実家リフォーム計画
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「家をリフォームしませんか?」
そう言って業者は設計図を出してきた。
エレベーターが付き、二階建てに増設される。
幻想的なベランダに花が咲く。
食堂はちょっとしたホームパーティを行えるようカウンターキッチンがある。
そして屋根は太陽光を取り込めるように、可動式の屋根が付く。
そして外観は洋風のおしゃれな家にデザインされていた。
予算は二千万円だった。
ちょうどピッタリの貯金があった俺は頼むことにした。
一ヶ月目に、屋根が半分ぶち抜かれた。
「雨が入ってきてるんだが、屋根はいつ付くんだ」
「じゃあ仮設でビニールでも貼っときます」
業者用の作業員の事務所が庭に建てられた。
二ヶ月目、作業は全く進まない。
庭では作業員達が毎日バーベキューをしていた。
片付けるのが面倒くさい。
三ヶ月目、対応していた人が消え、別の人が増えた。バーベキュー用の自動加工装置が庭に設置された。
機械がうるさいと近隣住民から怒鳴られ、頭を下げてバーベキューのゴミを片付ける日が続く。
電気代がとんでもないことになっていた。
四ヶ月目
「いい加減にしろ、いつまでかかるんだ」
「あんた、清掃で雇われたんじゃなかったんだな……」
現場の人が設計図を見せてくれと言った。
「フン、こんな工事が出来るわけがないだろう」
「二千万だぞ!?」
「前任者が辞めたんだ。我々は300万しか貰っていない。計画を見直そう。屋根はガラス張り、スイッチでブラックガラスを差し替え。二階建てであと二千万だ」
俺はビニールから漏れる雨水で、半分腐っている床を眺めた。
「解った、銀行に頼んで工面してみる」
5ヶ月目、バーベキューの肉が豪華な肉になった。
半裸で踊る美女、肉を食べて庭にポイ捨てしていく作業員。
それを無言で俺は片付けていく。
十キロは太った現場監督が、辞めることになりましたと挨拶をしてきた。嫌な予感がする。
6ヶ月目
「いつできるんだ」
新しく変わった現場監督に尋ねる。
「ふん、こんな額でできるはずないだろう」
「なん、だと……」
「前の現場監督は無能だったんだな。床を見ろ、腐ってる。こんな土台で2階建てができるはずないだろう。それに私達が貰ったのは50万だ」
俺が喚き散らすと、
「計画を見直す。まず屋根が必要だ。2階建ては辞めろ、床の土台を変えて、なんとか住めるようにする。あと一千万だ」
そして現在、仮設の屋根を元の屋根にする設計図が手元にある。
追加の一千万円を他の銀行から借りて渡すと、バーベキューにキレイな女性がたくさん来るようになった。
バーベキューのゴミを片付けながら、俺は溜め息をついた。
家を見上げると、屋根はまだ仮設のブルーシートのままだった。