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『奇妙』と出会う2
『なにか』と『なにか』がぶつかった。それは、暴風と凶悪な閃光になり、翔の常識から外れたものだった。
なにがなんだかさっぱりのなか、次の衝撃は翔の首を絞める苦しさだった。
「さて!これはどうする?」
ホームレスは翔を人質にしたらしい。
少女は鼻で笑う。
「この『電界大精霊』の私が屈すると?」
「・・・・・・・ちっ」
翔がなんの役にも立たないとわかると、ホームレスはボールを投げる感覚で公園に投げた。
ボールのように弾み、地べたに転がった。
「・・・・うげっ」
初めて経験する『吐血』。
体の中が焼けるような痛みを我慢し、翔は立とうとした。
だが、頭の中でこうも思う。このままやり過ごせば、いずれ終わるのだ。
このまま倒れて気を失っていれば、済んでしまう。
それなのに、立とうとするのは、無意識によるものだった。
腕を支えにして立とうとするも、立てない。腕が強く痺れている。視界が揺れている。
脳震盪でも起こしたのだろう。
「『相変わらず』気持ちいいね。脳震盪は」
全身の痺れを押し退け、少年は立つ。