表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソラのクモ  作者: 佐々木さざめき
10/26

第10話

「どうなってやがる!!」


 三浦ががなった。髪を乱し、白衣がめくれ、コーヒーがまき散らされるが気にもとめなかった。


 筑波研究所の一室。会議室程度の小さな部屋だ。


 8人の部下達が三浦の行動に気づかないと自分に言い聞かせながら、目の前のパソコンで仕事を続ける。


「なんで俺がこんな事しなくちゃならないんだ!」


 回ってきた仕事は現行のTA800の改良という、つまらない‥‥いや、宇宙開拓事業から手を引かされた三浦にとって、今や宇宙開拓の主役であるTAシリーズに関わる事は屈辱以外の何者でもなかった。


 TA820におけるバッテリー駆動時間の延長技術の開発。


 任命された仕事はそれだけだった。


「ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!」


 何度も叫ぶ三浦。


「なんのためにこんな会社に残ってやってると思ってるんだ! 今すぐ土下座して許しを請いにきやがれ!」


 吹っ飛ぶゴミ箱。


「俺を‥‥俺を宇宙に! 月へいかせろぉぉぉおお!」




 ムーンベースで次のロケットを待つTA999。


 まだあまり部品が届かず、人を受け入れられるほど施設が大きくなっていなかった。


 青い月。


 モノクロの月面。


 銀色の基地。


 TA999はカメラを青い月に向ける。


 砂嵐のような記憶の中、北畠の映像が一瞬映った気がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ