愛!
「はっくしょん。寒いー」
鼻水をすすり寒そうだがアライが入れてくれたお茶を飲んでからは幸せそうな顔をしている
駅に着いた途端アガサがどっかに走っていってしまったらしくその後悟はこの村の色んなところを探し回って結果ここに行き着いたそうだ。
「さっきはごめんね、はじめ。その…腕によりがかかった…的な」
「危うく扉ごと悟を撃ち殺してしまいそうだったよ」
ちなみにアライの首は異能で体を変えて驚かせたかったらしい…お茶目ってことにしとくか…
「そういえば悟はなんでここって分かったんだ?」
「いやこの村にある家は一軒一軒回っていってここにたどり着いたんだ」
「……なんかこの子可哀想」
「ホントですよ泣…そういえばこの人は?」
瞬きをしながらアライを見上げている
「こいつはアライ。俺がすぐ気絶したりするから同行してくれることになったんだって」
「ぷっ!すぐ気絶ね」
鼻水垂らした馬鹿面でニコニコと笑っている
「さっきまで半泣きだったのによく言うな」
「しー。声がでかい。せっかくアライさんにかっこいいとこ見せようと思ったのに」
「なんで私に?」
「えっ…そっそれは……」
「まぁいいや。それより女将さんがご飯できたと言っていたので行きましょう」
仲良く3人ご飯を食べたあとふかふかの布団が敷かれている大きな部屋に案内された
「美味しかったね」
「だな。そういえばアガサ遅くないか?」
「確かにそうだね。私見てくる」
そう言いアライは行ってしまった
「な、なぁはじめ」
「ん?なんだ?」
「あ…あの、アライさんのことなんだけど」
いつもの馬鹿面から変わり頬が少し赤くなってこっちを見ている…
「アライさんって……か…か、か、彼氏とかいるのかな…?」
「はっ?」
「い…いや、だから。彼氏いるのかなーって」
「もしかしてお前アライのこと好きなのか?」
「い、いや…そんな事ねーし」
下を向き分かりやすく動揺してながら畳をイジイジしている
「ふーん…そうなのか。なら別に言わなくてもいいか?」
「ごめんごめん、うそうそ。本当は少し…いやちょーっとアライさんのこと好…気になってる」
「多分居ないんじゃないかな」
「へっへー…そうなんだ」
隠してるつもりなのかもしれないが…うっすら笑みを浮かべガッツポーズをしている…
「何笑ってるのじゃ?お主キモイのじゃ」
牛乳を飲みながら頭にバスタオルをかけアガサがこっちを見ている
「な…なんもねーよ。そんな事よりアライさんは?」
「わしの変わって風呂に入っていったのじゃ」
「もしかしてこの次に俺が風呂入ったら…アライさんの残り湯」
「何にやにやしとるんじゃ?ほんとに今日はなんかキモなのじゃ」
「なっなんでもいいだろ。なぁはじめ?」
「………」
「そんな可哀想なものを見る目で俺を見ないでくれ。未遂だから……まだ未遂だからー!!」
悟のいきなりの大声にびっくりして隣の部屋からは女将さんの転んでしまったような音が聞こえる
「はいはいわかったから大人しくご飯食べてこい」
シュンと頷き行ってしまったがその後ご飯を食べ満足そうにいびきをかきながら寝てしまった
「上がったよ。いいお湯だった」
頭にバスタオルをかけたおっさん姿のバカとは違いアライは浴衣を着ていてマッチしている
「次入っていいか?」
アライはコクリと頷き俺は風呂へと向かった
古びた浴槽に少し水が漏れるシャワー。いかにも風情ある民家って感じだ
「さっきあいつがアライの残り湯とか言ったせいで入りずらいな…」
「はじめ…」
洗面所からアライ声がする
「はっ、はい!」
「アガサと私はもう寝ます。あと明日は何か嫌な予感がするので気をつけてください」
「わ、分かりました」
「ではお休みない」
「おやすみ」
2人の会話が途絶え切る前にアライはポツリと呟いた
「………あと……聞こえてないんで大丈夫です」
「えっ、?何が?」
「……私の残り湯……」
(えっ?えっ?これ聞こえたやつだよね?)
「これは誤解であって…」
「お休みなさい」
アライが去っていき静まり返った風呂場に思考を巡らせながら浴槽に浸かるポチャンという音だけ響いた…
---ある人達の物語---
「ねっねぇ…ミント」
「どうしました?」
「はじめっていつ帰って来るんだっけ」
「分かりません。任務が終わるまでです」
「そっか」
「なんですか?まさか恋しいってやつですか?」
「ちっ、違うし!」
「はぁーやっと社長もついに乙女になったんですね泣」
「違うもん!ただはじめと喋りたいって思っただけだもん!」
「それを恋って言うんですよ」
「うるさいなー」
ミント、パスク




