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雨色パスク  作者: ちゃだえ
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紅のアパート

2mを楽に超えている身長だが体格は骨が見えそうなほど細い。右手に握りしめている包丁と顔を大きく隠しているマスクにはベッタリと血が付いており履いているスカートの色とペアルックである。


住居人…とか言ってる場合じゃなさそうだな


本能がこいつは今までの平凡な人生と似ても似つかない()()()であると教えてくれている。


パスクを呼ぶ…いや、パスクを呼んだとしてもこんな化け物相手ならきっと2人とも殺される…


心臓が大きく音を鳴らすなか急いで部屋を出た


ガダン!


大きな音がし瞬きすると俺はアパートの屋根の上にいた。()()()()()()()()()


「まったく本当にギリギリだね」

「…悪いだが、今何が起きたんだ?」


「音がしたから見に来たら君が切られる寸前だったから抱え屋上に飛んだの」


……俺が瞬きをしてから再び目を開けるまでおよそ0.1秒。つまりその時間でパスクは1階から2階に移動し俺を抱いて屋根まで飛び乗ったと…。


「あいつ誰だ?」

「あいつはバグ。分かるかもしれないけど人じゃないよ。」


「人間じゃない?なら何なんだ?」

「ごめんだけど聞いてたより強そうだから詳しい説明は倒した後ね」

バグ?人じゃない?倒す?理解が追いつかない….


抱えている俺の体に怪我がないことを確認しそっと屋根の上に俺を置く


「怪我無い?1人で立てる?」

「お前のおかげでなんとかな」

「なら良かった、君はここで待っててね」

「ちょっ…パスク」


俺を残しパスクは軽々屋根から2階へ飛び降り、奥の部屋へと歩み進める。その先には扉から飛び出した女の不気味な顔がこちらを睨んでいる


「ワ゛タ゛シ゛…キ゛レ゛イ゛?」

酷いノイズのような汚い声が響いてくる


「言葉を理解し完璧じゃないけど喋れるのか、速さや包丁さばき多分Bかな。まったくミントはD級って言ってたんだけどな…」


女はパスクを見て気味の悪い笑顔でニヤリと笑うと持っている包丁をパスク目掛け投げた


包丁は空気を素早く切り裂きパスクの顔面目掛けて一身に飛行し首を傾げたパスク頬スレスレを飛んでいった


「危ない危ない。避けてなかったらドンピシャだったね」

「ナ゛、ナ゛ン゛デ?シ゛、ン゛ン゛テ゛ナ゛ィ゛」


「そう言われても当たってないからね笑。さてもう終わらせちゃいましょっかな」


行き良いよく地面を蹴り飛ばすと再び正面から飛んできた包丁をスラリとかわし一瞬で女の手前まで移動しパスクよりもだいぶ背の高い体を一撃で外に殴り飛ばした。


2階から外に殴り飛ばされた体はところどころ変に曲がっており見るも無惨だ


だがその体は少しすつ消えていっていた


「はい終わりっと」

手を組んでぐーっと伸ばしたあとパスクは大きくあくびをしていた



---21時13分---


「もーそんな拗ねないでって」

「……」



あの後パスクは電話しながら俺を置いてどこかへ行ってしまった。ひとり寂しく屋根の上で体育座りすること30分。思い出したのかようやく戻ってきてくれたので無事降り帰ることが出来た…何故かパスクに抱き抱えられながら


「絶対拗ねてるじゃーん」

「拗ねてない。今は静かが好きなだけだ」

「ごめんってもしかしたら怪我してるかもって思って抱き抱えできたんだって」


「俺何回も大丈夫って言ったよな?」

「まぁまぁそう怒らず。」

「あとなんなんださっきの化け物。俺危うく死ぬところだったんだぞ」


「ごめんごめん。D級って聞いてたからつい行けると思って」

そういい手を合わせながら平謝りする


「そのさっきからその謎ワードなんなんだ?D級やバグやら、まずその体なんなんだ?めっちゃ速いしパンチやばいし」


「パンチも見てたんだ笑。じゃあとりあえずミント説明よろしく」


突如説明を任されたミントはいじってたスマホを置き嫌な顔をする

「なんで私なんですかまったく。えーっとですね、簡単に言うとゲームのバグみたいな感じで時々産まれてくる人間もバグが起きて普通の人間だったら不可能な事ができてしまうんです。


超能力が使えたり異様な本能があったりという普通とは異なる力。これを異能っていいます

ちなみに社長以外にも私も異能が使えます」


「ちなみに2人ともどんな異能なんだ?」


「私は自分の心臓を中心と定めた半径2m以内にあるものを数秒の間なら浮かせることが出来ます。社長は自分の筋肉を4~16倍まで強化することが出来るというやつです」


「4~16倍?それもうほぼゴリ…」

「なんか言った?」

俺の目を見ながらグッと握った拳を見せている

「いえいえ滅相もございません」



「あとバグというのは喜怒哀楽といったハッキリとした感情から生まれたということは判明していますが詳しいことはまだ分かっていません」

そう説明を終え再びスマホをいじる


「あっそういえば今日のバグD級って聞いてたけど雰囲気的にBっぽかったよ。危うくはじめが死んじゃうところだった」

まるで他人事の様に…


「おかしいですね。依頼ではD級と書いてあったのですが」

「そのB級とかD級って言うのはどういうやつなんだ?」


「バグを色々な面で分析してある程度どれくらい強いかを測るための等級です


Z級 ヤバい


A級 手馴れた異能使いじゃないと死ぬ


B級 異能使わないと無理


C級 ボクシングとかしてる一般人ならギリ勝てるかも


D級 一般人でも倒せるほど弱い


5つの階級によって分けられていますが一つ一つの間にはものすごい大きい差があります。」


「さっき戦ったB級って言うのはかなり強い方なのか?」

「社長の話を聞くにそこまで強くない方です」


さっき味わった今までとは格別に違った恐怖や絶望…

あれでそこまで強くない方か…


「ちなみに異能使いも同じように測ります。社長をこの等級で測るとAです」

「パスクはAと…」


チラ

特に意味はないのだが目線をパスクの大胸筋へ視線を送る


「べ、別に胸の話じゃないからね?」

少し頬を赤らめ胸を隠す


「ちなみに社長はBです」

「おい。何言ってんだ、給料下げるぞ」



---ある人達の物語---


「そういえばミントは何級ぐらいなんだ?」

「私ですか、戦闘員じゃないので測ったことは無いですけど多分Dくらいですかね」


「D相手なら俺は勝てるのか?」

「あなたを2mギリギリまで持ち上げて落とすの繰り返しで殺せますよ」

「すいませんした」


ミント、はじめ


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