完璧にして最高な作戦
――おはよう世界。
良い朝ですね!
……まぁ迷宮の中だから夜か朝かなんて分からないけど。
意識を失っている間に進化が無事に終わったようで、私自身も力が付いた実感がある。
こういう時は鑑定でステータスを調べるのが手っ取り早い。
『リビングデッド Lv1 名前:ルーナ
ステータス
HP:200/200
MP:38/38
筋力:145
魔力:91
物理耐性:78
・斬撃耐性:64
・打撃耐性:24
・刺突耐性:24
魔法耐性:75
・炎属性耐性:6
・水属性耐性:30
・風属性耐性:70
・聖属性耐性:46
・闇属性耐性:30
敏捷:174』
とまぁこんな感じになっていたけど、アグルボアのステータスと比べると微妙に思える。
多分、まだ正々堂々と戦ったらどっちが勝つか分からないくらいかな?
さてさて、スキルポイントも増えたようだし新しいスキルを覚えるとしましょうかね。
一つ目は毒霧を取得したいと思う。
【スキルポイント100を消費して『毒霧』を取得しますか? はい/いいえ】
はい。
【『毒霧Lv1』を取得しました】
取ったら早速使ってみよう。
手を前に出して毒霧を出してみると、紫の怪し気な霧がゆっくりと手から出てきた。
……うっわぁ……地味。
まぁいいや、私の計画では効果があれば充分なのだよ毒霧さん。
残りのスキルポイントは200。
これを全部使ってどうしても取得したいスキルがある。
【スキルポイント200を消費して『MP自動回復』を取得しますか? はい/いいえ】
――そう、これ!
これが私の計画での要と言っても過言ではないくらい重要なスキル!
もちろん、はい。
【『MP自動回復Lv1』を取得しました】
試しに麻痺毒を使ってMPを消費すると、10秒に1の間隔でMPが回復されていく。
うん、いいよ。
これで崇高にして至高の私による計画始動だ!
探知で探した第二層の入り口に立つ。
そして、振り返って第二層内に向けて腕を前に出して毒霧を出す。
――そう、これが私の計画!
迷宮の中はいわば封鎖空間のようなものだから二層の入り口から毒を永遠に流し込む。
そうすると第二層に蔓延した毒霧は雑魚敵を自動的に殺してくれる。
その名も『楽してレベル上げようぜ作戦』だ。
これで一気に強くなってやるぜぇ!
〜ニ時間後〜
このニ時間の間に毒霧がレベル5に上がっていた。
ありがたい事にMP自動回復もレベル5になっていて、五秒間にMPが十回復するようになっている。
そりゃね、ニ時間も休み無しで出してるとそうなりますよね。
………というか、そろそろ毒霧が第二層全体に広まった頃かな?
【新しい称号『毒使い』を取得しました】
【新たなスキル『毒強化Lv1』を取得しました】
【新たなスキル『状態異常付与Lv1』を取得しました】
【『毒霧Lv5』が『毒霧Lv6』になりました】
【『麻痺毒Lv2』が『麻痺毒Lv3』になりました】
………お、おう。そっちに変化があったのかい。
もうちょい頑張って毒を出してみるか。
〜一時間後〜
【経験値が一定値に到達しました。『リビングデッドLv1』が『リビングデッドLv2』になりました】
【熟練度が一定値に到達しました。『毒霧Lv6』が『毒霧Lv7』になりました】
【熟練度が一定値に到達しました。『毒強化Lv1』が『毒強化Lv2』になりました】
【熟練度が一定値に到達しました。『状態異常付与Lv1』が『状態異常付与Lv2』になりました】
【スキルポイント50獲得しました】
……やっと二層の一部の敵が死んでくれた。流石に層になってるだけあって広かったな。
そもそもこっちは毒霧出しながらくつろいでるだけで楽だから気にしないけど。
◆◇◆
それからはウハウハだった。
次々とレベルが上がっていって、同じくスキルレベルも上がっていた。
ついでに鑑定も上がっていたので、早速ステータスを見てみると………
『リビングデッド Lv6 名前:ルーナ
ステータス
HP:225/225
MP:53/53
筋力:160
魔力:106
物理耐性:88
・斬撃耐性:74
・打撃耐性:34
・刺突耐性:34
魔法耐性:85
・炎属性耐性:11
・水属性耐性:40
・風属性耐性:80
・聖属性耐性:51
・闇属性耐性:40
敏捷:209
スキル
『痛覚無効』『疲労無効』『状態異常無効』『鑑定Lv4』『身体能力上昇Lv6』『腐敗Lv4』『日光耐性Lv3』『敏捷Lv3』『聖属性耐性Lv2』『恐怖耐性Lv2』『物理耐性Lv2』『斬撃耐性Lv2』『魔法耐性Lv2』『風属性耐性Lv2』『禁忌魔法Lv2』『先読』『腕力Lv3』『探知Lv3』『麻痺毒Lv4』『射撃補正Lv4』『毒霧Lv7』『MP自動回復Lv5』『毒強化Lv3』『状態異常付与Lv3』 』
―――おおっ! 取得スキル一覧が表示されるようになってる!
把握してなかったスキルもあるから、それが分かるのは嬉しい。
やっぱり痛覚無効と疲労無効はあったのか。状態異常無効も地味に使えるからあったのは嬉しい事だ。
というか日光耐性とか聖属性耐性っていつの間に取ったんだ?
………あぁ、日光で死にそうになった時に取ってたのか。あの時は必死でなんも聞いてなかったからなぁ。
………さて、二層の雑魚敵はほとんど死んだかな?
多分だけどアグルボアみたいなボス系の魔物はまだ倒せていないんだろうな。
『第二層の入り口』『魔物の死体』『魔物の死体』『魔物の死体』『魔物の死体』『第二層のボス』『魔物の死体』『魔物の死体』『魔物の死体』『財宝』『魔物の死体』『魔物の死体』(以下略
魔物の死体が多すぎて略されてるし。
探知したら普通にボスいた。
ついでに財宝とかあったんだけど………。正直、ボスよりそっちのほうが気になるんですけど。
………あ、ダメだ。ボスのすぐ近くに財宝あるから倒さなきゃ取れないやつだこれ。
よし、サクッとボスを倒しちゃいましょうかね。
………うーん、ボスはここら辺っぽいんだけど………この洞穴かな?
――あ、いたい………た。
………え? あれがボス?
――帰ります、お疲れ様でした!
踵を返して歩き出すと、ボスが私の気配に気づいたらしくこちらを振り向く。
―――やっべぇバレた!
いやいやマジで嫌なんだって、だってこいつは………
ボスは洞穴から出てきて私の前に立ちはだかる。
ここまでくれば全貌も明らかになる。
何本も生えた足、何個も付いている眼球、口元は凶器のような牙が並んで、前足と思われる部分には巨大な紫色の鎌があった。
……そう、第二層のボスはバカデカい蜘蛛なのでした。
―――キモッ!
遅くなってすいません!
次の更新は金曜の深夜になります。
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