進化するよ!
レベルが上がったという事は本当にアグルボアは死んじゃったのか。
まぁ、真っ黒な砂になっちゃったし、生きてたほうがむしろ驚きだけど。
一体何だったんだ、禁忌魔法だっけ?
あれは何なのか……生前には無かった魔法だけど…………。
それとも知らなかっただけ?
いやいや、全ての魔法には目を通してある筈だから知らないのはおかしい。
『禁忌魔法:効果は発動者によって様々だが、発動者の命と引き換えに対象の命も奪う。
決して使ってはならない禁じられた魔法。
最大Lv5』
あ、そっかぁ。鑑定のレベルも上がったからスキルとかの詳細を見られるようになったのか。
これは地味に嬉しい。
………って、禁忌魔法ヤバイな。
両者共々死ぬとか危険すぎる。決して使ってはならないとか書いてあるし。
……私が死んでない理由は不死だからだよね?
――あっぶねぇ!
しかもこれでLv1なんだよなぁ。
最大レベルはLv5だけど、これがどうなるのかは想像も出来ない。
これは無闇に使っちゃダメだな。
しばらく封印しとかなきゃ。
これなら謎の称号の『黄泉還リ』も分かるんじゃね?
あれも多分アンデッド系特有の称号だと思うし、私のステータスが上がったのもこれのせいだと思う。
『黄泉還リ:一度死亡し黄泉還った者に与えられる称号。
死亡した原因を解明し、それに対するスキルを自動的に取得できる。
黄泉還った際にステータス値が上昇する。ただし同種族で一度のみ。進化をする事でリセットされる』
――黄泉還リ、想像以上に凄かった!
一気にスキル取れたのはこれのおかげだったのか。それにステータス値も上がるとかある意味チート能力じゃね?
私こういうの知ってるー。
強くてコンティニューって言うんだよー。
ついでにレベル最大になったから進化出来るようになったし。
………いや、進化は後回し。
まずはスキルポイントを振ってスキル取得しなきゃ。
さて、今持ってるポイントは200ポイント。
まずは『探知』を取る。
元々これを取るのが目標だったし。
【スキルポイント100を消費して『探知』を取得しますか? はい/いいえ】
イエス。
【『探知Lv1』を取得しました】
探知は周囲の情報を全て教えてくれる。
敵がどこに居るか、周囲に何があるかが一気に情報としてくるから最初使った時は情報量の多さで頭が爆発するかと思った。
レベルによって範囲は変わってくる。
さっきも言ったけど情報量の多さのおかげでレベルはすぐに上がる。
試しに使ってみると………
『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』『ゴブリン』
『ゴブリン』『ホブゴブリン』『ホブゴブリン』
『迷宮の壁』『迷宮の洞穴』『第一階層』『第一階層ボスの洞穴』『第一階層ボスの死体』『冒険者の死体』『冒険者の死体』『冒険者の死体』『冒険者の死体』
【熟練度が一定値に到達しました。『探知Lv1』が『探知Lv2』になりました】
……ほらねこんな感じでいっぱい情報が来る。
しかもレベルアップする事に範囲は倍になるから次使ったらもっと凄い事になる。
というかアグルボアって第一階層のボスだったのね……そんだけ強かったから当たり前か。
気を取り直して残りのスキルポイントだけど、私は攻撃手段が欲しい。
正直言って腐敗は強いけど、それだけだと遠距離攻撃の相手には弱い。
相変わらずMPが少ないから魔法は却下。
それと、どうせなら悪者系が良い。なにせアンデッドですから。
うーん、だったら毒系かな?
ここって洞窟だから毒をバラ撒けば逃げ場無くなるし……
【毒系統のスキルは『毒霧』『麻痺毒』です】
うん、麻痺毒とか良いかも。
麻痺して動けないところに腐敗で止めとか安全だし。
これにしよう。
【スキルポイント100を消費して『麻痺毒』を取得しますか? はい/いいえ】
はい。
【『麻痺毒Lv1』を取得しました】
早速使ってみよう。
外に出て、壁に向かって麻痺毒を発動する。
――えいっ。
――ベチャッ。
手から黄色い液体が飛び出して壁に当たる。
なんか地味だけど気にしたら負けだと思う。
飛距離は中くらいで、動いてる敵に当てるのは難しそうだ。
これは練習が必要だな。
〜一時間後〜
あの後、MPが無くなるまで麻痺毒の命中率を上げるための練習をしてたら『麻痺毒Lv2』になって、ついでに『射撃補正Lv1』を取得してた。
すぐに『射撃補正Lv2』になったから、ゆっくり動く敵には必中する位の命中率になった。
麻痺毒は一回出す事にMPを1だけ消費するから、めっちゃ使いやすい。
コスパ良すぎですね、流石は悪者系スキルっすよ。
さてさて、皆さんお待ちかね進化の時間ですよ!
という事で一旦アグルボアの巣穴に戻りまーす。
進化をする時は意識が無くなるって本で読んだことがある。それに進化には時間が掛かる。
だから、安全な場所で進化をしないと意識が無い時に敵に襲われたら危ない。
【進化しますか?
リビングデッド/スケルトン】
もちろんリビングデッド。
なんでせっかく付いている肉を無くして骨にならなきゃならんのだ。
確かに私の元ナイスバディならスケルトンでも男は美貌の前にひれ伏すだろうけど。
……え、そんな事無い? デスヨネー。
『リビングデッド:アンデッドが進化した魔物。
身体能力が上がり、筋力と敏捷のステータス値が高い。
最大Lv10』
ふむふむ、更に身体能力が上がるのは嬉しい。
【『リビングデッド』に進化しますか? はい/いいえ】
もちろん、はい。
【『リビングデッド』への進化を開始します】
――意識が無くなる。
【進化に伴い、各スキルのレベルを上昇いたします】
【『腐敗Lv3』が『腐敗Lv4』になりました】
【『日光耐性Lv2』が『日光耐性Lv3』になりました】
【『敏捷Lv1』が『敏捷Lv2』になりました】
【『聖属性耐性Lv1』が『聖属性耐性Lv2』になりました】
【『恐怖耐性Lv1』が『恐怖耐性Lv2』になりました】
【『物理耐性Lv1』が『物理耐性Lv2』になりました】
【『斬撃耐性Lv1』が『斬撃耐性Lv2』になりました】
【『魔法耐性Lv1』が『魔法耐性Lv2』になりました】
【『風属性耐性Lv1』が『風属性耐性Lv2』になりました】
【『禁忌魔法Lv1』が『禁忌魔法Lv2』になりました】
【『腕力Lv1』が『腕力Lv2』になりました】
【『射撃補正Lv2』が『射撃補正Lv3』になりました】
【新たなスキル『筋力Lv1』を取得しました】
【称号『徘徊する者』を取得しました】
【ステータス値が上昇しました】
【スキルポイント300取得しました】
【進化に成功しました。『アンデッドLv5』が『リビングデッドLv1』になりました】
追記:進化時にレベルアップするスキルは、ポイントを消費していない自動的に取得したスキルになります。
次回は第二階層に突入します!
この作品を読んでいただきありがとうございます。
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