表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/28

弱くなっても頑張ります

 ステータスは全部『測定不能』。

 スキルはレベルという概念がなくなって、称号の欄が消えている。


 いやいや、これはないわ。

 なんで? とりあえずなんで?


 これじゃ『鑑定』の意味がないじゃん。

 ラビとガビルのステータスは異常ないの?


『シーフLv59 名前:ラビ


 ステータス

  HP:1250/1250

  MP:230/230


  筋力:230

  魔力:160

  物理耐性:260

   ・斬撃耐性:200

   ・打撃耐性:160

   ・刺突耐性:220

  魔法耐性:150

   ・炎耐性:110

   ・水耐性:110

   ・風耐性:140

   ・聖耐性:120

   ・闇耐性:110

  敏捷:870


 スキル

『身体能力上昇Lv7』『敏捷Lv8』『探知Lv3』『短剣技Lv6』『束縛Lv3』『危険察知Lv5』『鑑定Lv5』 』


 あ、大丈夫そうっすね。

 はーい、私がおかしいってのがわかりましたー。

 ありがとうございまーす←?



 これはもうあれか?

 自分で動いて数値を予想しろってか?

 ばっきゃろう! 面倒くせぇなおい!



「――召喚・ウルフ」


「ガルルルッ……クゥ?」


 地面から黒く染まった狼が出てきて、辺りを見渡す。

 そして、何もいないのがわかったのか、首を傾げていた。


 ……うん、相変わらず一匹を召喚するだけで、結構な負荷が来るけど、『死霊術』は問題なく使える。

 ってことは、スキルはちゃんと発動してるんだよな。


 スキルっていうのは最大レベルまで上がれば、数字が消えて今の私みたいな表示になるけど…………まさか進化したことで全部そうなった?


 そもそもこれは進化って呼べるのか?

 むしろステータス的には退化している気がするんだけど、そこんとこどうなんですかね天の声さん?


【神化は成功しました。それにともなり、対象のステータスは初期の状態に戻りました】


【称号に関しては、全て正常にインストールされました。効果に影響はないのでご安心ください】


 ほうほう、進化じゃなくて神化。それに影響して初期の状態に戻ったとな?


 ――私の一番最初の姿ってアンデッドやん!

 なんで雑魚に戻ってんだよざけんな!


 そして地味に細かい説明ありがと!


「る、ルーナさん? 大丈夫……ではなさそうだけど、一応大丈夫?」


 大丈夫どころかパニックですけどぉ!?


 ……はあ、納得はできないけど、二人には説明しといたほうがいいかもね。


「二人共、今から説明するからよーく聞いてろよ」


 神化したこと、ステータスが『測定不能』になっていたこと、全てのスキルレベルが最大になったこと、アンデッド並の弱さになってしまったこと。

 私は隠さずに全て話した。


「…………なんとも信じがたい話ね」


「けど、それが現実なんだろ? だったら一からレベル上げするしかねぇよな」


 ガビルの言う通りなんだよな。

 別にまたレベル上げをするのは問題ない。

 だけど、問題なのが時間だ。


 ここを最初から攻略すれば少しは強くなれるだろうけど、それじゃあ邪龍討伐隊をぶっ殺すのに間にあわなくなっちゃう。


「ああ、もうっ!」


 ここで迷ってても何も始まらないよね。


「…………進みますよ」


 召喚した黒ウルフに跨る。

 こいつなら足が速いから移動は問題ないと思う。


 それに、ここの迷宮主を殺せば経験値を稼げる。

 時間がない内に出来るだけ殺さなきゃならない。

 だから進む。


「すまんが、二人は走ってくれ。今の私じゃ眷属を一体出すので精一杯なんだ」


「気にしないで、私達は全然疲れてないから」


「むしろここまで楽できたんだ。さっさと行こうぜ」


 そうして私達は全速力で走り出した。




 走って数十分。

 私は嬉しい誤算を見つけた。


 それは眷属のこと。

 スキルが最大レベルになった。それは『死霊術』も例外じゃない。


 ……さて、おさらいをしよう。

 スキルはレベルが上がるごとに効果が上昇する。

 『死霊術』はレベルが上がる度に眷属が強化されて、召喚に必要なMPが減る。


 以前の私は『死霊術Lv4』だった。

 そう、迷宮の雑魚をフルボッコにできる強さなのに、レベルが4だった。

 それが最大レベルになったことで、眷属がめちゃくちゃ強くなっていました。


 具体的に言うと、ウルフが適当に引っかき攻撃をしただけで、迷宮の壁が深く抉れた。

 ただ、速いだけの魔物だったウルフがだよ。どれだけ強くなってんだよビックリだわ!


 結局、ウルフだけで十層の雑魚は殲滅できちゃった。


 それでも問題はある。

 攻撃できるのがウルフ一匹だから、倒して喰う。倒して喰う。を繰り返すと効率がめっちゃ悪い。


 仕方ないから私も食べるのだけは手伝った。もちろん手で触ったら『死滅』で敵が黒砂になっちゃうから、犬みたいに喰らいついた。

 ラビとガビルがいるのに四つん這いで喰ってたのは、単なる羞恥プレイだよね。


 気のせいか二人の私を見る視線が優しかった。

 ――やめて! 私だってやりたくないんだよ! だからそんな目で見るのはやめてよぉ!(泣)


 そんな風に十層を攻略しているうちに、眷属を一匹、また一匹と召喚し続けて、今は五十匹の軍隊ができている。


 意外と成長が早くて助かった。

 今なら同時召喚も十体くらいなら可能になっている。


 このまま快進撃を続けてやるぜ!

 ……と思っていた時、それは見えてきた。


「見つけた…………最終層の扉!」


 見るものを震え上がらせる装飾が施された巨大な扉。

 多分、この扉の先に迷宮主がいる。


 正直なところ、この強さで迷宮主を倒せるか不安だけど、私は不死。

 何度でも蘇って絶対に迷宮主を――殺してやる。


 …………すぅ……はぁ…………よし、行くか。


 扉に手を当てて、前に力を入れる。

 ギギギッという重くて軋む音をたてながら、扉はゆっくりと開かれる。


 開かれた扉の先、そこには…………


「んんっ?」


 土下座をした迷宮主がいた。

お久しぶりです。

ギャルゲーの制作がキリのいいところに来たので、不死のほうも更新再開します。


次の更新は25日の日曜日です。

これからも新しくなった不死をよろしくお願いします!

評価、感想等お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ