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しるし(詩集)

Aちゃんのこと

作者: ごり

私は同じ職場にいるAちゃんが苦手だ。


あっ、Aちゃんは男性。皆から親しみを込められて“ちゃん”付けで呼ばれている。



Aちゃんは社交的で明るくて仕事も出来る。



皆が嫌がる雑用も進んでやってくれる。 お人好しで嫌と言えない性格だ。



でも、ストレスを溜め込むたちでもなく、未だに高校時代の友人たちと集まって遊んだり、大型バイクでツーリングもする。



私が仕事でミスった時もさりげなくフォローしてくれる。



羨ましいぐらい目が大きくて睫毛が長い。身長は190cm。体重は自称90kg(いや110kgはあるはず)。とにかくデカイ。声はもちろんバリトンだ。



でもむしろ、それも愛らしいキャラで、とにかく皆から好かれている。



マイホームパパでもある。机には幼稚園児と小学生の娘ちゃんの写真がある。お決まりの家族写真の年賀状が毎年届く。



Aちゃんの奥さまは幸せなんだろうな……って思ったりする。



私とも話しが合う。いや、ヤバイくらい合いすぎる。話しやすくて会話が途切れない。たまに上司にうるさいと怒られる。



でも、私はAちゃんが苦手だ。



それなのに携帯のアドレスを交換するはめになった。



時々、仕事関係のさりげないメールが突然くる。



嫌だ……



ランチに誘ってくる。それもAちゃんのお気に入りの店。車で30分もかかる。助手席に乗って二人きり。



ありえない……



それでも沈黙はもちろんない。楽しく会話は弾む。



虚しい……



書類を渡す時に一緒に手を握らないでほしい。



キモイ……



でも、毎朝「おはようございます」って笑顔で交わして、楽しく会話が始まる。



相性的にはピッタリなんだろうなって思う。



でも、私はAちゃんが苦手だ。



なぜ?




Aちゃんの心の奥底には何かがいる。



得体のしれない何かが絶対いる。



体が拒絶反応を起こすのだろうか。





今日もAちゃんと私はノリノリで楽しく会話する。



相性ばっちりだけど、私はAちゃんが苦手だ。




でも勇気を出して、いつか心の奥底を暴いてみたい。



なんて思ったりする。



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