天狗
寝そべったアガサをかばいながら俺と天狗は睨み合う。
その時スマホからL〇NEの通知音が鳴った。さっき見た時は圏外だったはずなんだけどな、
「あっ、それ知ってる。けーたいってやつでしょ」
悲しい顔をしながら天狗はスマホの入ったポケットを指す
「いんたーねっとって知ってる?」
無言で頷くと大きなため息を漏らし話し始めた
「数十年前までそのいんたーねっとって言うのなかったんだよ。昼は川で遊んで夜はぐっすり寝る。そんな子供にイタズラして俺たち妖怪は強くなってきたんだー」
口をへの字にして近くの小石を蹴り話を続ける
「だけど最近の子はそのけーたいってものを使うせいで子供はいっつも家にいてばっかり。そしてあれだろ?終いには俺たち妖怪は噂話の1種って思ってるんだろ?。そのせいで俺たちは弱くなる一方だよ」
俯きながら話すその顔はもはや同情が芽生えそうなほど悲しい顔だ
「強かった時は俺があさがたけ村を守ってたんだよ。他のバグが村を襲おうとした時なんか妖怪全員総出で戦ったもんだい。……けどそれも今じゃ叶わなくなってきた。力がまるで違う、もう俺たちじゃ倒すどころか守ることも出来ないんだよ」
スマホの通知音がまた鳴ったと思うと今度は電話の着信音が流れ出した。それと同時に天狗は立ち上がり歩いてくる。
「だから、お前らみたいな弱い癖に村を襲おうとする奴だけは殺す」
すぐさまアガサを担ぎその場を離れようとするも天狗は直ぐに葉っぱを仰ぎ俺たちに強風を当てつけた
何とか足に力を入れて耐えるが天狗はさらに葉っぱを仰ぎ強風を送る
「アガサまた鬼化出来るか?……アガサ?」
抱えていた脇腹を見てもアガサはいない。耳を澄まし
声のする上空を見るとアガサは体を浮かせ飛ばされていた。
「お主ー助けてくれー」
どんより疲れながらアガサはそういうが俺もそろそろ飛ばされそうだ
「じゃあ次は君」
天狗はケラケラ笑いながら俺の腹を蹴った。さらに天狗は風を仰ぎそのまま俺の体は飛ばされた
「バーイバーイー」
葉っぱをパタパタ振りながら天狗は俺たちに向け手を振った
「何も無いね」
アライが一か八かでバグの駆除を最優先し全て倒したがその後から一向に誰もこっちに来る気配がない。来た時には感じていたはずの波紋も全く感じれなくなっていた
恐る恐る施設の中に入るもただの廃墟という感じで別におかしなところは無い。
「瓦礫ばっかりですね。注意しないと怪我しそうです」
アライさんの顔を見ながら話す俺の足元を指さし踏んでしまう直前だった瓦礫を指さし「灯台もと暗しだね」と笑う。それほど緊張が解けてきた
「そういえばなんですけど。アライさんの下の名前ってなんですか?」
興味津々で尋ねるとすこし悲しみを浮かべながら教えてくれた
「下の名前つけられてないんだ……」
数秒静寂の時間が流れる
自分に対して失望と悲しみを向ける俺を察したのかアライは苦笑いし言った
「別に呼びたかったらなんか適当につけてもいいよ」
この空気を消したかっただけのその場しのぎでそう言った言葉だ、特に深い意味は無い。
けどなんだか俺は嬉しかった。まるでアライさんの命名権を貰ったかような特別感じだ
「勝手に呼んでいいんですか?」
俺を見つめながら頷く。
「好きな食べ物ってあります?」
少し腕を組んで考えたあとアライさんは答えた
「リンゴかな」
「リンゴですか……なら梨花なんかどうですか?。優しい感じでアライさんにも似合ってますよ」
「梨花…アライ梨花。いい名前だね。今度から私梨花になる」
笑顔でありがとうと言われほんとに鼻血が出そうになったが何とか抑え俺たちはさらに奥へと進んだ
---ある人たちの物語---
「Hello. Do you have a passport ?」
「そーりー!!スマンが私は日本語しかわからん」
「それは失礼致しました。パスポート見せていただけますか?」
「what a passport 」
「えっ?あっあぁ。Simply put, it is an identification card」
「そうか、ふむふむって英語知らんのだァ!」
「ええっ!?!?」
空港職員、パストゥール=デウス




