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非リアのオレが彼女を造る方法  作者: 結城亜依
第1章
2/2

1.抽選と妹

キャラクター登場です!

 ――そう、あれは一週間前のある暑い夏の日の事だった。

 ――俺はあるサイトの応募コーナーに応募した。それが事の発端だ。

 

 ――突然だが自己紹介をするとしよう。

 俺、神崎隴。16歳。オタク。コミュ症。童貞。引きこもり。

 ....今にも鼻で笑われるような、どうしようもない社会不適合者の俺......だったが、その日一筋の救いの光が差した。


 ――この日、日本では今までに類を見ないほど人々を湧かせた大企業が名を馳せた。

 ――その企業は大手電子機器メーカーであり、多種多様な製品を量産してきた。

 ――その会社名は「sany」。まさに今日、午前からはじまる新製品発表式があるのだ。


 俺は今日この日の為、午前9:00という早朝?へ意識を覚醒し、PCを起動、sany公式ホームページにアクセスしたのだ。....まもなく始まるであろう大手企業様の発表の前に、少々準備を。

 

 我がPCの隣で24時間連続勤務年中無休の有能なる冷蔵庫殿に深々と頭を垂れて、

 「えーっと....サイダー、サイダー....あった」

 そう呟きながら、最近発売された「三ツ的サイダー」もとい、マイフェーバリットドリンクを奪取した。


 サイダーの調達が完了し、いざ往かんと意気込みヘッドホンを装着。PCに向き直ると発表式が始まり黒スーツのリッチメンが現れた。


 『お集まりの皆様方、大変長らく御待たせ致しました。ご足労誠に感謝申し上げます。さて、今回我が社の新製品開発プロジェクトに携わり下さった“マイシロソフト”様との共同開発により、完成いたしました<次世代最新型知覚機能“AI”>、<改良型エクトプラズム装置>の二機同時製作です。この二つの機器によって........etc.etc』


 ――暫く装置についてリッチメンからの説明があった後、俺的には大本命の話題がきた。


 『さ~て!!続いては視聴者様方必見!大抽選会だよー!』

 『司会はy's(ユーズ)emi(エミ)mio(ミオ)でやっていきます!』

 

 ....!おぉ~~!司会があのy's(ユーズ)ってすげえぇ~!天使が降臨したぞ!

 説明しよう!y'sとは、今大人気の二人でユニットを組んでいるアイドルである。

 mioはツインテール赤髪の明るく元気な女の子、emiはショートボブ金髪の優しい癒し系の女の子。

 ....ちなみに俺は、emiちゃん推しだぜ☆俺のタイプド直球だしな!


 『三日前の応募締め切りまでに申し込んでくれた人たちの中から、10名様にちゃんすがありまーす!』

 『それじゃあ始めます、準備は良いですか~?』

 『スタート―!』

 『最初の当選者は~』

 『ドゥゥルルル~ババン!』

 『[263540]さん!』


 mioちゃん口で言うスタイルなんだね。しかし外れたぞ....いや、当たり前だけどね。日本の人口7億人超えなんだぞ。そのうち五割って....絶望的でしょ。当たるとは到底思えないんだけど....


 『次の当選者は~』

 『ドゥゥルルル~ババン///』

 『[568791]さんですっ♪』

 

 おっと、あぶない、あぶない。うっかり萌え死にしそうだった。

 なんだよっ!emiちゃん言いながら赤面とか反則だろっ!

 っておい!俺!見惚れてる場合かよ!

 

 『つ///続いては~//』

 『ドゥゥルルル~ババン!』

 『[194387]さんっ』


 うぅぅおおぉぉー!ヤバい!もう俺このまま死んでもいい!

 しかし俺の[209734]は当んねえなあ~。今の逆フラグで当たればなあ~。


 ――そんな事を続けてる内についに最後の当選者発表。


 『そーれーでーはー最後の当選者は―!?』


 お願いだ、テンプレ様、どうかこの俺にあなた様の御慈悲を!


 『[397164]さん』


 ..........そっ......そ~んなぁぁ~....あ..あはは....もう俺、神様信じねえ....


 『以上で抽選会は終了でーす!』

 『応募してくれた皆さんありがとうございました!』

 『『さようなら~!』』


 そんな感じで無事、抽選会は終わった。

 ああ....emiちゃん....君の笑顔が俺のせめてもの救いだよ....

 俺はショボくれてヘッドホンを外し、ベットに顔からボフッと倒れこんだ。

 俺がヨヨヨと涙を流していると、部屋の扉がドンドンッと叩かれ天使が再降臨した。

 

 ――入って来たのは、茶眼茶髪ショートの可憐な少女。神崎千夏、15歳、中学三年生。年相応の整った顔立ちに相反した、発育のよい体つきである。....ふむ、更に成長したようだな。お兄ちゃん嬉しいゾ。


 「お、おに、お兄ちゃん!ヤバい!ヤバいよ!あた、あたた、当たったよ!」

 「....お前は北○の拳かよ」


 ケン○ロウと化した最愛の妹、千夏に思わずツッコミをいれた。


 「へっ?なにいってんの?お兄ちゃん....てか、何で泣いてるの?」

 「別に泣いてねぇよ....どうでもいいだろ」

 「いやいや私の目は誤魔化せないよ~?」

 「ホウソレハスゴイ」

 「うーわ棒読みじゃん....あ、お兄ちゃんの場合ぃ()読みかぁ~」

 「うるせえ」


 俺の妹ってだけあり、中々いいツッコミをするな。うん、60点。

 然し60点。されど60点。何故かって?僕ちょっと傷ついちゃったんだ....

 

 「....」

 「....」

 「じゃなくて!お兄ちゃん!当たったんだよ!」

 「何がだよ」

 「もう....これ見て」


――千夏の見せてきたもの、それはスマホの写真だ。写真だがそれは想像を絶するモノだった。


 「....!..凄い量食べるな、お前」

 「はあ?....あ///」


 写真には千夏がでかいパフェを食べている自撮り画像が写っていた。


 「これじゃなくて!うう///あ、あった。これだよ!」


 なん....だと..?

 そこには、あるサイトのスクリーンショットが写っていたのだ。


 「お、お前!sanyに応募してたのか!?し、しかも当選って、え?は?これ夢だよな?」

 「お兄ちゃん!落ち着いて!夢じゃないよ、現実だよ!」

 

 千夏のスクショにはなんと、、『御当選おめでとうございます応募番号<397164>様』と表示されている。

 

 嗚呼、素晴らしきかなご都合主義。有り難きかなテンプレ。


 先ほどは信者を辞めた私という愚者を罰してください。

  

 「お兄ちゃん、よく聞いてね。『[397164]様。あなたは弊社の大抽選会により<次世代最新型知覚機能“AI”><改良型エクトプラズム装置>試用版を無料配送させていただきます。配送日時は10日後です』」


 「『尚、“試用版”であるため機器に問題が発生した場合、此方にお電話ください。それでは是非とも新製品をご試用ください』だって」

 「試用版ってとこが気になるけど...まぁ、すげえじゃん!良かったな!」

 「う、うん。でも、さ。私、正直当たっても....あんまり嬉しくないんだよね」


 あはは、と千夏は笑って言う。


 「....」


 が、直ぐに真面目な顔つきへとかわり、


 「だから....さ、届いたらお兄ちゃんに譲るよ」

 

 少しの間があった。


 あまりの衝撃に大袈裟に反応してしまった。 


 「........は?!何で?」

 「う..だからお兄ちゃんに譲るよって言ってるの!」

 「え?何で?お前当たったって喜んでたじゃん」

 「あ、あれはその....///」


 千夏は顔を少し赤らめて、言った。


 「お兄ちゃんにあげたら、喜んでくれるかなって思って嬉しくてなの///」

 「え....?」


 あれあれれー?これは妹フラグか?フラグなのかー?

 だが、千夏は俺とは違い、比較的まともに話している。


 「ほら、お兄ちゃんいろいろあって部屋から出れなくなったじゃん?」

 「....ああ」

 「だからこれが届けば部屋でも寂しくないかなって。私もずっと一緒に居られるわけじゃないから、ちょうどいいかなって」


 千夏は引きこもった俺の事をずっと気にしてたんだな、と内心苦笑した俺だった。

 

 「....千夏悪いな......ありがとう」

 「....ううん」


 俺がそう言うと、千夏がはにかんだ笑みで微笑んだ。

 

 ――そして10日後。俺はかなりパニクってた。



コメントくれたら嬉しいです。

主人公はりょうです。

千夏は15歳、中3です。

兄と違い、成績は普通にいいです。

茶髪ショートで面倒身がよく、友達も多い。


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