竜との出会い
私の名前は春日井 見菜、今私はこの世界中で一番有名な高校の前にいる。
その高校の名前は、対竜封奉。漢字のとおり竜を封印していて奉っているらしい。
私が、そんな有名な高校に来たのは好奇心と、とある『約束』を果たす為だった・・・
* * *
昔の私は、親を亡くし、弟と幼馴染の家に条件付きで引き取ってもらっていた。そんな日々のある日のこと、いつものように勉強をほったらかしにして、その家に住んでいる幼馴染と、最近会った親友と三人で遊んでいた。親友が忘れ物を取りに行った。
その時だった。
ふと、ぞくりとした悪寒を感じ、あたりを見渡してみる。と、周りは霧に包まれており、二体の、いわゆる竜のようなものが見えた。
その二体の竜は色が正反対で黒い色に紫、黄緑色の竜と白と赤、黄緑色の竜だった。
「ねぇ、あなた達。」
白い竜が私達に話しかけた。
どことなく声が透き通っていて、なんだか体の後ろから光が差し込んできてとてもきれいで神々しかった。
「・・・あ、はい。」
この時の私は、今起こっていることが夢だと思っていた。
この時までは
「私達は、これから眠りにつきます。」
白い竜が丁寧に、優しく言った後、今まで黙っていた黒い竜が急に口を出した。
「ま、その間守ってほしい。っていうことだな。」
黒い竜のその軽い言い方に、周りの温度が少し下がった気がした。
少しの間無言が続き。気まずくなったとき、私の隣にいた幼馴染が目を泳がせながら口を開いた
「・・・えーと、なにを・・ですか?」
「だーかーらー」
解っていない私達にイラついたのか、少し大きな声で黒い竜が私たちの方へ(多分)顔を近づけ、何かを言おうとしたとき
バシっ
何かを叩いた音がした。
どうやら白い竜が黒い竜を叩いたみたいだった(どこでどこを叩いたのかは分からないが)
「うるさいです。近所迷惑です。黙ってろと、言ったはずですが・・・。」
さっきの態度とはまったく違う態度と声のトーンで黒い竜を(多分)睨みつけながら白い竜が言った。
正直言って、怖かった。
「い、いやだって普通、さ?俺達の伝説物語、知らないとはおもわ、ない・・だ・・ろ?」
黒い竜がどもりながら言うのも無理はない。だって、白い竜の後ろにすこーしだけ黒いオーラが見えているから。
この時点で私はこの二人(二匹?か?)の力関係を知った。(口調から察するに)女って強ぉい。
「だっても、さっても、どーでもいいです。」
「わかってるって、だから、おちつけって。」
それから少し、竜たちは言い合いを続けていたが、急に黒い竜が無理矢理区切りをつけたらしく、大きな声で言った。
この時私たちはどうすればいいのかとあたふたしてたと思う。だって急に目の前で言い合いされても困るじゃん。
「よっし!」
話をしているところを強制終了させられた白い竜が怒りそうになり、やはり怒られるのは嫌なのか白い竜が怒る前に黒い竜が私たちに話しかけた。
必死すぎて笑った。
「お前達!今、二人で遊んでたよな!?」
もうちょっとまじめな話をすると思っていた私にとっては、あまりにも簡単な質問だった。そして、その問いに私達は、顔を見合わせて二人で答えた。
二人、って事には間違いないだろう。あの子は忘れものを取りに行ってるから。・・・それに、あの子に竜は性格的に合わないと思う。
「「・・・うん、そーだよ?」」
不安げな声だったと思うが、その回答に黒い竜は満足したらしく、少し得意げに言った。
「それじゃ、俺達と契約・・・じゃなくて、『約束』しないか?」
「・・・『約束』・・?」
この時の私は、一応竜だとは思っていたが(だって見た目が竜だもん)、まるで詐欺のようだ。と思いながら返事をした。
「おう、『約束』。簡単に言うと、俺達がいない間・・・寝てる間?土地と仲間を守り、俺達が起きたら、力を貸す・・・って感じだ。」
黒い竜が(おそらく)私たちに分かるように噛み砕きながら説明したあと、幼馴染はやはり未確認生物が怖かったのかそんな事を言われたのが怖かったのかびくびくしながら言った。
「お・・俺はいいけどな・・・お、お前には無理だろ。」
だから負けず嫌いな私も、このままではいけない。と思い言い返した。
『約束』や黒い竜が少し言っていた『契約』と言う言葉にロマンを感じていたのもあったんだと思う。今思うと真面目に「コイツ馬鹿だ」と言い切れる。
「私もできるもん!無理なのはそっちでしょ?」
その言葉を聞いた竜達は少し安心したようだった。今まで口を挟まなかった白い竜も雰囲気が緩くなった感じがした。
「そうですか・・・それならまず、名前を教えてください。」
「なまえ?名前ならかすがい みなだよ?」
白い竜が(おそらく)微笑みながら私たちに言う。私が名乗り、幼馴染も名前を言おうとしたところを
「どこですか~?またサボって。まったく、お~いどこですか~?二人とも~?」
第三者の声により、とめられた。声からしてきっと使用人だ。
私達二人が、げっ。と思ったのが伝わったのか。白い竜が早口に話した。
「とりあえず、正式な契約をするのは今度にしますか・・・」
そう言うと白い竜はきれいな色をした鏡と、紙を出し(どこから出したのかは分からなかったが)その紙に何かを書き始めた(これを見た時本当に器用だなと思った)
「この二つをそれぞれひとつずつ、持っていてください。ちなみに、その鏡のことが大人にばれると、少し大変なので気をつけてください。」
そう言って私に鏡、幼馴染に紙を渡した。
「あっ。それと、このことを、ばらしていいのは子供一人だけです。それでは」
そう言い残して白い竜は消えていった。そして、結局最後ら辺までほとんど喋らなかった黒い竜も
「じゃーな、また今度。」
そう一言い残して消えていった。
・・・いつの間にか、霧は消えていた。
そしてその直後、お世話係の人に見つかり部屋に連れて行かれた。ちなみに親友は途中で逃げた(家に帰らされた)らしい。
その数日後、私たちは竜と正式な『契約』をした。
・・・契約。と言っても、彼等は『約束』だと言い続けていたし、そんな大層な事はしていないけれど。
* * *
そんなこんなで今に至る。
私達は伝説にあるように、土地とか、仲間とか、守っていかなくてはならないんだろうが、どうやって守ればいいかわからない。(その事については竜達も説明してくれなかった)
今では伝説の事については信じないようにしている。きっとガセだ。間違いない!
そんな風に、色々な考えを巡らせていた。
書き終わった後気づいたんですが・・・
長いですね・・・(笑
・・・いや、長い、のか?まぁいいや←
次回は、もう少し短いと思うので、見たくなったら見てください。
あと、誤字・脱字があったら、教えてください
2015年11月8日。少し編集しました。
27日。少し編集しました。
2016年1月23日。少しつけたしました。
2017年5月6日。誤字修正、文をつけたししました。