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どうやら私は死んだようです ~後編~

「うーん」


スキル一覧表を見て悩む私。

正直言うとスキルが多い。

なんだこれ、スキル『手品』とか。喜ぶの子供しかいないだろ。

『飲み物が全部炭酸になる』ってどーでもいいわ!誰得だよ!


「早くしてくんなーい?決めるの遅いよ~」

「うるさい」


隣で呑気にポテチを食っている天使が忌々しい。

それなりに時間をかけてやっとスキルを選んだ。選んだ三つのスキルはこちら。

『限界突破』『探知』『装備制限解除』


まず、『限界突破』。

このスキルは、レベルに制限がなくなる。つまり永遠に成長するということだ。やったね。

このスキルのお陰で、HPもMPでも限界がなくなるだろう。

ゲームで一番つまらないのは、成長が止まることだからな。一流プレイヤーでも成長が止まったら、後に二流に下がる。


次のスキルである『探知』は、自身の半径5m以上先のものがわかるというスキル。

意見なんの魅力もないが、スキルを上げていけば5mから100mまで伸びていくだろう。

このスキルは伸びれば伸びるほど有効になるというメリットがある。

お宝の在り処もわかるし、ダンジョンとかには有効だ。


最後のスキルである『装備制限解除』は、そのままの意味。自身が着ける装備品に制限が無くなるのだ。

例えば、剣士は杖を装備できない。勇者じゃない者は、伝説の武器を装備できない。

けど、このスキルがその制限が無くなる。

一応俺は勇者として生まれ変わるらしいけど、念のため。


「ねぇ、スキル決めたよ」


天使に欲しいスキルを書いた紙を渡す。


「ふむ。『限界突破』、『探知』、『装備制限解除』。…地味じゃね?」

「うるさい。それでいいの」

「いやさぁ、普通は伝説の魔法が使えるとか、竜の召喚とか、不老不死とかあるじゃん?

 それなのに、この三択って…あなたセンスがありませんねぇ」


っち。これだからゲームをプレイしたことない奴は。

大体そんな大胆なスキルにはデメリットが大きいのが付き物だ。

伝説の魔法が使えてMPが足りなかったら意味がない。

竜を召喚したってその竜が懐くかわからない。

不老不死なんて、永遠に死ねないとか後々が面倒なことになりそうだ。


「まぁ。いいでしょう。さぁ、この魔方陣に立ってください。今から異世界に転生させてあげます」

「へいへい」


言われた通りに魔方陣に立つと、天使が意味不明な言葉で演唱し始めた。

これが魔法ってやつなのかな。

一時したら、天使が演唱をやめた。

すると、魔方陣に光が放ち私の体がみるみる透けていくのがわかった。


「わぁ!」

「これであなたは、異世界“ファントム”に転生されるでしょう」


天使はバイバイーと手を振っており、私は覚悟を決めた。


「あ、そうだ!」

「何!?」


天使は思い出したというポーズを作り、私にロザリオを渡した。


「もし、困ったことがあったらこのロザリオに祈りをしてください」

「祈り?」

「ええ!その祈りは神々に聞こえ。やがてあなたの力になるでしょう」

「…やけに親切だな?」


やたら親切な天使に私は疑惑の視線を向けた。

天使はウインクをして最後にこう言った。


「ふふふ。ただし可愛くですよ?」

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