり弱体化してたけどな)


冥鬼は、つい先日散々に叩きのめした犬神のことを思い出して、少しだけ荒んだ心を落ち着かせた。

思い出の中の犬神はずいぶん大きな獣だったが、冥鬼と楓が出会った犬神はスラッとした体躯をしてどちらかというと小柄だった。

1200年がどれほど途方もない年数なのか冥鬼には分からないが、きっと長い年数の中で体型が変わることもあるのだろうと無理やり自分を納得させる。


「ゆ、ユキくん!?ちょ、何してるの?」


挿絵(By みてみん)


ひとしきり考え込んでいる傍で楓の声がして、冥鬼は我に返った。

見ると、楓の足元で雪鬼が膝をついて頭を下げている。

まだ自然治癒もしていないであろうその体は、先ほどよりもずっと小さく見えた。


「この雪鬼、楓殿の強さに感服致しました!」


「いや、あいつら倒したの俺様」


思わず突っ込む冥鬼だったが、雪鬼はそれを無視して勢いに任せるようにして続けた。


「僕は弱い…。今日、それを痛感しました。気づかせてくれたのはあなただ、楓殿!」


まるで魂を削るような、真剣な声色で告げる雪鬼。

だからどうか…と雪鬼が続けて、一度言葉を区切った。

壊れ物を扱うように恭しく楓の手を取ると、雪鬼はパッと顔を上げて傷だらけの頬を真っ赤にしながら懇願する。


「僕だけの姫君になってくださいっ!」


それは、精一杯の告白だった。

冥鬼と楓はあっけにとられて、それから冥鬼が腹を抱えて笑い始めた。

よっぽどツボに入ったのか腹を抱えて転がっている冥鬼を「笑いすぎ」と叱りつけてから、楓は雪鬼の手を握り返す。

思い切りゲラゲラと笑われて不服そうな表情を浮かべていた雪鬼は、楓に手を握られて再度顔を赤く染めた。


「ありがと、気持ちだけ受け取っておくね。お友達としてよろしく…かわいい鬼の王子様」


ニコリと微笑んで雪鬼の手をしっかりと握りしめる楓。

遠回しにフラれてしまった雪鬼だったが、そんなことは気にならないのか顔を赤くしたまま花が咲いたような笑顔で頷きを返す。

笑い疲れた冥鬼は楓の後ろから雪鬼を覗き込んで言った。


「鬼の王子様ねえ…」


「な、何だ…」


自身も鬼の王を主張しているためか、冥鬼はどこか含みを持たせて雪鬼を観察する。

雪鬼は少し表情を強ばらせて冥鬼を見つめた。

しばらく無言の見つめ合いが続いたが、先に目を逸らしたのは冥鬼のほうだった。


「ま、餓鬼には似合いの肩書きか」


それだけ言って、冥鬼が身を翻す。

大きな声で、どこかの馬鹿のせいで腹が減ったとボヤきながら楓に帰宅を促した。

雪鬼の手を握ったままだった楓は慌てたように手を離すと冥鬼の後を追いかけるようにして雪鬼へ振り返る。


「ユキくん、ごめん!またねーっ!いつでも会いに来ていいんだからっ!」


そう言って満面の笑みを見せる楓に、雪鬼はまたもや胸の奥がキュッと切なくなってしまって深々と頭を下げた。

自分を打ち倒した冥鬼に助けられたことは複雑な心中ではあるが、いずれ倒さなくてはならないライバルだと密かに認識する。

しかし先ほどまでの冥鬼に対する深い憎しみは無く、敵と言うよりも好敵手と言った表現がしっくりくると思った。


「………」


そんな雪鬼を遠目で監視していた影が1つ。

口元に笑みさえ零してその場を去る雪鬼の後ろから体に包帯を巻いた人影が声をかけた。


「情けないわね、敵に助けられるなんて」


その冷たい声は、雪鬼も良く知っている人物だった。

しかし雪鬼は振り返ることなく、それどころか迷惑そうな表情を浮かべる。


「包帯ぐるぐる巻きの不審者に知り合いは居ません。それに、知らない人と話さないように学校で習ったばかりなので」


「殺すわよ。…うっ、いたた…」


振り返らずの塩対応にたまらず突っ込んだ人影が木に寄りかかる。

その人物は、狗神響子。

冥鬼に完膚なきまでに叩きのめされた犬神だ。

純粋な鬼ほどではないものの回復力の早い彼女はもう立って歩けるまでに回復していた。

しかし、雪鬼は心配するそぶりなどこれっぽっちも見せない。

そんなかわいげのない鬼にゆっくりと近づいた狗神響子は、包帯でぐるぐる巻きとなった腕を組んで問いかける。


「で、どうだった?冥鬼の強さは」


そう問いかけられた雪鬼は、つり目がちの瞳をチラリと向けただけですぐに鼻で笑った。


「彼の強さはあなたが一番よくわかってるでしょう、響子。全治1ヶ月でしたっけ?」


バカにしたような問いかけを返された響子の髪がぶわりと逆立つが、すぐに腹を押さえてしまった。

傷に響くんであんまり怒らない方が良いですよ、と他人事のように言う雪鬼も体中傷だらけだ。

少しでも歩くと傷が痛む。

響子ほどではないにしろ、雪鬼の負った傷も大きいものだった。

怒ろうとするたびに体に響くため、大きくため息をついた響子はやにわに手に持ったコンビニ袋を突き出す。


「傷、冷やしておきなさいな」


そう言って雪鬼に突き出したコンビニ袋の中に入っていたのは、冷たい氷アイスだった。

新作味が出たのよ、と得意げに告げる響子の手にも同じアイスが握られている。

雪鬼はアイスの袋を鬼に傷つけられてじくじくと痛む頬に当てた。


「……いただきます」


そう小さく告げて袋から棒アイスを取り出す。

ぱくん、と口に咥えてひんやりとしたアイスの甘味を味わいながら雪鬼はちょっと嬉しそうにアイスを舐めた。

狗神響子と雪鬼は、奇妙な縁があり訳あって幼い頃から同じ家で暮らしている。

鬼と犬神ということもあり、水と油のように相容れない存在であるし家族のように仲良しというわけにもいかないが長年連れ添う腐れ縁のような関係だった。


「知らない人から物を受け取ったらいけないって学校で習わなかった?」


アイスを渡した響子が傍らの雪鬼を揚げ足を取るように問いかける。

雪鬼はアイスから口を離すとそっぽを向いた。


「よくよく見たら知ってる顔だったので問題ありません」


「ああ言えばこういう…。少しはレディらしくしなさいよ」


そんな軽口を言い合いながら帰路へと向かっていく。

狗神響子も遅れて雪鬼と並ぶようにして2人の暮らす山へと歩みを進めた。

さりげなく雪鬼のランドセルを持って歩きながら、響子は咥えたままの棒アイスを手に持ち替える。

そんな、どことなく足取りの軽い少女たちを遠目から見つめる男が居る。

男は黒いスーツを着ており、年の頃は20代後半から30代前半。

長い銀色の髪を結って肩から垂らしていた。

男は何をするでもなく、少女たちの後ろ姿をじっと見送った後、すぐに踵を返していく。

その口元には不気味な笑みをたたえて。

少女たちの周囲で新たな波乱がゆっくりと動き出そうとしていた。

ご覧くださりありがとうございます。

また、ブクマや評価をいただいたことで先日ローファンタジーの日間ランキングで38位になっており、ローファンタジーの週間ランキングのほうにも鬼王の巫女のタイトルが載っていて飛び上がるほどに嬉しかったです。

本当にありがとうございます!大変励みになります。


引き続き次回もご覧くださると嬉しいです。

楓の親友たちが遊びに来るほのぼのした話になっております。

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