試験
そこまで時間もかからず一体また一体と次々と飛びかかってくるバク達をバッタバッタと投げ倒していき残り数匹にまで減らしてしまった
「この程度余裕じゃ!」
さらにまた一体投げ飛ばしながらこちらにガッツポーズを決めてくる余裕さえあるらしい
「さすがだな」
アレ?そういうば悟は…
悟が吹き飛ばされていた方を見ると大勢のバグが悟を囲み交代交代で体当たりを繰り返していた
「おーいー!悟ー!」
俺の声がこの広い部屋に響き渡る…
その途端悟周りに集まっていたバグ達が反応し俺めがけ突進してきた
「えっ、やば」
1歩1歩力強走りで俺めがけ走り続け気がつくと互いの距離はもう数メートル
(やられる…)
視界の半分以上がバグに支配されるほど距離が迫ったその時…
「雷堂!」
後ろから大声がした…その一瞬瞳の中に目を疑うような光景が映った
大きな音と共に稲妻が走り鋭い剣さばきがバグの群れ数匹全てを貫いた
「大丈夫か?はじめ?」
自身もボロボロであるのに尻もちをついた体に手を差し伸べてくれる
「お、おう…前のおかげで何とかな」
「なら良かったぜ!」
「なんじゃ、お主異能が使えるのじゃ?」
遠くから最後の1匹になったバグを自慢の金棒で吹き飛ばしながら叫んでいる
「いやー俺は使えねえよ使ったこともないし」
「お主が今やったのが異能なのじゃ」
「そうなのか?異能って運命を決めたりするような半端ねぇやつだろ?俺のなんてちょぴっーと体が早くなるだけだぜ?」
それを聞きアガサの顔は呆れている
「はぁっ、全くじゃ。それは異能の中でも飛び抜けて強い異能。権能ってやつじゃ。権能が使えるやつなんて今まで生まれてきた全部の人間を全部足してもそんな人数いないんじゃ」
「その権能って言うのはそんなに強いものなのか?」
「そうじゃ。お主がもし今権能が使えたら今この瞬間からでも天上者とタメで張れるほど強くなれるのじゃ。」
「そりゃヤベェな。一応確認なんだが俺の異能って強い方なのか?」
「体の中から電気を発電させ身体能力を強化する系じゃろ?
特に珍しいものでもないのじゃ。まぁ体から電気を放出できるなら別じゃが」
「えっ出せるぞ?」
「え?」
「ほら」と言いながら手のひらからビリビリと稲妻出し遊ばせている
「……異能のランク的にはお主の方が上のようじゃ」
「なんだそれ?」
「異能を測るためだけにただだた天上部の上層部に作られたただのランクじゃよ、」
こいつ…ランクが格下だと思ってた悟が自分より高くてしょげてる…
「詳しく教えてくれよ」
「ちぇっ」
しょげたら語尾取れるんだ、
権能 世界や相手にルールを強制する。はっきり言ってチート
1類 操作系
2類 身体強化系
3類 特殊系
「こんな感じじゃ」
「ってこと悟が1類でお前は3か?」
「わしは2類じゃ、3類の特殊系は強いのと弱いのがはっきり別れるから3類なだけで特殊系はほんとにやばいのじゃ」
「ってことはお前ただのパワーアップだけの単細胞ってことか」
勝てたのが嬉しかったのかニッコニコの笑顔で悟が煽っている
「なんじゃお主殴り飛ばすぞじゃ!」
「すいませんしたー」
「制限時間15分を切りました」
大きなあくびし、コーヒーか何かを飲んでいるアナウンスが聞こえてくる
「良かったのお主らあと一試験で終わりじゃ」
「次はなんなんだ?」
「これが一番難しいのじゃ!」
扉を抜けるとさらに奥に扉があり、隣には「スタッフ」とプラカードの書かれた女性がたっている
「ここまでお疲れ様です。最後の試験は個人競技となりますのでこの奥の部屋に3つ部屋がありますのでそれぞれ1人づつお入りください」
「よーし、わしが一番乗りじゃ!」
そういいアガサは勢いよく走り扉を抜けていった
「俺らも行くか」
「だな」
扉を開け中に入ると説明通り部屋の中にはには3つの扉があった。そして何故か真ん中の扉がだけ空いている
「多分あいつが入ってったんだろうな」
「じゃあ俺右行ってくる」
「おう。一緒に合格しような!」
右の扉に入るとあまりの暗さに何も見えずただただ暗闇をさまよっていた
「なんだこの部屋」
「よくぞたどり着きました」
今までのおっさんとは違う女性の透き通ったアナウンスが暗闇に響く
「ここが天上部最終入隊試験「陰影の間」です」
---ある人の物語---
無言の事務所にて暇すぎるあまり1人の女の子がため息を着く
「ねーねーミントー」
「なんですか?」
「ミントって名前だけどミント好き?」
「今の時代だと、その発言でも炎上しますよ」
「ひゃー怖ーいねー。ちなみにどっちなの?」
「嫌いです」
「ならチョコミントは?」
「嫌いです。あれは歯磨き粉です」
「それこそ炎上するよ笑」
ミント、パスク