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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

作者: 龍息ch
掲載日:2025/12/27

充分…もう充分。

充分夢を見させてもらった。

凄く長くて、凄く幸福で、手放したくないと思える程の夢。

もういいんだ。



私には彼氏がいた

何度も何度も告白され

告白される度に私の心も彼へ寄っていくのを感じた。

そんな日々の中

[トラウマも忘れさせて、生きたいって思えるぐらいに幸せにする、だから付き合って欲しい]

なんて言葉を信じて付き合った。

それでもやっぱりトラウマが怖くて、何度も不安にもなったし、何度も傷付けた。

それでも傍に居てくれた。

けれど、彼は私以外とも交わりたいと

私が許すなら…だったけれど、私はどうせ早死しようとなんて考えていたから、彼のしたいことをして欲しかった。

それでも、やっぱりどこか寂しくて、嫌だという気持ちもあった。

そんな内容で、何度か喧嘩をしてしまった。

その度に

私の座る人生の椅子などないのだと。

彼の傍に居ていいわけが無いのだと。

[愛してる]彼からのその言葉も安堵の言葉じゃなくなって行く。

分かっていた。

私なんかが幸せになっていい訳がないと。

夢を見ていただけなのだと。

だから私は

「何してもいいから、私の傍に居て欲しい」

なんて、傲慢な事を彼へ望んだ。

私なんかの傍に誰かが居ていいわけないのに。

[当たり前、ずっと一緒に居る]

彼はそう言ってくれた、優しいから。

けれどいつか、私の隣以外の椅子へ座るのだろう、分かっている、分かっているし…それでも良いからと望んだ。



あぁ、神様…叶うなら

叶うなら…どんな短い一生でもいいから、どんな姿でも良いから…どんな場所でもいいから

今度は、彼の隣の椅子に座って、一緒に幸せな夢を見れるような、良いモノに転生させてください。

それ以外は望みません。

私の隣は彼がいい。

彼の隣は私がいい。

傲慢なのは分かっています。

それでも…叶えてください。

私は、貴方の事を心の底から愛していました。

ずっと、傍に居てもいいと思える人間に生まれたかったな…

まー…充分愛されたし、充分幸せになったかな…どうせなら、愛されてる内に…

またね。愛してる



数日後、ある家の中で独りの男が首を括って死んでいるのが見つかった。

足元には遺書らしきものがあり…自殺とみて捜査しています。


[なんで置いていくんだよ…なんで]

[…ごめん…ごめん………ごめん…]

[俺が…もっと…もっと…しっかり見てたら…]

「だいすきだよ」

[…ッ!?]

声がした気がした。

他人が聞けば、幻聴だと言うだろう。

後ろを振り向いても居なかったのだから。

きっと幻聴…そうだ


その日の夜不思議な夢を見た

彼氏と俺が手を繋ぎ、一緒に歩いている夢

「愛してる」

[俺も愛してるよ。]

[誰よりも、人生の中で一番…]

「…嬉しいな」

[だから、もう一度…]

「ダメだよ、私は地獄なんだから」

[…そんなのおかしいよ]

「何もおかしくないよ、ありがとう」

[…俺も地獄に行くから、一緒に居るから]

「絶対だめ」

[なんで!]

「君は優しいから、天国に行って欲しい」

[………一緒じゃなきゃ地獄に決まってる]

「私の代わりはいっぱい居るし、君は幸せになれるから」

[………]

「だから、生まれ変わったらさ、今度もまた…その時は…一緒に居てくれる?」

[絶対………約束]

「良かった」

その瞬間目が覚めた。

目が覚めた俺の目からは、大粒の涙が流れていた。

[………約束]

全て覚えている。

夢の内容を…全部。

幸せな夢だった。

続いて欲しかった。

目が覚めなくてもいいと思える程だった。

不思議な夢。死んだはずのあの人が出てきて、約束する不思議な夢。

忘れない。

ずっとずっとずっと忘れない。

良い夢を見させてもらったんだ。

いつか生まれ変わったら、今度は俺の隣に座ってもらおう。

俺の隣は…1人だけなのだから。



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